魔人の鉞

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ウクライナは中立化しかない

2022-02-26 04:18:50 | 時事問題

時事通信 2022年02月25日23時47分掲載 『ウクライナと協議用意 「中立的地位」交渉か―ロシア』 によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は25日、プーチン大統領がウクライナ側との協議に向けて、代表団をベラルーシの首都ミンスクに派遣する用意があることを明らかにした。プーチン氏は中国の習近平国家主席との25日の電話会談でもウクライナとハイレベル協議を行う意向を表明した。
 ゼレンスキー氏は25日の声明で、NATOはロシアを恐れ、ウクライナの安全を保証する態勢ができていないと不満を表明。「わが国の安全保障に関し、中立的地位について話し合うことを恐れていない」と述べていた。

とのことです。プーチン氏の交渉意向はウクライナの油断を誘うための見せかけかもしれませんが、交渉がまとまるなら良いことです。ロシアだって、軍隊はともかく兄弟国民をたくさん殺すことは望んでいないはず。

もともとゼレンスキー大統領がNATO加盟願望でハシャギすぎたと思います。ロシアはナポレオンとナチスドイツと2度にわたり西から攻め込まれ、大被害を受けた歴史があります。西側に障壁を持っていたいというのは理解できることですが、NATOはどんどんロシア側へ拡大してきました。そしてモスクワに至近のウクライナです。

NATO側がウクライナ加盟を必ずしも歓迎していない様子はありました。しかしヒョウタンから駒でコメディアンから大統領になってしまったゼレンスキー氏は国際政治のキャリアもなく、歴史にも地政学にも疎いようで、2021年9月訪米でバイデン大統領に加盟交渉をするなど、はしゃぎまわってプーチンを刺激した。アメリカはウクライナの非加盟の保証を求めるロシアに、「加盟は各国の権利だ」 などとそっけない回答で足蹴にした。加盟希望は勝手だが、同盟条約ですから入れてあげるかどうかはNATOが決めるはずのこと。加盟は権利だなどと切り捨てればフザケルナ、となるのは勢いというものでしょう。無責任な回答だったのではないでしょうか。

アメリカもウクライナも、プーチンの決意を読み誤った。とくにゼレンスキーはひどい。やはりコメディアンに過ぎなかったということでしょう。ロシアが侵攻してきた今になって、西側に見捨てられ孤立無援だと泣き言をいうのですから、どうしようもありません。国民はかわいそうですが、こんな無能な政治家を選んだのだから自業自得としか言いようがない。

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イスラーム社会の謎を解き明かす 「哲学」

2022-02-21 16:03:57 | 文明史・進化論・哲学

<世界史>の哲学 イスラーム篇 大澤真幸著、講談社、2015年。

イスラームについていろいろ読んできた中で、もっとも分かりやすく難しい本です。

前書きにある、イスラーム世界に関する大きな1つの疑問、「資本主義は、どうして、逸早く、イスラーム教のもとで発達しなかったのか。」(6p) 利子の禁止があったというのは俗説で、キリスト教でも利子は蔑視されていました。それどころか、コーランにはこんな章句さえある。「アッラーに素晴らしい貸付けをする者はいないか。何倍にもしてそれを返却していただけるんだぞ。」 (2章246節) 「たとえ比喩であるとしても、投資し、それによって利潤をあげることが善いことの典型であるとの了解が無ければ、このような表現は絶対に使われまい。」(86p) そしてリバー (利子) 禁止をかいくぐる方法はいくらでもあり、昔から利用されているそうです。

しかし大きな要素として法人という概念が認められないこと。法人は神との契約で定められた五行等の礼拝や巡礼の義務を果たせないから、認められないそうです。(275p)  また、被造物たる人間が永続的な法人などというものをつくるのは、神への冒涜になる。(276p) これでは、資本主義が発達したくてもできないのは当然です。

 

大きな疑問その②。アッバース朝以来のイスラーム帝国は異教徒 (特にキリスト教徒) の少年少女を狩り出して奴隷とし、イスラームに改宗させて教育し、官僚や常備軍団「イェニチェリ」の軍団員としたそうです。(7p) 他の文明圏ではこういうことはしていない。それは、根深い部族主義に対抗するために作られ、発展させたシステムだと言います。(201p) それはオスマン・トルコ帝国で最高度に達し、めっぽう強かったと言われています。しかし当初は妻帯も禁じられていたイェニチェリが時代とともにその子供たちに後を継がせようという流れになり、結局ある種の疑似部族・利権集団となって問題化していったようです。

 

疑問その③。イスラームはアッラーを絶対化し、アッラーへの帰依の他には部族的な団結など許されないはずなのに、ムハンマド以来1450年も経つのに、「ほぼ純粋状態で残存している部族主義的倫理」があるそうです。(7p) ムハンマド以前の時代をジャーヒリーヤ=無道時代 と呼ぶのですが、井筒俊彦氏によると、ジャーヒリーヤは部族社会の誇り高い「不羈独立の精神」を指す言葉だそうです。(204p)  対してイスラームとは、「神のアブド=奴隷」 (235p) になることを選ぶということです。まったく水と油のはずが、今日でも仲良く共存している。

本当にインシャラーのイスラーム社会はバカバカしい宗教的規制と矛盾に満ちています。人間が神の奴隷では、とても人間の精神的発展は望めません。

 

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イスラム世界が没落した理由

2022-02-13 12:01:08 | 文明史・進化論・哲学

西洋の優位はすでに消え去ったのか? を考える、ニーアル・ファーガソン「文明~西洋が覇権を取れた6つの真因」 仙名 紀 訳、勁草書房2012年。

競争・科学・所有権・医学・消費・労働の6つの分野でその原因を分析しています。私が興味を持ったのは「科学」。(123-129p)

1530年から1789年の科学革命の時代に生まれた特に画期的な発明・発見29件のすべてが西欧のもので、同じ時期にオスマントルコにおける科学的な進歩と言えば、なきに等しい。この大差を生んだ理由として最も納得できる説明は、ムスリム世界においては宗教が絶対的な統治権を持っていたからだ」

1530年というとスレイマン大帝 (在位 1520-1566) の時代からということで、オスマントルコの全盛期を含んでいます。

「11世紀の終わりごろ、イスラム教のリーダーたちは、古代ギリシャの哲学はコーランの教えと合致しない、と述べていた。神がみ心に従って意のままに行うべきことを、人間がおこなうなどもってのほかだ、という。」「(アルガザーリー 1058-1111 ら) 宗教指導者の発言の影響力は大きいから、古い哲学を学ぶことは下火になり、書物は焼かれ、自由な思考をする者は迫害された。」

「イスラム世界では、印刷技術にも抵抗があった。オスマントルコでは、手書きが神聖視された。」「学者のインクは殉教者の血より神聖だ、と言われた。」「1515年、セリム1世は 『印刷に関わったものは死刑』 という布告を出した。」

1570年代にタキュディン・アルラシッドによりイスタンブールに建設された天文台は「先端的な機能を持ち、デンマークのティコ・ブラーエのウラニボリ天文台と肩を並べられるほどのものだった。」「1577年に彗星が観測され、タキュディンはオスマントルコの戦勝を予知するものとしたが、宗教指導者がタキュディンは宇宙の秘密をあばこうとしたているとして、首をはねられた。1580年、天文台はスルタンの命によって破壊された。それから1868年まで、イスタンブールには天文台がなかった。」

実は紙、印刷術、火薬、機械式時計、溶鉱炉は中国の発明。代数学、医学などはイスラムの文化だそうです。ゼロの発見はインドで、イスラムが取り込んでアラビア数字ができました。中国もイスラムも、かつては高度な文明を誇っていて、西欧は世界の端にあるちっぽけな辺境に過ぎなかった。しかし文明の発展を制約したのはイスラームや儒教といった、宗教だったらしい。言葉が人を制約する力は恐ろしいほどです。いい方向に向かえば素晴らしい威力を発揮するが、桎梏となってしまうと打破するにはたいへんな暴力が必要になる。

イスラムでは神がすべてを決めるので、科学的に推論すると神を冒涜することになってしまうようです。今はそれほどひどくなくなってきたようですが、やはりインシャラー、何事も神の思し召しがあれば、約束さえも神様次第という世界です。トルコもイスラムに回帰してしまったし、イスラムが改革されるにはもう1000年くらいかかるかもしれない。石油が枯渇したら、もうおしまいです。その時に初めて根本的な改革が起こるかもしれません。

 

 

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入国禁止の緩和は遅すぎ

2022-02-13 05:14:00 | 新型コロナ

配信 「入国禁止措置、3月に段階緩和へ 政府、2月期限延長せず」 によると、政府は12日、新型コロナウイルスのオミクロン株対策で導入している外国人を対象とした入国禁止措置について、現行期限の今月末まで維持する一方、3月以降は延長しない方向で調整に入った。感染状況を注視しながら段階的に緩和する。

とのことです。なぜ2月いっぱいまで規制を維持するのでしょうか。もうオミクロン感染がピークを打ったのは確実です。もともと世界的に鎖国状態といわれる現状がおかしい。それで米軍基地はノーズロ状態で全国にまん延し、今では検査陽性率40% などという天文学的数字を叩きだしています。誰でも感染している状態での鎖国は科学的でもなく、人道上も経済上もさっさと解除すればよいのです。3月まで待つ理由はありません。

まったく岸田は優柔不断。規制することで支持率が維持できると考えているのではないでしょうか。記者会見すらしない岸田は国民にオミクロン対応についてきちんと説明する気がないし、その能力もない。グズですね。

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オミクロン株はピークを打った

2022-02-10 06:01:16 | 新型コロナ

ついにオミクロン株感染がピークを打ちました。

きのう2022年2月9日、東京都の新規感染者は 18287人、前週比は 0.848倍で1倍を下回りました。

配信によると、厚労省の専門家組織は9日、会合を開き「感染者の増加は鈍化しているが、重症者や死者数の増加が継続している」との分析をまとめた。脇田隆字座長は感染者数が今後減少へと転じるかどうかについて、高齢者で増加する恐れや、データ入力が遅れている可能性があるため、「しばらく推移を見る必要がある」と述べた。

とのことです。入力遅れがあり得るとは、大阪の事でしょうが、統計に影響を与えるほどの誤差は他ではほとんどあり得ないでしょう。大阪は感染者が多く、死者も圧倒的に多い。いろいろヤッテイル感を出しているが、保健所の統廃合などを進めた維新の施策が失敗だった、ということでしょう。

オミクロン株の感染は今後低下していくことは確実です。重症・死亡がすぐに減らないのは当然ですが、感染者数の減少につれて徐々に低下するハズです。医療関係者はいちおう警告を発していますが、それは職業上の事。インフルエンザと変わらないオミクロンに、いつまでマン防などでムダ金を使い行動規制をかけるのか? 死者が増えているというが、それは持病が悪化したケースが多いはず。新型肺炎と呼ばれた初期のコロナと違い、オミクロン感染による肺炎で死亡するケースはほとんどなく、風邪やインフルと何も変わりません。

欧米ではオミクロンは風邪と変わらないというデータに基づいて、もともとゆるい行動規制を撤廃する国が続出しています。ところが日本では、鎖国状態と批判されるほどの入国規制にマン防の延長、という過剰対応状態。

岸田氏は本当に優柔不断です。おかげで普通の会議や講演さえ延期や中止が続出する始末。本当にバカバカしい。

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