紙模型 戦艦扶桑製作記・1
戦艦扶桑は、今から103年前の1915年11月8日に竣工した旧帝国海軍の超ド級戦艦です。
1944年10月25日にスリガオ沖海戦で沈没するまで29年間現役で活躍し、その現役歴の長さは大戦中の12隻の戦艦の中では金剛に並びます。現役期間が長かったので何度も改装され2本あった煙突は1本にまとめられ、艦橋は洋上の違法建築と言われるほどに高く聳えてしまいました。日本の戦艦は扶桑ほどではなくとも積み上げ式が多くアメリカからはパゴダ型と揶揄されましたが、その特異な艦橋のため、今は世界的にファンが多いようです。
今回手掛け始めたのは、日本の艦艇研究では日本以上に進んでいると言われるポーランド製の紙模型です。
1/200というビッグサイズで、完成すると全長1メートルを超えます。このサイズをプラモデルやソリッドモデルだとキットだけで3万円から10万円しますが、この紙模型は7000円ほどでしかありません。
また、冊子の形になっているので、プラモデルの箱のように場所をとりません。この扶桑から買い始めて、空母大鵬・戦艦比叡・空母赤城・空母信濃を買ってしまいましたが、棚の上に並べても幅が6センチに満たず、狭い我が家にはありがたいです。
この紙模型シリーズはレギュラーというか廉価版とハイグレードがありまして、金属の砲身やエッチングパーツやレーザーカットされた骨材が点いているものは数倍の値段がします。紙模型なので紙だけで作るのが本道! と言うよりは高くて手が出ないわたしには紙だけの廉価版がありがたいです。
☆ 問題はボール紙
船体の骨格を作るには厚さ1ミリと2ミリのボール紙が必要と書かれていますが。2ミリはおろか1ミリのボール紙が手に入りません。昔は文具屋に行けば売っていたのですが、近頃はホームセンターに行ってもありません。
夏休みの工作用などで売られているのは、せいぜい厚が0.5ミリしかありません。
それにボール紙というのは水性ボンドを使うと伸びてしまうので、全長が1メートルにもなろうかという艦船モデルではひずみや、ゆがみ、たわみの原因になってしまいます。
☆ スチレンボード
そこで目を付けたのがスチレンボードです。ホームセンターや画材屋さんで手ごろなA4サイズで売っています。
書店のポップなどに使われている発泡スチロールの目の細かい板状のあれです。ボール紙に比べると割高なのですが、一隻分買っても2000円くらいですみます。
水性ボンドで簡単に接着できますし切削加工が紙よりも容易で、カッターナイフやデザインナイフでスラスラと切れます。
むろんボンドの水分を含んで伸びたりたわんだりすることもなく、仕上がりがきれいです。
そいいえば建築模型などは、このスチレンボードが使われることが多いですね。
ただ一点問題なのは、厚みが3ミリあるので、キットの組み合わせの切込みが2ミリと1ミリ厚いので加工が必要です。
切込みを1ミリ大きくするだけなのですが、ピッタリ正確にやるのが難しく、それが歪みの原因になって来るので、ちょっと気を付けなければなりません。
キットにはペラペラの紙に骨材が印刷されているだけです。それをスチレンボードに貼り付けるのですが、水性ボンドは使いません。前述しましたが水性ボンドは伸び縮みやたわみがでてしまうので、スチレンボードに貼り付けた時点で誤差が出てしまいます。特にキール材などの船の全長に関わるパーツでは伸び縮みが大きな問題になります。
割高ですが、スプレー缶式のノリを買ってきて、サッと吹き付けて手早く貼り付けます。
まあ、写真のようになんとか組み上がりました。
つづく