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京恋し

頑張った時のご褒美は京都。ずっと憧れ。

昔の人の袖の香

2007-05-10 21:09:25 | 季節のことば
さつき待つ花橘の香をかげば
        昔の人の袖の香ぞする(古今集・読み人しらず)


 皐月を待っていたかのように橘の花が咲きだした。香りをかぐと、
 昔の恋人が袖に焚き染めていた香の匂いがして、しみじみ懐かしいなあ…

 この歌以来、「花橘の香りは昔なじみの人の匂い」が定着しました。 

        
        これはミカンの花。
        古歌に詠まれたタチバナはニッポンタチバナかウンシュウミカンと
        言われています。
        自生のミカンですから、小さくて酸っぱかったのでしょうね。


真っ白な花の甘酸っぱい香りが若葉の季節の風ののって
漂ってくれば、誰でも郷愁の思いに駆られることでしょうねシミジミ…

        
        こちらは「ゆずの花」
        みかんより少し小さな花です


ミカンの花のほうが花びらが細長く、雌しべも少し形が違います。
ゆずの蕾は真ん丸くて白玉のようです

        
        ゆずも勿論ミカン科です。原産地は中国。
        日本でも奈良時代には栽培されていました

香水なんて持っていないけど、もし付けるならやっぱり柑橘系がいい。
  昔の人の香りは記憶にないけれど、たまには若い日をうっとり思い出すのも
  いいかもしれない

  橘のにほふあたりのうたた寝は夢も昔の袖の香ぞする
                    藤原俊成女(しゅんぜいのむすめ)