魔人の鉞

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イスラエル、いよいよ世界の孤児に

2024-05-27 10:00:00 | 日記
国際刑事裁判所(ICC)が イスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状請求、さらに国際司法裁判所(ICJ)によるガザ地区南部ラファへの攻撃停止を命じた暫定措置命令 が出されました。例によってイスラエルとアメリカは大反発していますが、アラブだけでなく世界の大勢はこれらの措置を支持しています。

イスラエルはパレスチナ自治区において、武力を背景としたパレスチナ人の土地収奪・入植地の拡大とパレスチナ人への弾圧を行なっています。明白な国際法違反をアメリカの支持により押し通している。アメリカは自国の覇権・利権を守るためなら独裁国であろうと手を組むし、どんなことでもするご都合主義の国です。
これをダブルスタンダードといって非難することがありますが、スタンダードというのは基準・規範であって、二つの規範があるように聞こえるのはどうもいただけない。一方が規範なら、もう片方は規範ではありえないはずです。ご都合主義 Opportunism という他はない。

イスラエルはジェノサイトを実行している悪逆国家です。しかし多数派の国民がそれを支持している。いったいどうしたらいいのか。
アメリカは断固としてイスラエルを制裁すべきです。しかしそうすると大統領選挙で負けるからできない。

民主主義というのはイスラエルのように征服欲で固まった国民や、アメリカのように一部の金持ちや一握りのユダヤ人が左右することのできる、ダメな制度ですね。よほど国民がしっかりしないと、国民の意向や希望をタテにしてどんな非道でもできてしまう。日本も集団的自衛権行使という名目なら戦争のできる国になっていますから、国民がしっかりすることが大切です。戦争はしてはならない。
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自民党の迷走どこまで

2024-05-27 04:19:02 | 日記
自民党は裏金事件対策として政治資金規正法改正案を提出していますが、政策活動費は大まかな項目だけ公開という、公明党さえ納得しない不徹底な内容で批判されています。

それで今度は、政策活動費の支払い期日だけを公開するという、奇妙な珍案をひねり出して公明党と協議するとのことです。これはいったい何でしょうか。なんの意味があるのでしょうか。
やはり、政策活動費はよほど隠したいものなのでしょう。外国との関係とか説明していますが、政府ではなく一政党の個々の議員が対外交渉で多額のお金を使う、というのも奇妙です。はっきり言って嘘っぱちでしょう。

こうしていい加減な法律が出来上がると、こんどはルールに従ってやっていると言い張ることになるでしょう。現在の法律でも検察がその気になれば議員の監督責任を問えるのです。そうでなくて改正案ができると、かえって政策活動費の解明ができなくなる。ゴマカシのための法律です。

減税額を給与明細に表示させるという指示も大変不評。増税や負担増は絶対に書かせませんから、人気取りであることは紛れもないが、かえって不人気の種まきになってしまいました。
やることなすことドロナワで定見がまったくない。もう少しマシな人材が、政府にも政治家にもいないものなのか?

やはり一度痛い目に会わせないといけないようです。
岸田君、早く総選挙をやりましょう。
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「1945 予定された敗戦」はトンデモ本だ

2024-05-23 08:26:59 | 第2次大戦
「1945 予定された敗戦」 小代有希子著、人文書院 2015。
著者は米コロンビア大学歴史学博士、2006より日大国際関係学部教授、という学者です。
そして1945の敗戦は当時の日本首脳部により「予定された」ものだと主張します。しかし学者であるにも関わらず、その根拠はまったく示されません。

「日本の指導者たちはこう予測したのだ。ソ連が対日参戦してくれば、アジア太平洋方面の戦争もアメリカの一人勝ちでは終わらない。そうすればアメリカが日本に代わる覇権国家としてアジアを支配することはできなくなる。そうした状況こそが敗北した日本が立ち直るチャンスと見たのだ。」(12p) というのです。
そうした思考過程は当時の指導者の手記、覚書などにはっきりと示されているというですが、そう予測したのは最高指導部の誰で、何に書いているのか、大部の著書のどこにもまったく書かれていません。仮に一部の軍人や官僚、民間人などがそのようなことをどこかで言っていたとしても、それが「指導者」の思考というのは明らかに誇大妄想です。

「朝鮮総督府・朝鮮軍は、日本の支配が長く続かないことを自覚していた。」(146P) これも大胆な推論ですが、本をいくら読んでも総督府・朝鮮軍がそういう自覚を持っていたことの証拠は見つかりません。幹部の中で一人くらいは密かにそう思っていたかもしれないが、全くの憶測です。終戦の直前まで、朝鮮を手放すということは日本人指導部の誰も全く考えておらず、いかなる会議でも議論になったという証拠はありません。

また「ポツダム宣言がアメリカとソ連の最終対決の始まりで、それはまた日本が戦争を終わらせるまでのカウントダウンの始まりであることを、最高戦争指導会議のメンバーは、おそらく合意し合っていたのだろう。」(235p)
恐れ入りますが、そんな合意が最高戦争指導会議の誰と誰の間で成り立っていたのでしょうか?  全員ですか? もしあったとしたら革命的な発見ですが、これも単なる憶測、著者の期待に過ぎません。何の証拠もなく、学問としては成り立ちません。司馬遼太郎ばりに、美しい誤解に満ちた小説を書くことをお勧めしたいところです。

ソ連の対日宣戦通知時に「東郷外相がマリクに語った台詞から、最高戦争指導会議の構成員がおそらく合意していたであろう一つの戦争終結計画が見えてくる。つまりソ連が参戦してくるまでは戦争を戦い続け、参戦してきたところで終結させるというシナリオである。」(246P)  
これも著者の単なる憶測、期待に過ぎません。誰がそんなシナリオを考えていたのか、どこでいつ皆の合意ができたのか、何の証拠も示されていません。

致命的なのは、もし東郷外相や最高戦争指導会議のメンバーが仮にソ連が参戦するのは確実だと合意していたとしても、参戦がいつなのか、中立条約の期限終了と同時なのか、それより何カ月前なのか、間もなくなのか、誰も分かっていなかったということです。米ソ間の最高機密が簡単に分かるはずもないし、日本がその情報を把握したという記録も全くありません。

そのシナリオでは時間切れで本土決戦に突入してしまう可能性が十分にあります。沖縄戦のような悲劇が本土各地で起こり、いったいどれほどの犠牲が出るのか見当もつかないのです。そういう中でソ連が参戦するならば、いったいどういうことになるのか? 文字通りの1億玉砕になりかねません。それがシナリオと呼べる代物でしょうか? そんな悪夢を想定することはできるかもしれないが、そうなるように計画することなど、日本人としてまた人間として、できるものでしょうか? 

かといって早期講和のためソ連に早期参戦させるような仕掛けをした様子もなく、むしろ早期参戦ナシと見込んで和平仲介を働きかけようとしていたのが実態です。著者はそれもソ連を欺くための演技と言いたいようですが、なんのために欺くのでしょうか。まるで意味不明です。

事実はそんな演技をしている場合ではなかった。軍は早々に引き揚げてしまって、満州の数十万人の入植者・一般人には何も知らせず、置き去りにしました。筆者はジェスチャーとして止むをえなかったと言います (311P) が、とんでもないことです。人間としてとうてい許されることではありません。

そして、もしソ連に参戦させ悪者にして講和する、というのが終戦のシナリオだったなら、なぜ終戦の詔勅にソ連の平和条約違反を書いていないのでしょうか。詔勅では「しきりに無辜を殺傷し」と言い、おそらく原爆のことを非難していますが、ソ連のことにはまったく触れられていません。これではアメリカを非難するがソ連はおとがめなしです。シナリオと全然違うように思えます。

つまるところ、筆者は何の根拠もなく「終戦は予定されたシナリオだった」「当時の日本政府指導者はよく考えて行動した」と主張しますが、下劣な小説以下の、ほとんどおとぎ話、絵空事の類です。そして国民の犠牲にはひとかけらの同情もない。

こんな人物が教授ですか? あきれたものです。こんなバカな本が図書館にあるのも実に不思議です。
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アメリカは凋落する

2024-05-17 05:47:39 | 日記
いったいアメリカは何をやっているのか?
トランプは対中関税一律60%を主張し、バイデンは中国製EVに100%関税を実施 (実際はすでに輸入実績がないも同然) した。中國憎し、という国民感情の醸成が進んでいる。

しかしそのアメリカはイスラエルの生存権と称するジェノサイトを支持し続ける。イスラエルのガザ侵攻に反対する学生デモが起こったら、平和的な座り込みを警察が逮捕・排除する始末。どこが民主主義なのか? 何のリーダーなのか?

もともと自国優先のワガママ超大国ではないのか。それが地盤沈下し、日本が追いつくと言われた時代には日米経済協議と称して日本経済を叩き潰した。
いま中国が追い越すと言われているので、中国叩きにやっきになっている。しかしアメリカの世界経済シェアはさらに低落していて、BRICSの合計がG7
上回るほどになっていおり、日本を叩き潰したころとは情勢がまったく変わっている。
にも拘わらず、いや、だからこそアメリカは焦り、制裁関税や中国スマホの利用禁止までやらかす。横暴な中国というが、ベトナム戦争、湾岸戦争、イスラエル支持などを見ればアメリカの方がもっと凶暴だ。

トランプが勝ったら、報復が始まる。内戦に陥る可能性もあるかもしれない。いずれにせよアメリカの凋落が決定的になる。横暴なジャイアンが転落するのを見ることができるか、実に楽しみだ。

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日本は、南方軍票を1年前から

2024-05-16 17:28:18 | 第2次大戦
日本軍は開戦の1年も前から、南方侵攻時に使用する「軍票」を用意していました。
「運命のD暗号」 青山 元 著、戎光祥出版 2012年。

663p あとがきによると、この軍票は「は号」から「と号」に分けられ、「は号」は蘭領東インド、ジャワ、スマトラ、南ボルネオ、セレベス、蘭印ニューギニアなど、「に号」は英領マレー半島、シンガポール、英領ボルネオ、タイの一部など、「ほ号」はフィリピン、「へ号」は英領ビルマ、「と号」はオーストラリア、ニュージーランド、英領ニューギニア、ニューブリテン、ソロモン島、オセアニア諸島向けとして、詳細に準備されていました。
また「日本貨幣収集事典 (原点社) によると、昭和16年1月の段階で見本刷りができていた」とのことです。

用意周到というか、ABCD包囲網に迫られてやむなく開戦せざるを得なかった、などというのは後付けの理屈です。

その点で、ハルノート原因説も嘘でしょう。東郷外相が「目が眩むほどの衝撃」だと語ったのは自己正当化のための演技です。吉田茂氏ならずとも、外交の専門家ならハルノートが最後通牒などではないことは少し考えればわかることです。
それを半藤一利氏まで、「戦争というもの」(2021年5月、PHP研究所) 44p
で「最後的通牒を改めない限り、もはや交渉は不可能」などといって開戦不可避を吐露したなどと言うとは、まことに読みが浅くて残念です。
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