A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1142 『KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 SPRING』

2016-02-29 23:23:57 | 書物
タイトル:KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 SPRING
アートディレクション:原田佑馬(UMA/design farm)
デザイン:山副佳祐(UMA/design farm)
編集:多胡真佐子、西谷枝里子、和田ながら
資料英文和訳:板井由紀
和文英訳:ウィリアム・アンドリューズ
仏文和訳:奥平敦子(p.14)、中筋朋(p.50)
西語和訳:二村奈美(p.42)
西語英訳:ゴンザロ・ロベルド(p.43)
フェスティバルメインビジュアル撮影協力:contact Gonzo
発行:京都 : 京都国際舞台芸術祭実行委員会事務局
発行日:2016.2
形態:79p ; 24cm
内容:
ごあいさつ
ディレクターズノート 橋本裕介

ダヴィデ・ヴォンパク
 レビュー「肉体と感覚の叫び」ジェラール・マイエン
地点
 「オリンピックに向かう社会」三輪眞弘
チョイ・カファイ
 「チョイ・カファイの方法」竹田真理
松本雄吉×林慎一郎
 「戯曲と譜面」松田正隆
大駱駝艦・天賦典式
 「大駱駝艦について」宮沢章夫
チェルフィッチュ
 「出会いへの期待」建畠晢
トリシャ・ブラウン・ダンスカンパニー
 「トリシャ・ブラウンとニューヨーク・シーン」一柳慧
マヌエラ・インファンテ/テアトロ・デ・チレ
 レビュー「前時代の人々、見えない接点」アレハンドラ・コスタマグナ
足立智美×contact Gonzo
ボリス・シャルマッツ/ミュゼ・ドゥ・ラ・ダンス
 「『喰う』のための振付家による創作ノート」ボリス・シャルマッツ
researchlight
 「河童よ、ふたたび」researchlightプロジェクトメンバー

ショーケース「Forecast」
フリンジ「オープンエントリー作品」
関連イベント、提携プログラム
フェスティバル・ミーティングポイント、ホテルプラン
開催クレジット
チケット
会場アクセス
カレンダー

頂いた日:2016年2月29日
 私がテキスト参加する展覧会『timelake06「茶の間/庭先」』がフリンジ企画:オープンエントリー作品に掲載(pp.61-62)されているのはありがたいのだが、私の名前のローマ字表記が「Takeshi Hirano」になっており間違っている。正しくは、「Takeshi Hirata」ですので、この場を借りて訂正させて頂きます。

memorandum 259 溜息の後に

2016-02-28 23:24:35 | ことば
溜息の後に、すがすがしい呼吸ができるとともに、新しい自分の考え方が、在り方が、新しく生れてくる。「あっ、そうだ」と目の前に新しい道が、新しい可能性が開けるのである。(中略)
 いつでも溜息をすることによって、いつでも溜息の後の、あの創造的な瞬間を味わうことができたら……。やがては日常生活の呼吸が静かで深いものに変わっているはずだし、常時創造的な生き(息)方をしているということになり、いわゆる溜息は出なくなり、溜息とは別のものとなっている。まず息を吐け! そこに新しい可能性がある。狭い意味での息とは吐く空気のことなのである。

野口三千三『原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論(岩波現代文庫)』岩波書店、2003年、118-119頁。

 「溜息」とは溜まった息を吐くこと。創造的な「溜息」をしよう。

memorandum 258 生き方と息方

2016-02-27 23:46:24 | ことば
素朴な直感を大事にするならば、生きているということは、「息をしている」ことであり、生きものは「息するもの」であり、命は「息の内」であり、生き方は「息方」なのである。
野口三千三『原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論(岩波現代文庫)』岩波書店、2003年、103頁。

思えば、昔から今にいたるまで息詰まるような、息苦しいことが多い。後段で野口さんが書くように、「息をするのが楽な感じ」「楽に息ができる感じ」の生き方(息方)をしたいし、そういう人と接したい。


【ご案内】timelake06「茶の間/庭先」

2016-02-26 23:45:01 | お知らせ
この度、展覧会「timelake06」にテキストおよびトークイベントに参加させて頂きます。
テキストはいつもと少し異なるかたちで発表する予定ですが、錚々たる出品作家による作品をぜひご覧ください。
 なお、私のテキストはGallery ARTISLONGで読めます。

timelake06「茶の間/庭先」(福田真知キュレーション)
端地美鈴、小濱史雄、八田郁子、福田真知、東郷幸夫、夏池風冴、岡本光博、渡辺英司、大村大悟、前田菜月、平田剛志
http://timelake.jp/
2016年3月8日(火)~21日(月・祝)[14日(月)休] 13:00-18:00 
ギャラリーいのくま亭
http://galleryinokumatei.flips.jp/
2016年3月8日(火)~20日(日)[14日(月)休]  
12:00ー19:00(最終日17:00まで)
Gallery ARTISLONG
http://www.artislong.info/

■アーティストトーク
3月8日(火)18:00~ Gallery ARTISLONG
小濱史雄、福田真知、夏池風冴、大村大悟、前田菜月、岡本光博(予定)
*ツアー形式で作品を前にお話します。

■キュレータートーク
3月12日(土)18:00~ Gallery ARTISLONG
高嶋慈(美術批評)、平田剛志(京都国立近代美術館研究補佐員・美術批評)、福田真知(作家・本展企画)
*キュレーションや批評を手がける3者がtimelakeやキュレーションをめぐってお話します。


ちなみに、フライヤーでは、私の名前が出品作家と同列に記載、掲載されていますが、私の希望ではなく、デザイン、キュレーションの意向です。とても不評のようなので、今回のような形で展覧会に参加するのは最初で最後になります。
テキストは会期半ばから展覧会公式ホームページにも掲載予定です。


未読日記1141 『北園克衛詩集』

2016-02-25 23:26:08 | 書物
タイトル:北園克衛詩集 (現代詩文庫 第 2期23)
シリーズ名:現代詩文庫, 1023
著者:北園克衛
装幀:田辺輝男
編・構成:藤富保男
発行:東京 : 思潮社
発行日:2003.5第3刷(1981.6第1刷)
形態:159p ; 19cm
注記:年譜: p138-142
内容:
新しいキャンバスの上にブラッシで絵を描くように、北園克衛は原稿用紙の上に単純で鮮明なイメージをもった文字を選び、「たとえばパウル・クレエの絵のような簡潔さをもった詩」を書いた。つまり「意味によって詩(ポエジイ)を作らない」で、「詩(ポエジイ)によって意味を形成」したのである。この実験はあまりに厳しく従来の詩の概念を破壊してしまったので、逆に我が国では不当に過小評価されてきたが、逆に外国では多くのすぐれた理解者に出会った。北園克衛の世界。それは説明ぬきの感覚に、いきなり飛躍する表象や象徴にみちみちている。
清水俊彦

詩集<白のアルバム>から
SUR UN PAROISSIEN
記号説
TEXTE NOUVEAU PARNASSIEN

詩集<若いコロニイ>から
言葉
美しい秘密
口笛
Belle de Jour

詩集<MA PETITE MAISON>全篇

<円錐詩集>から
NUL
ACTE
MIRACLE
VIN
金属の縞のある少年と手術室の黄色い環

聡明なまたはフラスコの中の曲線
硝子のリボンを頸に巻いた少年の水晶の乳房とそのおびただしい階段
望遠鏡地帯のやはらかな機械の影
硝子の夜の少年の散歩
フラスコの中の少年の死

詩集<鯤>から

秋日
野分
寒土
冬至
昔の家
早春

詩集<夏の手紙>から
朝の手紙
驟雨
夏の夜

雑魚
少年


郵便屋
理髪店
土用
太陽

詩集<サボテン島>から

詩集<火の菫>から


舗道

レセプシオン
熱いモノクル(抄)

詩集<固い卵>から
インクの蛇
アスピリンの鳩
午前の肖像
ヒヤシンスの季節
溶ける貝殻
泥のブロオチ
生きたキャンドル
鉛筆の生命
休暇のバガテル
透明なオブジェ

詩集<風土>から





送行

詩集<砂の鶯>から
PATHOSの頬


奇妙な肖像
ELEGIA
秋の手
夏の室

詩集<黒い火>から
死と蝙蝠傘の詩
黒い雨
黒い肖像
黒い距離
夜の要素

詩集<定本・若いコロニイ>から
新しい一日
十月のノクタアン
軽いロマンス
秋のスピイド
住居録
春の葉書
手套
何かに添へて
美女より
詩集『若いコロニイ』再刊の覚書

詩集<真昼のレモン>から
華麗な夏のボタン
赤い縞のあるバラッド
黄いろいレトリック
ソルシコス的夜
楕円の幽霊
鏡のなかのピン
シガレットの秘密
地質学的アレゴリイ
影の空間

詩集<BLACK RAIN>から
A SOLITARY DECORATION
GREEN SUNDAY

詩集<ヴィナスの貝殻>から
a mi querida
NIGHT IN JUNE
春のガラス
ガラス

詩集<ガラスの口髭>から
消えていくpoésie
消えていくオブジエ
消えていくサラバンド
曲線的なアルゴ

詩集<煙の直線>から
ある種のバガテル
白のゲシタルト
黒の装置
ガラスの環
煙の形而上学
une autre poéme
単調な空間

詩集<家>から



詩集<眼鏡の中の幽霊>から
眼鏡の中の幽霊

詩集<空気の箱>から
青い四角
青い円筒
青い縞のある箱の中のドラマ
コップの中のドラマ

詩集<白の断片>から
hi noon
the door into summer
funny collection

詩集<BLUE>から
BLUE
optical poem
鉛の頭

詩論
日本のシュウルレアリズム宣言から
若きオリヤンの理論
所謂イミジェリィとイデオプラスティに関する簡単なる試論
詩の新しいジェネレイションに
詩の区切りについてから
詩における私の実験
fantasyの芸術
antipoéme
POETICA

年譜
詩人論
勝算なき戦いのさなかで=篠田一士
解説
詩の図学を完成させた詩人=藤富保男

購入日:2016年2月25日
購入店:丸善&ジュンク堂ネットストア
購入理由:
 韓国の写真家・高正男さんと会ったとき、北園克衛の「単調な空間」という詩を教えて頂いた。「単調な空間」にとても似ている詩が韓国の詩人・李箱の詩にあるという話はまた別に詳しく書いてみたいが、まずは実作を読んでみたく本書を購入。
 落ち着いたら北園克衛研究を進めるべく思潮社から刊行されている『記号説 1924‐1941』と『単調な空間 1949‐1978』も手に入れよう。

memorandum 257 差異ということ

2016-02-24 23:29:41 | ことば
差異ということはあらゆる存在(働き・現象・認識・動き)の前提である。というよりも、差異こそ存在そのものであると言いたいのである。何かについての差異がなければ、どんな現象も起こらない。ある差異があって、その間にあるつながりが生まれると、ある現象が起こる。どんなに複雑多様に見える現象でも、差異のある単純な少数の要素の、差異のある種々のつながり、組合せによって起きている。
野口三千三『原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論(岩波現代文庫)』岩波書店、2003年、22-23頁。

自分のなかにも外にも差異があり、差異があるから生れることがたくさんある。


memorandum 257 ものの良さがわかるということ

2016-02-23 23:23:48 | ことば
 ものの良さがわかるということは明治以来だんだんむずかしくなってきている。現代は他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない、そんな風潮が支配している時代なのだから、学問の良さ、芸術の良さもなかなかわからない。しかし、そこを骨を折ってやってもらわねば、心の芽のいきいきとした子は決して育たない。教育というのは、ものの良さが本当にわかるようにするのが第一義ではなかろうか。
岡潔『情緒と日本人』PHP研究所、2008年、140頁。

「他人の短所はわかっても長所はなかなかわからない」風潮というのは、ますます強くなっているように思う。心の芽は日々摘み取られている。だから、学問や芸術も育たない。

未読日記1140 『メディア論』

2016-02-22 23:39:22 | 書物
タイトル:メディア論―人間の拡張の諸相
タイトル別名:Understanding media : the extensions of man
著者:マーシャル・マクルーハン
訳者:栗原裕, 河本仲聖
発行:東京 : みすず書房
発行日:1994.2第7刷(1987.6第1刷)
形態:x, 381, iiip ; 22cm
注記:原著(New York: McGraw-Hill ; London: Routledge and Kegan Paul, 1964)の全訳
    メディア研究者のための参考文献: 巻末p[i]-iii
内容:
活字と機械の技術のあと、現代の諸メディアは人間をどう変えるか。本書はマクルーハンによる、現代文明と新しい人間環境へのスリリングな予言である――

「われわれの時代が全一、共感、自覚の深さにあこがれるのは、電気の技術に自然に付随するものである。われわれの時代の前の機械工業の時代は、私的な見解を激しく主張することが自然の表現の様式であると考えた……われわれの時代の特徴は課せられたパターンに反発することだ。われわれは、突然、物や人にその全体としての存在を主張させてみたくなっている」(マクルーハン)

現代は多様なメディアの時代である。われわれの生活はいまや、電気・電子によるメディアを抜きにしては語れない。本書『メディア論』がほぼ20年前に刊行されたとき、世界中に強烈なインパクトを与えた。活字の文化から現在のエレクトロニクスの技術までを視野に収めたこの大著は、さまざまなメディア(人間の拡張)の意味をみごとに解明している。《メディアはメッセージである》《熱いメディアと冷たいメディア》などのユニークな発想、テレビやラジオ、広告・漫画・自動車など多様なメディアヘの新鮮な追究――ここには、最新のテクノロジーと人間とのかかわり、また新しい時代の変容を理解する上で不可欠の洞察が含まれている。広告・ジャーナリズム・コミュニケーション・都市論・政治の各分野に新しい見方を導入している。

「マクルーハンは独創的で想像力に富んだ、とりわけ創意ゆたかな思想家である。彼に比べれば、シュペングラーは慎重に過ぎ、トインビーは想像力においておとっている」(D.マクドナルド)

目次

ペーパーパック版への序文

第一部
はしがき
1 メディアはメッセージである
2 熱いメディアと冷たいメディア
3 過熱されたメディアの逆転
4 メカ好き  感覚麻痺を起こしたナルキッソス
5 雑種のエネルギー  危険な関係
6 転換子としてのメディア
7 挑戦と崩壊  創造性の報復

第二部
8 話されることば  悪の華?
9 書かれたことば  耳には目を
10 報道と紙のルート
11 数   群衆のプロフィール
12 衣服  皮膚の拡張
13 住宅  新しい外観と新しい展望
14 貨幣  貧乏人のクレジット・カード
15 時計  時のかおり
16 印刷  それをどう捉えるか
17 漫画 『マッド』――テレビへの気違いじみた控えの間
18 印刷されたことば  ナショナリズムの設計主
19 車輪、自転車、飛行機
20 写真   壁のない売春宿
21 新聞   ニュース漏洩による政治
22 自動車  機械の花嫁
23 広告   お隣りに負けずに大騒ぎ
24 ゲーム  人間の拡張
25 電信   社会のホルモン
26 タイプライター 鉄のきまぐれの時代へ
27 電話   咆哮する金管か、チリンとなる象徴か
28 蓄音機  国民の肺を縮ませた玩具
29 映画   リールの世界
30 ラジオ  部族の太鼓
31 テレビ  臆病な巨人
32 兵器   図像の戦い
33 オートメーション 生き方の学習

訳者あとがき
メディア研究者のための参考文献

購入日:2016年2月22日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 timelale06テキストのための参考文献として購入。きっかけはフライヤーに出品作家・端地美鈴さんのテレビをめぐるテキストが引用されており、それを読んだときテレビという電子メディアがもたらした影響として本書を思い出した。有名な本ではあるが、いまだ読んだことがなくこれを機に購入。

memorandum 256 文章を書くことなしには

2016-02-21 23:16:38 | ことば
文章を書くことなしには、思索を進めることはできません。書くから自分にもわかる。自分にさえわかればよいということで書きますが、やはり文章を書いているわけです。言葉で言いあらわすことなしには、人は長く思索できないのではないかと思います。
岡潔『情緒と日本人 (PHP文庫)』PHP研究所、2008年、114-115頁。

文章を書くこと、言葉で言いあらわすことは、思索すること。

memorandum 255 人生と言うところは、

2016-02-20 23:27:53 | ことば
人生と言うところは、あなたの思っているよりも、十倍も百倍も愉しいところです。この愉しいところで、あなたはあなたの思っているよりも、十倍も百倍も愉しい思いをして生活していれば、ちょうどそれが、ぴったりと当てはまるところなのです。
宇野千代『宇野千代の人生相談 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)』廣済堂出版、1992年、210頁。


日頃から不愉快なことばかりに感情が占められてしまうが、十倍、百倍に愉快に生活するぐらいがちょうどいいのかもしれない。