今、ウィーンフィルのコンサートから帰ってきました。
私にとって、生でウィーンフィルの音を聴くのは今日が初めてです。
<日時>10月9日(日)午後3:00開演
<場所>サントリーホール
<曲目>
■モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K622
■シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D944 「グレイト」
<演奏>
指揮:リッカルド・ムーティ
クラリネット:ペーター・シュミードル
ウィーン・フィルハーモニ-管弦楽団
驚いた。本当に驚いた。大袈裟ではなく別世界の音楽でした。
よく「最初のワンフレーズで」という言い方をしますが、まさにこれです。
クラリネット協奏曲の最初のワンフレーズが流れた瞬間、
「ああ、モーツァルト!」「ああ、ウィーンフィル!」、思わずそんなふうにつぶやきそうになりました。
ウィーンフィルの音の素晴らしさは、LPやCDで十分知っているつもりでしたし、スピーカーを通して聴いても、その音の響きは他のオーケストラと一線を画すものだと自分なりに理解していました。
しかし、しかしです。今日初めて生のウィーンフィルの音を聴いて、こんな夢のようなサウンドがあるんだと改めて思い知らされました。
とにかく柔らかい。どんなときも決してきつくならず、しかも透明感を失わないしなやかなサウンド。こんなオーケストラの音は聴いたことがありません。
第1楽章でクラリネットが登場するあたりでは、既に涙をこらえるのに必死でした。
シュミードルのクラリネットは、即興性に富んだ素晴らしい演奏。
その変幻自在のクラリネットにぴったりあわせていくのが、ウィーンフィルのアンサンブルの凄いところ。とくにコンマスのライナー・キュッヒルとのアイコンタクトは、大変な見物でした。
第2楽章はまさに天国的な音楽ですが、それにぴったりの演奏でした。シュミードルとオケの、息の長いフレージングが、別世界へ誘ってくれます。
第3楽章はうって変わって快活なロンド。ここでもシュミードルとオケのかけあいの妙が見事。
実は、シュミードルがソリストとしてムーティーと一緒にステージに登場してきたときに、キュッヒルの背中を軽くたたきながら入ってきたんです。
「よろしく頼むぜ」「まかしとき!」というような雰囲気に見えました。
これがこのウィーンフィルというオーケストラの原点なんですね。
シューベルトのグレイトでも、まったくスタイルは変わりません。
第1楽章冒頭のウィンナホルンの美しさ、弦楽器の滴るような美しい音色、弦楽器の素晴らしいアンサンブルをベースに華麗に歌う管楽器、きっと一生忘れることはないでしょう。
曲のスケールが大きい分、ウィーンフィルの表現力の凄さを思い知らされました。
ムーティーの指揮について触れていなかったのですが、ウィーンフィルの素晴らしいアンサンブル能力を信頼しそれを最大限活かしながら、ムーティが大きな方向感を示して音楽を作りあげているように感じました。
きっとウィーンフィルとの相性もピッタリなんだと思います。あのプライドの高いウィーンフィルのメンバーたちが、あるときは椅子から飛び上がらんばかりの姿勢で必死でムーティーの棒についていっていましたから。
アンコールで演奏された「ロザムンデ」間奏曲も、泣かせてくれる名演でした。
オーケストラの演奏でこれだけ感動したことはありません。
上手に表現できませんが、今日もらったこの感動で、これから1年間何かがあっても耐えられるような、そんな気がしています。
私にとって、生でウィーンフィルの音を聴くのは今日が初めてです。
<日時>10月9日(日)午後3:00開演
<場所>サントリーホール
<曲目>
■モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K622
■シューベルト:交響曲第8番 ハ長調 D944 「グレイト」
<演奏>
指揮:リッカルド・ムーティ
クラリネット:ペーター・シュミードル
ウィーン・フィルハーモニ-管弦楽団
驚いた。本当に驚いた。大袈裟ではなく別世界の音楽でした。
よく「最初のワンフレーズで」という言い方をしますが、まさにこれです。
クラリネット協奏曲の最初のワンフレーズが流れた瞬間、
「ああ、モーツァルト!」「ああ、ウィーンフィル!」、思わずそんなふうにつぶやきそうになりました。
ウィーンフィルの音の素晴らしさは、LPやCDで十分知っているつもりでしたし、スピーカーを通して聴いても、その音の響きは他のオーケストラと一線を画すものだと自分なりに理解していました。
しかし、しかしです。今日初めて生のウィーンフィルの音を聴いて、こんな夢のようなサウンドがあるんだと改めて思い知らされました。
とにかく柔らかい。どんなときも決してきつくならず、しかも透明感を失わないしなやかなサウンド。こんなオーケストラの音は聴いたことがありません。
第1楽章でクラリネットが登場するあたりでは、既に涙をこらえるのに必死でした。
シュミードルのクラリネットは、即興性に富んだ素晴らしい演奏。
その変幻自在のクラリネットにぴったりあわせていくのが、ウィーンフィルのアンサンブルの凄いところ。とくにコンマスのライナー・キュッヒルとのアイコンタクトは、大変な見物でした。
第2楽章はまさに天国的な音楽ですが、それにぴったりの演奏でした。シュミードルとオケの、息の長いフレージングが、別世界へ誘ってくれます。
第3楽章はうって変わって快活なロンド。ここでもシュミードルとオケのかけあいの妙が見事。
実は、シュミードルがソリストとしてムーティーと一緒にステージに登場してきたときに、キュッヒルの背中を軽くたたきながら入ってきたんです。
「よろしく頼むぜ」「まかしとき!」というような雰囲気に見えました。
これがこのウィーンフィルというオーケストラの原点なんですね。
シューベルトのグレイトでも、まったくスタイルは変わりません。
第1楽章冒頭のウィンナホルンの美しさ、弦楽器の滴るような美しい音色、弦楽器の素晴らしいアンサンブルをベースに華麗に歌う管楽器、きっと一生忘れることはないでしょう。
曲のスケールが大きい分、ウィーンフィルの表現力の凄さを思い知らされました。
ムーティーの指揮について触れていなかったのですが、ウィーンフィルの素晴らしいアンサンブル能力を信頼しそれを最大限活かしながら、ムーティが大きな方向感を示して音楽を作りあげているように感じました。
きっとウィーンフィルとの相性もピッタリなんだと思います。あのプライドの高いウィーンフィルのメンバーたちが、あるときは椅子から飛び上がらんばかりの姿勢で必死でムーティーの棒についていっていましたから。
アンコールで演奏された「ロザムンデ」間奏曲も、泣かせてくれる名演でした。
オーケストラの演奏でこれだけ感動したことはありません。
上手に表現できませんが、今日もらったこの感動で、これから1年間何かがあっても耐えられるような、そんな気がしています。
「決してきつくならず、しかも透明感を失わないしなやかな」は、「LPやCDで十分知っているつもりでした」からなるほどと思います。指揮者に依ればスピーカーからは聞けないほどに鋭く透明なボウイングも出来る楽団です。リズムがモタッとしているのがまた良くて、世界で一番特徴もあり魅力ある楽団です。
ホルンなどは、危ないところは普通の楽器と持ち替えするようですが。シューベルトでも事故は無かったようですね。
オペラ楽団の実力を越えていて、交響楽団よりも表現力がありますね。
>これから1年間何かがあっても耐えられるような、そんな気がしています。
私、若い頃^^;、カールベームを聞きました。romaniさまのご感想を拝読して、あの時のベームさんを思い出しました・・・。30年近くたった今でも、覚えているのですから。それはそれは自分にとって財産だったんだと思い当たりました。
音楽って消えるものだけれど、消えてなお且つ感動を残してくれる素晴らしいものですね^^
ウィーン・フィルは四半世紀くらい聴きに行ってません(笑)・・・うらやましいです。
romaniさんが「驚いた、本当に驚いた」と書き始められるくらいですから、凄いことです(^^ 一気に拝見しました。私も一度はお目にかかりたいウィーンフィル、そしてムーティ。きっと素晴らしい演奏だったのでしょうね。私はまずは今度のニューイヤーコンサートにNHKを通して(笑)お目にかかりたいと思いますが、romaniさんのお話を参考に機会があったら是非本場の演奏を聴きに行ってみたいです。
こんにちわ~。
ウイーンフィルの演奏の感想、楽しく拝読いたしました。ブログの最初の記事をTBさせて頂きます。
***以下、ちょっと前の記事のコメント欄より。***
以前オケの練習を頑張りすぎて、このままがんばる先に何も無いような気がする・・・と方向性を見失ったことがありました。そんな時「本場の音楽を聴いてこよう!」と思って、往復6万2千円でウイーンに行ってきました。街に音楽があふれていて、国立歌劇場で聴いたウイーンフィルの演奏は、この上なくまろやか。。。フルートって、チェロって、こういう音色だったのか・・・と感動の連続でした。安い席から壁にへばりついて見たオケピの中には、弓が手首の延長のようなしなやかさでボーイングしている弦軍団がいました。
それを見て、力を入れれば入れる程、ホンモノの音楽は遠のいて行くような気がしました。
>大袈裟ではなく別世界の音楽でした。
・・・すごく分かります。・・・
こんばんは。
いやー、本当に得がたい経験をしました。
休憩時間にロビーにいたら、何人も「泣いちゃった」って話していました。
ムーティとウィーンフィルの相性の良さをつくづく感じさせられるコンサートでした。
ところで、リベラさんは、シューマンの2番聴かれたんですか?
これは逆にとってもうらやましいです。私も、あの第3楽章をこのコンビで聴いてみたい・・・。
pfaelzerweinさま
こんばんは。
ご丁寧にありがとうございました。
>リズムがモタッとしているのがまた良くて、世界で一番特徴もあり魅力ある楽団です
まさに同感です。
とくに今回のモーツァルトは少し少人数だったこともあり、とにかく暖かい音色でかつ透明感が凄かったことに参ってしまいました。
桜桃さま
こんばんは。
いつもありがとうございます。
桜桃さんは、きっと、ベームのあの伝説の来日公演に行かれたんですね。うらやましいなあ。あのとき、私はFMで必死にかじりつくように聴いていました。
でも、ウィーンフィルは、まさに人に何かを与える唯一無二の存在だと思い知りました。
クラシカルな某さま
こんばんは。コメントいただきありがとうございました。
ウィーンフィルは、ほぼ毎年のように来日していますが、他の方々の評判をきいても、今年のムーティーとのコンビは良かったようです。
こんな調子だと、来年?もまた聴きたくなってきました。
stonezさま
こんばんは。
いつもありがとうございます。
今読み返すと、少し恥ずかしくなるような記事ですが、本当にそんなふうに感じたんです。じつは、「前から2列目のまん中やや左」という凄い席が偶然当たって、そこで聴いたのですが、比較的「直接音」が多い場所にもかかわらず、あんな音がでるなんて奇跡以外の何ものでもありません。
是非機会があれば、stonezさまも聴きに行ってください。(持ち出しも大きいですが、きっと何かを与えてくれると思います)
おさかな♪さん
こんばんは。
コメントならびにTB、ありがとうございました。
ウィーン旅行は、おさかな♪さんblogの記念すべき第一章だったんですね。
素晴らしい体験をされたんだなあと、改めて思いました。私も1回だけですが、国立歌劇場で「魔弾の射手」を見たことがあるんですが、あの赤絨毯の雰囲気は今でも良く覚えています。
ウィーンフィル体験をしてしまったので、次は「絶対ムジークフェラインザールでウィーンフィルを聴くんだ」と意気込んでおります。しかーし、それまでにお金をためなくちゃ・・・。(すぐ現実に戻ってしまいますね)
romaniさんが行かれることはお会いした時にお聞きしていたので存じ上げてはいたのですが・・・やはり良かったですか?!ううう羨ましいっ!このプログラムは東京の初日だけですものね。やはり無理してでも行けばよかった?
でも、いよいよ大阪も明後日に迫ってまいりました。einsatzのマスターと仲良く隣どうし(別に怪しい関係ではありません、念のため)で行って来ます!コンサートがハネたあとはeinsatzで宴会です。どうだ!羨ましいでしょ?♪ d(⌒o⌒)b♪
追伸>私のブログからLINK張ってよろしいですか?
おはようございます。
いよいよ明日ですね。
シューベルトとモーツァルトという点では、私の聴いた東京公演と同じですね。
サントリーホールで聴いた東京公演では、とくにモーツァルトが絶品でした。おそらくオケの人数の関係もあるのでしょうが、「透明感があって暖かい」という初めての経験をしました。
その意味では、協奏交響曲が同じような素晴らしさを秘めた演奏になるんじゃないでしょうか。
>コンサートがハネたあとはeinsatzで宴会です。どうだ!羨ましいでしょ?♪ d(⌒o⌒)b♪
これは、ほんとうらやましい!また是非近いうちに、リベラさんにも入ってもらって、一緒にお話したいですねえ。
リンクの件、こちらこそどうぞよろしくお願い致します。
明日が素晴らしいコンサートになりますように。
ところで、”思い出バトン”なるものがyurikamome122さんより回ってまいりました。お時間のある時にでもいかがでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。