今日3月10日は1945年東京大空襲の日。下町一帯を焼き尽くし、10万人が
死んだといわれます。昭和天皇は数日後その焼野原を視察しました。しかし特別な
お言葉も対策もなく、防空責任者の軍人が免職などの処分を受けることもありま
せんでした。この前後から全国主要都市は次々と空襲を受け、焼野原になっていき
ましたが、軍部は本土決戦を呼号し竹やり訓練や特攻訓練に国民を駆り立て、天皇
はそれを承知していました。
アメリカによる都市爆撃や原爆は明らかに戦争犯罪でした。しかし日本国指導部の
出鱈目さと天皇の無作為も、立派な犯罪だと思います。特に東条氏には最大の責任
がありながら、自殺し損ねて極東軍事裁判で死刑にされたからとて、殉難者と称し
て靖国神社に祀られ、その孫娘が今や右翼のヒーローというのですから、ひどい
ものです。
また私たちは自国の被害ばかり記憶するのでなく、日本軍が中国に攻め入って
2000万人ともいわれる人々を殺したことを忘れてはならないと思います。
どうも太平洋戦争という呼び方では対米英戦ばかりと思ってしまいますが、その
前に中国で10年も戦争を続けており、「大東亜戦争」 はその泥沼の苦境を打開
しようとした自暴自棄の戦いだったのです。
阿部総理にはそうした歴史認識は気に入らない。もう一度 「文句を言わず、お国
のために血を流せる国民」 を作りたい、と思っているのではないでしょうか。
日本が敗戦した最大の原因は、兵隊は1銭5厘で集められると考えて人の命を
粗末にした、その精神にこそあることを忘れてはなりません。
(わが家で 2015年3月10日)