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京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

令和

2019-04-01 22:53:39 | 季節のことば
新元号が「令和」と発表されました。
万葉集からと聞くや、ああ、あれだ! とすぐに感激しました。

        

『梅花の歌三十二首 併せて序』
天平二年の正月の十三日に、帥老(そちろう)が宅に萃(あつ)まりて、宴会(うたげ)を申(の)ぶ。
時に、初春の月(れうげつ)にして、気淑(よ)く風(やわら)ぐ。梅は鏡前(きょうぜん)の粉(ふん)を披(ひら)く、
蘭は珮後(はいご)の香を薫(くゆ)らす。…

万葉集を編纂したと言われている大伴家持のお父さんである大伴旅人(たびと)が大宰府の帥(そち),
つまり長官であった時、大宰府や筑紫の役人たち32人を集めて、長官の家で梅を眺めて盃をかわし、
歌を詠みあった宴を催しました。その時の、旅人の序の言葉です。令月の令は立派な、善いという意味。
令嬢とか、令夫人とか使いますネ。令月は勿論善い月ということで一月をほめて言ったものです。
風はやわらかにそよいでいる、が風和ぐの意味。梅は鏡の前のおしろいのように花を咲かせ、蘭(香草の類)
は貴人の帯の匂い袋のように馥郁と匂っている。…
という意味になる。此の宴はアカデミックで品よく、しかも和気藹々と楽しく、誰もが名残を惜しみつつ
散会した素晴らしい宴だったのです。

この令と和をよくぞ取ってくれたと、改めて提案者の想いの深さに感じ入る。令という言葉にこだわる意見も
あるようだが、令という音はキチッと、そしてスッキリしている。和が文字通りなごめてくれる感じで「令和」
は音も意味も気高くなごやかなことばだと思う。

地味だと思っていた万葉集に光が当たって、万葉集を勉強している仲間たちは、元号発表以来おおいに
盛り上がっている。

              
              遠く離れた友人からも嬉しいメールが。

              
              ご近所の友と我が家で万葉集の勉強会を続けている
              けれど、つい2週間ほど前に、時節だからとこの梅
              の宴の歌を32種、読んだばかり。
              なので、ゆる~い勉強会とはいえ、あああの歌だわ、
              と皆が気が付いたと興奮気味のラインが飛びかった。

              
              万葉集を勉強していてよかった。また頑張ります!って。

              夜には、山の上ホテルの勉強会の若い人が、この感激を
              分かち合いたくてと電話をしてきた。

              「令和」、ステキだと思います。