言葉の息遣いに最も鈍い者が
詩歌の道を朗らかに怖さ知らずで歩んできた
と思う日
人を教える難しさに最も鈍い者が
人を教える情熱に取り憑かれるのではあるまいか
人の暗がりに最も鈍い者が
人を救いたいと切望するのではあるまいか
それぞれの分野の核心に最も鈍い者が
それぞれの分野で生涯を賭けるのではあるまいか
言葉の道に行き昏れた者が
己にかかわりのない人々にまで
言いがかりをつける寒い日
吉野弘「自然渋滞」『吉野弘全詩集』、青土社、2004年、715-716頁。
私もまた美術に最も鈍い者である。
詩歌の道を朗らかに怖さ知らずで歩んできた
と思う日
人を教える難しさに最も鈍い者が
人を教える情熱に取り憑かれるのではあるまいか
人の暗がりに最も鈍い者が
人を救いたいと切望するのではあるまいか
それぞれの分野の核心に最も鈍い者が
それぞれの分野で生涯を賭けるのではあるまいか
言葉の道に行き昏れた者が
己にかかわりのない人々にまで
言いがかりをつける寒い日
吉野弘「自然渋滞」『吉野弘全詩集』、青土社、2004年、715-716頁。
私もまた美術に最も鈍い者である。