紙模型 戦艦扶桑製作記・2
困った紙模型です。
よくある冊子形式の紙模型なのですが、乱丁で同じページが幾つもあって、かつページナンバーが打ってありません。
新聞紙大の図面ととじ込みの図面があるのですが、不親切です。作業工程の順番がありませんし、少ない図面の指示も不十分なうえポーランド語なのでチンプンカンプンであります。
これまで作った紙模型の知識と技術で、数万点ある部品の中から必要なものを見つけ出し、切り取って作ります。
〔外板の貼り付け〕
指定の骨格を組み終えると、いよいよ艦底部から外板の貼り付けです。
外板は、縦方向の肋材(ろくざい)の間を埋めるようにして貼り付けますが、印刷された外板を切り出して貼り付けると、喫水線のところや、肋材のところが合わなくなってきます。
そこで、一肋材間で一枚になっている外板を、艦底・左舷・右舷と三分割して貼り付けて行きます。
まあ、このくらいは今までペーパークラフトを作ってきた勘で見通しが尽きます。
しかし、艦首部分を八ブロック仕上げたところで問題にぶつかりました。
紙の張力で痩せ馬が出てしまうのです。肋材があるところをエッジとして内側に凹んで見っともなくなります。
〔肋材の追加〕
最初、横方向の肋材を自作追加してやってみましたが、痩せ馬を細分化するだけです。
そこで、スチレンボードを買い足して、エッジになったり痩せ馬になったりしそうなところを自作の外板で、あらかじめ艦底のフォルムをつくっておきます。結果的には、艦体の七割あまりをスチレンボードで形成することになりました。
三ブロックぐらい貼り終えると、サンドペーパーで削って形を整えます。
そして、ようやく本来の外板を貼り付けて行きます。
〔外板を貼り終えてからの修正〕
それでも、ガタが出ます。0・3~0・1ミリほどの隙間や段差ができてしまいます。
0・3ミリで、200倍の実寸にすれば6センチの狂いです。特に喫水線下の部分が気になります。
そこで、実際の船のように外板に段差を付けます。当時の船は外板は内側と外側を互い違いに張って鋲止めしています。
ただ、外板の厚さは15ミリほどなので、スケール通りやれば、0・075ミリでティッシュペーパ並みになって、貼り付けてもエッジや段差を埋めることはできません。
そこで、古ノートの表紙の紙を細く切って貼り付けます。
ちょっとオーバースケールになりますが、エッジなどは緩和され、雰囲気は出ます。
次回は、上部構造に取り掛かる前のさらなる修正について書きます。