魔人の鉞

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ヒンズー教をちょっと覗いて

2014-02-04 20:18:02 | 宗教

「ヒンドゥー教 インドという謎」 (山下博司、2004年、講談社)。
ヒンドゥー教はインドに侵入したアーリア人の古代バラモン教から発展し、現在インドの
多数派となっている宗教です。

聖典はバラモン教の聖典である膨大な 「ヴェーダ」 で、口誦で伝えられ紀元前1500年頃から
前1000年頃に成立したそうです。その後ゴータマ・ブッダの時代である紀元前500年頃までに、
「ヴェーダ」 の極致と解される 「ウパニシャッド」 が成立しました。「ウパニシャッド」 とは
「近くに座る」 という意味で、秘伝として近親や少数の弟子に伝えるもので、個人の救済が
中心課題だったようです。

またヴェーダの創造伝説中にすでに 「人が4種のカースト」 として生まれたとあり、カースト
制度は聖典に発するそうです。ヒンドゥー教は仏教や原始ジャイナ教の衰退後に多数派となって
行きますが、カースト制度を改革するどころか、さらに拡大強化する方向に進んでしまいました。

ブッダはこうしたヴェーダ聖典を尊重しなかったので、インド宗教界では 「非正統派」 とされます。
またブッダはその教えを秘伝ではなく広く一般人や異教徒にも布教したと言われています。

輪廻からの解脱はインドの根本思想で、仏教もそれを受け継いでいます。またウパニシャッド哲学
では 「梵我一如」 が核心とされますが、それは 「ブラフマン (梵) と呼ばれる根本原理と、アート
マン (我) と呼ばれる個人の本体とが究極的に同一であるという考え方」 だそうです。「一切衆生
悉有仏性」 という大乗思想とも近いように思われます。

なおブラフマン=ヴィシュヌあるいはシヴァ神=は最高神であり創造神ですが、ヒンドゥー教には
その他もろもろの神々もいる多神教です。私は唯一絶対神の宗教よりも親しみを感じます。
     (わが家で  2014年2月4日)

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