10日ほど更新が滞ってしまいました。
いたって元気にはしていたのですが、セミナーの資料の準備や出張が重なったこともあって、生来の怠けグセが出てしまいました。
この10日間を簡単に振り返りますと、
◎6月9日(土)14:00~
「仲道郁代 トーク付きピアノリサイタル」
無料チケットが当たり、同時刻の読響マチネを諦めて、調布グリーンホールに出向きました。
前半は、モーツァルト~グリーグ~リスト~ショパン。
後半は、ベートーヴェンの「月光」「熱情」。
ひとことでいうと、知と情のバランスがとれた仲道さんらしい演奏でした。
彼女はピアノも上手いけどトークも本当に抜群です。単なる曲目紹介にとどまらず、なるほどと思わせることをちらっと織り交ぜて話してくれるので、私も大変参考になりました。
ただ、後半の1曲目でアクシデントが起こりました。
月光の第1楽章(もちろん例の静かな美しい部分)で、ある聴衆の携帯がホール中に鳴り響いたのです。幸い演奏が途中で止まることはなかったのですが、さすがに仲道さんも心の動揺は隠し切れません。この曲の最後まで本調子には戻りませんでした。
「月光」のあとのトークでは、さすがに怒ってこのことに触れるだろうと思いきや、「弾き始めて気がついたんですが、椅子の位置が少し横にずれていて、演奏中に落ちそうになりました」と彼女は笑顔で話を切り出すではありませんか。場内は大爆笑。結局、少しも携帯の主を責めようとはしませんでした。
ピアニストである以前に、何という素晴らしい人間性。きっとホールにつめかけた全員が、仲道さんの大ファンになったことでしょう。
清々しいコンサートでした。
7月にクラシカ・ジャパンで放映されますので、契約されている方は、是非ご覧になってください。
◎6月14日(木)
翌日に大阪出張が入っていたので、前日の14日の夜から大阪へ。
リベラさん、MICKEYさん、マスター、T女史のいわゆるE7メンバーと、久しぶりに梅田で楽しく過ごさせていただきました。いつものことながら、本当にあっという間に時間が過ぎていきます。皆さんありがとうございました。
リフレッシュ効果絶大だったとみえて、少々心配していた翌日の仕事もばっちりでした。
◎6月16日(土)
午後、神奈川県民ホールへ。
「何のコンサート?何のオペラ?」と聞かれそうですが、少々違います。
タカラヅカフリークの妻に連れられて、歌劇は歌劇でも宝塚歌劇を観てきました。
宝塚を観るのは2回目です。今回の演目は「ダル・レークの恋」。
3階の天上桟敷でしたが、今回は意外に面白かった・・・。
決して「はまりそう」とは申しませんが(笑)
観劇後、中華街で夕食を食べて帰りました。大変美味しかったけどボリューム満点で、帰りの電車はほんとにしんどかった。
◎6月19日(火)
急遽大阪へ出張が決まり、日帰りで行ってきました。
結構ハードだったので、さすがに疲れました。
無性に音楽が聴きたくなって、新幹線の車中ずっと聴いていたのが、チェリビダッケが1986年に来日した時のコンサートのライブ録音盤。先日アルタスからリリースされたものです。
ブラームスが大変な名演だという触れ込みでしたが、そのブラームスのことは後日書きます。
<曲目>
■ロッシーニ:歌劇『どろぼうかささぎ』序曲
■R.シュトラウス:交響詩『死と変容』
■ブラームス:交響曲第4番
■ブラームス:ハンガリー舞曲第1番(アンコール)
■ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカートポルカ(アンコール)
■ブラームス:交響曲第4番(リハーサル)
<演奏>
■セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
■ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
<録音>1986年10月15日 東京文化会館(ライヴ)
まず、冒頭の『どろぼうかささぎ』序曲。
これが、猛烈に面白かった。
面白かったといっても、トスカニーニやアバドといったイタリア人の演奏とは、まるで違います。
アルコール度数の強いお酒をぐいっと飲みきったときの、体の芯からかぁーっと熱くなるようなあの感覚は、チェリにはありません。
しかし、こんなに格調高く、またバランスよく響いた『どろぼうかささぎ』は、滅多にきけないでしょう。
評価は分かれるかもしれませんが、私はこの演奏好きです。
2曲目の『死と変容』。
これは文句なく素晴らしい演奏。
チェリビダッケの作ろうとしている音楽の方向性と、作品のベクトルが完全に一致しています。
すべてが「びしっ」と決まっているといっても過言ではありません。
チェリビダッケ独特の仕掛けや聴かせ上手なところが、まったく作為的に感じませんでした。
蓋し名演です。
次回は、この日のメインであった『ブラームスの4番』を採りあげます。
いたって元気にはしていたのですが、セミナーの資料の準備や出張が重なったこともあって、生来の怠けグセが出てしまいました。
この10日間を簡単に振り返りますと、
◎6月9日(土)14:00~
「仲道郁代 トーク付きピアノリサイタル」
無料チケットが当たり、同時刻の読響マチネを諦めて、調布グリーンホールに出向きました。
前半は、モーツァルト~グリーグ~リスト~ショパン。
後半は、ベートーヴェンの「月光」「熱情」。
ひとことでいうと、知と情のバランスがとれた仲道さんらしい演奏でした。
彼女はピアノも上手いけどトークも本当に抜群です。単なる曲目紹介にとどまらず、なるほどと思わせることをちらっと織り交ぜて話してくれるので、私も大変参考になりました。
ただ、後半の1曲目でアクシデントが起こりました。
月光の第1楽章(もちろん例の静かな美しい部分)で、ある聴衆の携帯がホール中に鳴り響いたのです。幸い演奏が途中で止まることはなかったのですが、さすがに仲道さんも心の動揺は隠し切れません。この曲の最後まで本調子には戻りませんでした。
「月光」のあとのトークでは、さすがに怒ってこのことに触れるだろうと思いきや、「弾き始めて気がついたんですが、椅子の位置が少し横にずれていて、演奏中に落ちそうになりました」と彼女は笑顔で話を切り出すではありませんか。場内は大爆笑。結局、少しも携帯の主を責めようとはしませんでした。
ピアニストである以前に、何という素晴らしい人間性。きっとホールにつめかけた全員が、仲道さんの大ファンになったことでしょう。
清々しいコンサートでした。
7月にクラシカ・ジャパンで放映されますので、契約されている方は、是非ご覧になってください。
◎6月14日(木)
翌日に大阪出張が入っていたので、前日の14日の夜から大阪へ。
リベラさん、MICKEYさん、マスター、T女史のいわゆるE7メンバーと、久しぶりに梅田で楽しく過ごさせていただきました。いつものことながら、本当にあっという間に時間が過ぎていきます。皆さんありがとうございました。
リフレッシュ効果絶大だったとみえて、少々心配していた翌日の仕事もばっちりでした。
◎6月16日(土)
午後、神奈川県民ホールへ。
「何のコンサート?何のオペラ?」と聞かれそうですが、少々違います。
タカラヅカフリークの妻に連れられて、歌劇は歌劇でも宝塚歌劇を観てきました。
宝塚を観るのは2回目です。今回の演目は「ダル・レークの恋」。
3階の天上桟敷でしたが、今回は意外に面白かった・・・。
決して「はまりそう」とは申しませんが(笑)
観劇後、中華街で夕食を食べて帰りました。大変美味しかったけどボリューム満点で、帰りの電車はほんとにしんどかった。
◎6月19日(火)
急遽大阪へ出張が決まり、日帰りで行ってきました。
結構ハードだったので、さすがに疲れました。
無性に音楽が聴きたくなって、新幹線の車中ずっと聴いていたのが、チェリビダッケが1986年に来日した時のコンサートのライブ録音盤。先日アルタスからリリースされたものです。
ブラームスが大変な名演だという触れ込みでしたが、そのブラームスのことは後日書きます。
<曲目>
■ロッシーニ:歌劇『どろぼうかささぎ』序曲
■R.シュトラウス:交響詩『死と変容』
■ブラームス:交響曲第4番
■ブラームス:ハンガリー舞曲第1番(アンコール)
■ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウス:ピチカートポルカ(アンコール)
■ブラームス:交響曲第4番(リハーサル)
<演奏>
■セルジウ・チェリビダッケ(指揮)
■ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
<録音>1986年10月15日 東京文化会館(ライヴ)
まず、冒頭の『どろぼうかささぎ』序曲。
これが、猛烈に面白かった。
面白かったといっても、トスカニーニやアバドといったイタリア人の演奏とは、まるで違います。
アルコール度数の強いお酒をぐいっと飲みきったときの、体の芯からかぁーっと熱くなるようなあの感覚は、チェリにはありません。
しかし、こんなに格調高く、またバランスよく響いた『どろぼうかささぎ』は、滅多にきけないでしょう。
評価は分かれるかもしれませんが、私はこの演奏好きです。
2曲目の『死と変容』。
これは文句なく素晴らしい演奏。
チェリビダッケの作ろうとしている音楽の方向性と、作品のベクトルが完全に一致しています。
すべてが「びしっ」と決まっているといっても過言ではありません。
チェリビダッケ独特の仕掛けや聴かせ上手なところが、まったく作為的に感じませんでした。
蓋し名演です。
次回は、この日のメインであった『ブラームスの4番』を採りあげます。