A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未見日記 MOVIVG

2011-06-03 23:55:33 | 映画
タイトル:MOVING vol.0
制作/販売:MOVING実行委員会×&ART[株式会社フィールド]
協力:アートフェア京都実行委員会ULTRA FACTORY京都シネマ児玉画廊STANDING PINE-cubeTake Ninagawa無人島プロダクション
発売日:2011年5月
定価:5000円(税込)
内容:
DVD/111分/カラー

林勇気「The layers of everything」
宮永亮+muranaka masumi/polarM「am-pm drawing #1」
平川祐樹「夜に浮かぶ」
トーチカ「PiKAPiKA あいち プロジェクト」
八木良太「Lento-Presto(Autumn in NewYork, NewYork)」
かなもりゆうこ「トショモノ」
松本力「自らの悪心をどうやって倒すか。」
水野勝規「blue glass」
村川拓也「対馬」

購入日:2011年5月20日
購入店:「アートフェア京都」内507号室 ホテルモントレ京都
購入理由:
 「アートフェア京都」で200枚限定発売されていたもの。チラシを見て知ったが、これだけのアーティストの作品が1枚に入って、5000円とは安い。作家からすると、実際に作品が売れないと困ると思うが、DVDとして一般用に販売してくれるのはうれしい。
 ちなみに私の購入した商品は「079」だった。偶然、生年と同じで縁起がいい気がする。
 同名の上映会も京都シネマで開催されていたが、結局行かれなかった。次回のアートフェア京都でも、ぜひこの企画を継続してほしい。


サイコパス渋谷

2006-01-28 00:17:10 | 映画
 精神分析テストにはこんな項目があるようです。
□ 他人への思いやりがない
□ 人間関係を維持できない
□ 他人への配慮に無関心
□ 利益のために嘘を続ける
□ 罪の意識がない
□ 社会規範や法に従えない
これらの項目にあてはまる人は人格障害<サイコパス>だと言うことです。ずいぶんひどい犯罪者か異常者みたいですが、そう診断された「人」がいます。別に私のことではありません。
それは、企業(法人)のことです。

 これは、企業をひとりの人間として精神分析した結果、多くの企業が人格障害<サイコパス>であると仮定するところから始まる刺激的なドキュメンタリー映画『ザ・コーポレーション』の中の話です。この映画は、このような発想を導入したことで大きな効果をあげています。

 人格障害<サイコパス>としての企業。
私たちの現実は、そのような多くの企業によって囲まれています。ここ数年の企業による不祥事を例に出すまでもないでしょう。最近の、姉歯建築設計事務所らによるマンション構造計算書偽造問題、ライブドアグループによる証券取引法違反事件などを思い出してください。とくにライブドアはすべての項目に当てはまるお手本のような企業です。
 他にも、世界最大のスポーツ会社ナイキのインドネシアにおける低賃金労働、長時間残業、職場内暴力。おなじく人気衣料品ブランドGAP社もこのような不当労働を世界各国の工場で強いていました。

 本編の中で言語学者のノーム・チョムスキーはこのように語っています。
「企業は不死身の“人”として権利を持つ道徳心のない特殊な“人”だ。法律が生み出した株主のみに忠実な“人”。労働者やコミュニティの人々を考慮するわけではない。」

 断っておきますが、すべての企業がこのような行いをしていると言いたいわけではありません。また、そこで働いている従業員が悪人だと言うわけでもありません。問題は善悪で割り切れるほど簡単なものではありません。利益追求を続ける企業の現実の実態が問題なのです。利益のためならこの映画の中に出てくるエピソードにあるように偽造、虚偽、隠蔽、不当労働、メディア操作など止まるところを知りません。まだ、私はこの映画の「行動することを呼び掛ける(call to action)」に反応できるわけではありませんが、この資本主義社会をサバイバルするために、この映画は有効な知恵を教えてくれます。

 この映画を見たあと、渋谷の街を歩くことになりました。街中にあふれる企業のロゴマークがいつもとは違って見えてきました。<サイコパス>は見えていますが、その<精神>は見えないのです。

ザ・コーポレーション
THE CORPORATION
2004年/カナダ/145分/カラー
監督:マーク・アクバー、ジェニファー・アボット
原作:『ザ・コーポレーション わたしたちの社会は「企業」に支配されている』
   ジョエル・ベイカン著/酒井泰介訳/早川書房
アップリンクX(渋谷)にて公開中