魔人の鉞

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ゼレンスキー演説は物足りない

2022-03-23 21:42:59 | ウクライナ

今日2022年3月23日夕方、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで日本の国会で演説しました。ベタボメの感想記事が多いのですが、私は物足りませんでした。

彼は戦争をどう止めるか、まったく考えていないように見えます。徹底的に抵抗して、ロシアを追い出す。最悪は第3次世界大戦になるのをむしろ歓迎する、そうなれば助かる、勝ち目があるというニュアンスがこれまでの演説から垣間見られます。今日の演説でも、日本への支援要請、経済封鎖要請ばかりでした。

しかし、抵抗するだけでは地獄です。中国大陸に侵攻した日本軍に対して、中華民国は奥へ奥へと逃げて抵抗しました。広大な国土があるからそれが可能だったし、米英を戦争に巻きんで粘るつもりだった。南京などは降伏するべきだったかもしれませんが、そうしなかった。

ウクライナは中国とは違うし、今日は核兵器もあります。彼の指導力はすごいが、ほめるだけでいいのか? どうやって戦争を終わらせるか、その知恵は彼にあるのか?

そしてバイデンのアメリカは、このさいウクライナをダシにしてロシアと中国を叩こうという思惑で動いているのではないか? 米兵の犠牲は無いから、ウクライナが頑張ってくれれば好都合だ。戦争を止めるより得策だという思惑が先に立っている、そんな感じがします。しかし軍事支援をせず経済制裁に留めているつもりかもしれないが、日中戦争に鑑みれば経済制裁は戦争を止めることは出来ず、むしろ戦争拡大を不可避にする可能性が高いかもしれないのです。

人間には意地がある。

ウクライナ国民とゼレンスキー氏にあると同じように、プーチンにもロシア軍人にも意地があります。悪かった、間違っていたと言ってスゴスゴと撤退できる訳はない。戦いは一度始まってしまえば騎虎の勢いということで、善悪だけで制御できるものでないことは歴史が証明しています。そんなことがないよう祈りたいが、まさかの戦術核兵器の使用という選択肢が無いとは限りません。そうなればもっともっとひどい戦禍を招きかねません。

ゼレンスキー氏は軽々に第3次世界大戦などという言葉を使うべきではないと思います。もしロシアが戦術核兵器を使うならば、世界の状況は一変するでしょう。まさにウクライナ戦争が歴史の分水嶺になるかもしれません。

民間人が犠牲になりやすいからこそ、戦争はやめるべきです。抵抗は美しいが、悲惨でもあります。ヒロイズムに酔うのではなく、戦争を止めるために、ゼレスンキー氏も知恵をしぼるのが良いと思います。

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ロシアが暴発しないように、誰が鈴をつけるのか

2022-03-12 16:36:29 | ウクライナ

ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して17日目。

米欧はロシアに次々に厳しい経済制裁を発動しています。軍事的手段は武器供与くらいですが、かなりの影響が出ています。

経済制裁では効果が出るのに時間がかかる、という人がいますが、必ずしもそうではありません。相手を追い詰めるという効果が大きいかもしれません。

戦前の日本は中国侵略に対するABCD包囲網というもので経済的に締め付けられ、石油や鉄クズの禁輸で、このままでは座して死を待つのみと追い詰められて真珠湾攻撃に打って出ました。経済制裁で相手が恐れ入りましたと頭を下げてくれるものなのか? 逆に激しく敵意をたぎらせてしまう恐れは無いのでしょうか。

今の国際世論はともかく、アメリカには策が無いという感じがします。ウクライナのNATO入りはウクライナの権利、などと突っぱねる必要がどこにあったのか? 実際にはすぐに入れてやるつもりがなかったと思うのに、あえてロシアを挑発した態度ではなかったでしょうか。

善悪だけでなく、多くの国民の生命を守るためにどう対処すべきなのか。このさい、全面的にロシアを壊滅させたいのか? 悪い意味であっても妥協点を探るような交渉は出来ないのか?

このままいけば、欧米とロシアが深く傷つき、高みの見物という立場の中国の一人勝ちになるでしょう。すでに経済力で劣勢になっているアメリカは、中国にハッキリと水を開けられるでしょう。ロシアと争っている場合ではないはずなのに・・・

ウクライナは良く頑張っているが、クマの前で不用心だったのではないか。これ以上ロシアが暴走しないように、誰が調停することができるのか? 地政学的な視点で交渉し説得できるのは、あるいは習近平かもしれない。完全に敵対しているアメリカではムリだ。トルコやイスラエルでは格が違いすぎる。

 

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先史時代の名もなき天才たち

2022-03-07 11:28:29 | 世界史

「人類の歴史を作った17の大発見~先史時代の名もなき天才たち」 コーディー・キャシディー著、梶山あゆみ訳、河出書房新社、2021年11月。

とても興味深い先史時代の大発見を楽しく丁寧に解説してくれます。

その第1号は、なんと抱っこヒモ。発明者は300万年前に生まれた、まだホモ・サピエンスではないアウストラロピテクスのある女性。チンパンジーと現生人類の中間程度のヒト亜族ですが、これによって育児・赤ちゃん保護が革命的に容易になり、大きな頭の赤ちゃんを安心して生めるということで、このすぐ後の時代に「私たちの祖先の脳は短期間で爆発的におおきくなっている。」(34p)  現生人類誕生の大恩人になるわけです。周囲の皆がそれをまねした社会的学習の能力もヒト亜族の特徴だそうです。

次は、初めて火を起こした人、ホモ・ハビリス 190万年前。

4番目は初めて衣服を身に着けた人、ホモ・サピエンス 10万7000年前。衣服は決して人類に共通する普遍文化ではないそうで、火があれば暖かい衣服は要らない。だから衣服は初めから自己主張のファッションアイテムだった、と論じます。

第8には、初めてビールをつくった人、1万5000年ほどまえの、ヨルダンに住んでいたナトゥーフ人の女性。麦の栽培からビールが作られたのではなく、逆だと言います。当時の麦類は熟すと穂から脱落するので、拾い集めるのは大変で食料としては考えられない。しかし麦の粥を作って1日くらい放置するだけでビールができるそうで、いったんそれを飲めば、味をしめてわざわざ落ち穂を拾い集めるようになっただろう。そして「帰りに種子が道に落ちることがあったのではないか」「それが何世代にもわたってくり返されるうち、村落の近くにコムギ、オオムギ、ライムギがたくさん芽を出して畑になった。」つまりビール造りがきっかけで農耕が始まった、ということになるのだそうです。

いろいろ面白く、なるほどという話ばかり。図書館では珍しくほぼ最新刊でした。もう返却期限を過ぎてしまったので、明日には返さないといけません。

 

 

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若者を犠牲にするマン防の再延長に、絶対反対!! 

2022-03-06 07:10:04 | 新型コロナ

対コロナのマン防が3月21日まで再延長されました。飲食店の時短、大規模イベントの2万人以下規制というマン防が効果があるとも思えないのに、相変わらず飲食店に巨額の税金をばらまくのには大反対です。

配信「クラスター断トツの高齢者施設は対策なし」によれば、「厚労省によると、直近2月28日までの1週間に全国で確認されたクラスターは1128件。過去最多の前週(1253件)より減少したものの、6週連続の1000件超えだ。  場所別は「飲食店」が時短要請の効果か、1月17日までの週の69件から、直近はたった3件に激減。それでも全体の数が下がらないのは「高齢者福祉施設」の件数が急激に増えているからだ。  1月18日の週からの発生件数は112→249→316→455→482と5週連続で過去最多を更新。直近は363件とようやく前の週から減っても、全体の3分の1近くを占める。」

とのことです。

私も厚労省が公開しているデータで、コロナ重症者・死亡者の年代別比率を出してみました。それを見れば70代以上が重症者の 81%・死亡者の 93%と、大半を占めていますしかもコロナ感染が見つかれば、原因を問わずすべてコロナ重症・死亡にカウントするので、数字が水増しになっているのは確実です。また最近は検査陽性率が40%前後という、あり得ないほど高い数字で、新規陽性者数は発表の5~10倍もいるのではないかと推測され、死亡率が数倍も高く出ている可能性があります。とてもインフルエンザや他の病気との比較、一般死亡率との比較ができません。

そして死亡者のうち10才未満はゼロ%、10代は 0.14%に過ぎません。学校が普通に開いているのは当然です。子供たちや若者はコロナにかかっても鼻カゼ程度です。重症・死亡者のうち40代以下の占める割合はそれぞれ 1.78%、0.93%に過ぎません。重症・死亡者は70才以上が大半なのに、なぜ飲食店にばかり巨額の税金をつぎ込むのか、理解できません。70代以上は今どき飲み屋に行っていませんよ。私 (70) はもう2年以上、3人以上の飲食会合はしていません。(2人だけ、というのが1回ありました。) 他のお年寄りもそうでしょう。

ところが高齢者施設の対策、高齢者向けの対策は無きに等しい。高齢者施設への対策を講じてクラスターの発生を抑えれば、重症・死亡者数は抑えられる。施設での感染は仕方がない、と思っているのでなければこういう事態は考えられません。どういう方策が可能なのか、検討すらしていない。

人によっては、子どもから親、親から年寄りにうつる、と言うのですが、今や東京の3世代同居世帯はわずかに2.2%、13万世帯ほどに過ぎません。全国平均でも6%ほどです。3世帯同居なら、年寄りを隔離すればいいのです。

一部の高齢者のために青壮年や子どもたちを犠牲にするマン防はやめるべきです。

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ウクライナのゼレンスキー大統領はよくやっている

2022-03-06 05:45:06 | ウクライナ

前の記事で、ウクライナのゼレンスキー大統領をコメディアン上りと批判しました。これはおわびして訂正します。よく国民を鼓舞し、ロシアに対する抵抗をよびかけて頑張っています。

しかしNATO加盟願望でハシャギすぎたことは彼の失策だったと思います。もちろんロシアのやり方はまったく間違っていますが。

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