ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ショスタコーヴィチ 「24の前奏曲とフーガ」 op87

2006-01-24 | CDの試聴記
今日は、久しぶりにセミナーの講師で大阪出張です。
病み上がりのため、「話の途中で咳き込んだらどうしよう」とか自分でも心配していましたが、何とか無事に終了しました。
先週はいろいろな方に暖かいお見舞いのことばをいただき、心よりお礼申しあげます。
娘は大雪の21日(土)がセンター受験だったのですが、何とかインフルエンザにもかからず元気に試験を受けてくれました。一番ほっとしたのは、きっと私だと思います。まあ、結果は神のみぞ知るですが・・・。

さて、先週ダウンしてしまった関係で、セミナーのための準備時間が少し足りなかったこともあり、珍しく行きの新幹線では居眠りもせず仕事をしていました。
その間ずっと聴いていたのが、ショスタコーヴィチの「24の前奏曲とフーガ」です。
演奏は初演者であるニコラーエワ。

<曲目>
■ショスタコーヴィチ 「24の前奏曲とフーガ」op87
<演奏>
■タチアーナ・ニコラーエワ(ピアノ)
<録音>1987年

この曲は、1950年7月、ショスタコーヴィチがバッハ没後200年記念祭に参加するためにライプツィヒに向かったおり、練習曲として着想されたといわれています。
しかし、その後ショスタコーヴィチは次のように語っています。
「最初は対位法音楽の技術的な習作のつもりだった。しかしその後構想を拡大し、バッハの平均率クラヴィア曲集に倣って、一定の形象的内容を持つ小品の対位法様式による一大曲集にすることにした」と。
名実ともショスタコーヴィチ最高のピアノ作品といわれているだけあって、さすがに聴き応え十分ですね。

私がとくに気に入っているのは、まず5番。
「千と千尋の神隠し」のテーマに少し雰囲気が似ている前奏曲、子供がいたずらをして鬼ごっこしているような可愛いフーガ。好きだなぁ、この曲。
それから6番、15番もいい曲ですよ。15番は、マーラーのスケルツォみたいな、独特の雰囲気があります。
そして16番。この曲は、この曲集の中でも最も美しい曲じゃないでしょうか。
前奏曲は、モンポウの「歌と踊り」をどこか想わせる古風な雰囲気で始まりますが、続く和声のなんとモダンなこと。たった3分間の小品ですが見事なパッサカリアです。フーガは、全編ピアニシモの指定という珍しい曲。幻想的な雰囲気が素敵です。

19番以降のラスト5曲は、いずれも名作と言って差し支えないでしょう。
なかでも22番はサティ風のモノローグが美しいし、23番は16番と並んで清楚な美しさが際立っています。そして最後を飾る24番は、その格調の高さがいやが上にもバッハとのコラボレーションを感じさせてくれます。

ニコラーエワには3組のディスクがあるようですが、この演奏は2回目のもの。
他の2組の演奏を聴いていないので比較はできませんが、この2回目の演奏はほんとに素晴らしい演奏です。
ショスタコーヴィチも今年はメモリアルイヤーなので、しっかり聴いていかなくちゃ。
コメント (4)
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