ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

プフィッツナー 歌劇「パレストリーナ」から3つの前奏曲

2006-06-02 | CDの試聴記
今週は、週明けからトラブルに見舞われ少々へヴィな1週間でした。
ただ、今日は大阪で官庁折衝があったので昨夜から大阪に入り、久しぶりにアインザッツリベラ33さんMICKEYさんと再会。時間を忘れて大いに盛り上がり、すっかりリフレッシュさせてもらいました。
そのアインザッツで、グレゴリア聖歌の話題から「教会音楽の父」といわれるパレストリーナの話になり、連想ゲーム風にプフィッツナーのオペラ「パレストリーナ」の前奏曲を聴いてみようということになりました。
昨日聴いたのはサヴァリッシュ指揮によるもので、この演奏もとても良かった。

このオペラは3幕もので少々長いのですが、私は以前からこのオペラの前奏曲が大好きで、ときどき取り出しては聴いていました。
私の愛聴盤は、ライトナー指揮のベルリンフィル盤です。
もう一枚持っているティーレマン指揮によるベルリンドイツオペラ管弦楽団盤も、しなやかでとても美しい演奏なのですが、「訴えかける力」という点でこのライトナー盤は傑出しています。
今日出張から帰って久しぶりに聴いてみましたが、その印象をますます強くしました。


          


第1幕の前奏曲、独特の神秘的な響きがします。
ロマンティックでかつ静謐感に満ちた音楽。後期ロマン派の音楽にも聴こえるし、古くルネサンス期の音楽にも聴こえる。またオーボエが奏でる響きを聴いていると、私はそこに日本の笙や篳篥(ひちりき)の響きも感じます。
そして中間部で登場するティンパニの雷鳴のようなトレモロには、思わず鳥肌が・・・。
ほんとに不思議な音楽ですね。
私は、この曲が、ワーグナーのローエングリン第1幕の前奏曲のあとにそっと続けて演奏されても、ちっとも驚かないでしょう。

第2幕はトリエント宗教会議の場面ですから、前奏曲も第1幕とはまったく異なり強い表情を見せます。
そして続く第3幕の前奏曲では、また第1幕の雰囲気に戻ります。
この前奏曲は、第1幕の前奏曲と比べても、より祈りに満ちた感動的な音楽だと思います。第1幕の前奏曲がローエングリンだとすると、第3幕の前奏曲はパルシファルのイメージでしょうか。
とにかく美しい音楽ですよ。
まだお聴きになっていない方がいらっしゃれば、ぜひ一度聴いてみてください。

ちなみにこのオペラ「パレストリーナ」について、トーマス・マンは次のように表現しています。
「『パレストリーナ』では一切のものが過去に向いている。『パレストリーナ』を支配しているのは死への共感だ。」と。
また、プフィッツナーには、この「パレストリーナ」以外にも小交響曲等素敵な作品がたくさんありますので、また機会を見てご紹介したいと思います。

ところで、いつもコメントをくださるウィーン留学中のzauber-tonさんは、ガッティ指揮のウィーンフィルの定期演奏会で最近この曲を聴かれたそうです。
日本ではあまりプログラムにも載りませんから、生でしかもウィーンフィルの演奏と聞けば、本当に私も聴いてみたい・・・。

■プフィッツナー : 歌劇「パレストリーナ」から3つの前奏曲
■フェルディナント・ライトナー指揮
■ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
■録音:1959年 DG


コメント (8)
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