今日2022年3月23日夕方、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで日本の国会で演説しました。ベタボメの感想記事が多いのですが、私は物足りませんでした。
彼は戦争をどう止めるか、まったく考えていないように見えます。徹底的に抵抗して、ロシアを追い出す。最悪は第3次世界大戦になるのをむしろ歓迎する、そうなれば助かる、勝ち目があるというニュアンスがこれまでの演説から垣間見られます。今日の演説でも、日本への支援要請、経済封鎖要請ばかりでした。
しかし、抵抗するだけでは地獄です。中国大陸に侵攻した日本軍に対して、中華民国は奥へ奥へと逃げて抵抗しました。広大な国土があるからそれが可能だったし、米英を戦争に巻きんで粘るつもりだった。南京などは降伏するべきだったかもしれませんが、そうしなかった。
ウクライナは中国とは違うし、今日は核兵器もあります。彼の指導力はすごいが、ほめるだけでいいのか? どうやって戦争を終わらせるか、その知恵は彼にあるのか?
そしてバイデンのアメリカは、このさいウクライナをダシにしてロシアと中国を叩こうという思惑で動いているのではないか? 米兵の犠牲は無いから、ウクライナが頑張ってくれれば好都合だ。戦争を止めるより得策だという思惑が先に立っている、そんな感じがします。しかし軍事支援をせず経済制裁に留めているつもりかもしれないが、日中戦争に鑑みれば経済制裁は戦争を止めることは出来ず、むしろ戦争拡大を不可避にする可能性が高いかもしれないのです。
人間には意地がある。
ウクライナ国民とゼレンスキー氏にあると同じように、プーチンにもロシア軍人にも意地があります。悪かった、間違っていたと言ってスゴスゴと撤退できる訳はない。戦いは一度始まってしまえば騎虎の勢いということで、善悪だけで制御できるものでないことは歴史が証明しています。そんなことがないよう祈りたいが、まさかの戦術核兵器の使用という選択肢が無いとは限りません。そうなればもっともっとひどい戦禍を招きかねません。
ゼレンスキー氏は軽々に第3次世界大戦などという言葉を使うべきではないと思います。もしロシアが戦術核兵器を使うならば、世界の状況は一変するでしょう。まさにウクライナ戦争が歴史の分水嶺になるかもしれません。
民間人が犠牲になりやすいからこそ、戦争はやめるべきです。抵抗は美しいが、悲惨でもあります。ヒロイズムに酔うのではなく、戦争を止めるために、ゼレスンキー氏も知恵をしぼるのが良いと思います。