ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

スクロヴァチェフスキ&読売日響の「第九」

2005-12-30 | コンサートの感想
今年も残すところあと2日。
随分遅くなってしまいましたが、26日に行った第九の感想を。
私が年間会員になっている読売日響のマチネーコンサートでは、例年12月に必ず第九が組まれており、今年は23日(祝)にスケジュールされていたのですが、息子の吹奏楽部の定期演奏会ともろにバッティングしてしまったので、別途26日の第九のチケットを購入して聴きに行きました。
指揮はスクロヴァチェフスキ。
ご存知の方も多いと思いますが、ミスターSことスクロヴァチェフスキは、現常任指揮者であるアルブレヒトの後を受けて、2007年のシーズンから読売日響の次期常任指揮者になることが決まっています。ちなみに下野竜也さんが、新設される正指揮者のポストに就任することも発表されました。
近年の読売日響の好調さをみるににつけ、アルブレヒトの功績はきわめて大きいと思います。もう少し続投してくれても良かったのにと正直思いましたが、また読響の新しい魅力を是非開拓して言ってほしいと願っています。

さて、今回の第九に話を戻します。

<日時>12月26日(月) 午後7時開演
<場所>東京芸術劇場(池袋)
<曲目>
■ベートーヴェン: 交響曲第9番 ニ短調 op.125〈合唱付き〉
<演奏>
指揮 :スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
管弦楽:読売日本交響楽団
ソプラノ:佐藤 しのぶ
メゾ・ソプラノ:坂本 朱
テノール:中鉢 聡
バリトン:三原 剛
合唱:武蔵野音楽大学

第1楽章、テンポが速い。とても82歳の人の棒とは思えません。古楽器を意識するなってことはまったくなく、モダン楽器の性能を存分に発揮させて音楽を作っていきます。 強奏部分の力感と弱音の美しさの対比が見事でした。
第2楽章、ここもテンポは速い。まさにスケルツォという雰囲気で一気呵成に聴かせてくれました。若きティンパニストである岡田さんも好調!
さて第2楽章終了したこの時点で普通はソリストが入場するのですが、なかなか出てきません。
そうこうしているうちに、スクロヴァチェフスキがタクトを振り上げ第3楽章のアダージョが始まりました。
いいテンポです。各声部のテクスチュアが本当に美しい。色調が柔らかくうっとりして聴かせてもらいました。
ところでソリストはどうした?ひょっとしてアタッカでフィナーレに入らずに間をとって入場するの?
やっぱり違った。通常通りアタッカでフィナーレが始まってしまいました。
おいおい、ソリストなしでやるの?それとも合唱団と同じ服装で中に隠れている?
それはさておき、冒頭の演奏は凄い緊張感。珍しくアンサンブルが乱れる場面もありましたが、凄い形相で鬼気迫る演奏を続ける毛利伯郎さん率いるチェロ軍団とコントラバス軍団をみていると、こちらまで手に汗握ってしまいます。
でも本当にソリストはどうしたの?
あ、出てきました。ようやく出てきました。4楽章のオケの演奏の途中で、そろっと4人のソリストが入場し合唱団の前の席に着席。
座ってまもなくバリトンのソロが始まりました。きっと心の準備もする時間もなかったと思いますが、三原さんは相変わらずの素晴らしい声。ここでようやくほっとひと息。
合唱は、先日聴いた藤原歌劇団合唱部には及びませんが、まずは好演といっていいでしょう。
ソリストの中では、中鉢さんのテノールが印象に残りました。
何だか実況中継風になりましたが、ミスターSと読響の相性は間違いなく良いですね。安心しました。
ところで、来年のマチネーコンサートの第九は御大アルブレヒトが振ります。
常任指揮者として最後の第九になるわけですが、今からほんとに楽しみです。


コメント (4)
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