魔人の鉞

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タリバンは日本関係者の出国を容認した

2021-10-10 13:03:33 | アフガン

朝日新聞 2021年10月8日 23時44分 掲載 「アフガンから日本に初の空路退避」 によると、アフガニスタン日本大使館国際協力機構(JICA)の現地スタッフやその家族ら53人が首都カブールの空港から航空機で国外へと退避し、日本に8日、到着した。政府関係者によると、タリバンがカブールを占拠して以降、日本に関係する現地スタッフが空路で国外退避するのは初めてとみられる。また、大使館の現地スタッフの国外退避も初めて。カタール政府の協力で実現したという。

とのことです。タリバンはテロリストで虐殺が起こるといっていたネットコメンターの皆さんは、予想が大外れのようですね。祖国を解放したタリバンは諸外国とケンカする意味はありませんから、むやみに惨劇をおこさないと思いま。。私が以前から主張しているように、国内的にイスラーム法による統治がかなり厳しいものであるとしても、しばらく彼らに時間を貸す以外に方法はありません。

時事通信 2021年10月09日23時28分掲載 「米タリバン、駐留軍撤収後初の高官会談」によると、カタール本拠のテレビ局アルジャジーラによると、アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権と米政府の代表団が9日、カタールの首都ドーハで会談した。両者の高官級の直接会談は、8月末のアフガン駐留米軍の撤収後初めて。タリバン代表団のムッタキ外相代行はアルジャジーラに、米国内のアフガン政府資産の凍結解除を米側に求めたと明らかにした。

とのことです。アメリカも交渉に応じるほか無いでしょう。そして米国民の退避とイスラム国ホラサン州やアルカイダの封じ込めをタリバンに促す交渉を通じて、少しずつ関係改善していくことになるでしょう。

タリバンを狂暴なテロリストとばかり非難するのは無意味です。

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タリバンと米国の合意をぶち壊したガニ !!

2021-09-27 16:02:11 | アフガン

朝日新聞 2021年9月27日朝刊によると、アフガニスタンで8月、イスラム主義勢力タリバンが首都カブールに迫った際に、タリバンがただちに首都に入らないという合意を米国と交わしていたことが分かった。カタールの首都ドーハで9月19日、タリバンのスハイル・シャヒーン報道担当幹部が単独取材に応じた。

タリバンはカブールを制圧する前日の8月14日、ドーハ市内のホテルで政治部門トップ、バラダル幹部(現在は第1副首相)が、米国のカリルザード和平担当特使らと協議した。シャヒーン幹部も同席していたという。

 首都に迫ったタリバンに対し、米国側は「8月末まで」としていた米軍の撤退完了や米国関係者の退避も見据え、当面の間、カブールの市外で待機するよう要請。タリバン側は、ガニ政権からの権力移行に際し、政府職員などを職場にとどめて行政機能を継続させたいことから、両者の間では「平和的な権力移行への解決策が見つかるまで、タリバンはカブールには入らない」という合意が取り付けられたという。

しかし、「ガニ政権がすべてを放棄したことで状況が変わった。」「我々は人々の財産や尊厳、姓名を守るため、カブールに入らざるをえなくなった。」

カリルザード米特使も英紙フィナンシャルタイムズに「タリバンをカブールに入れないようにする合意があった」と証言。「ガニ氏の脱出後、タリバンは我々に『カブールの治安に責任を取るか』と迫った。我々は責任を取るつもりはなかった」と語っていた。

とのことです。多少違う所があったとしても、よく理解できる経緯です。まったくガニ政権と政府軍の崩壊はあっけなく、雲散霧消とはこのことです。バイデン氏がさんざん批判されましたが、ソ連の撤退時に当時の共産党政権は3年持ちこたえました。アメリカの撤退時にはたった6日! これでは、多くの西欧諸国軍・関係者・韓国関係者などはよく離脱出来たというべきです。日本はいかにもお粗末だったのに、うまく行ったなどという政治家がいるのですから、呆れます。

そして西欧マスコミは今になって、アフガンの女性たちが大変だとかいろいろ言っていますが、遅すぎます。自分たちで守れないものを、外国に守ってもらおうというのが虫が良すぎる。アフガンの女性たちは自ら銃を取って戦うべきでした。そうでないなら、泣き寝入りするほかありません。私も声援はするけれど、出て行って闘う気にはなりません。

アフガンでは1747年の建国以来何度も改革が試みられたようですが、部族社会の因習にイスラームが絡んで、なかなか変えることができません。

宗教が部族を越える力になればいいのですが、イスラームは逆です。妻は4人まで公認、王族は妾もいて、サウジアラビアでは男の王子だけで30~50人もいると言います。王女を入れたら100人?? そんなサウジは金満産油国だから見逃しおいて、貧しいアフガンの女性差別ばかりを責めても、ダブルスタンダードも甚だしい。

タリバンが少しでも穏健な政策を取るよう働きかける。内戦に陥らないよう、人道援助は平和に行う。それしか選択肢はありません。経済援助だって、民生の安定のためには行なっていいでしょう。今までのところ虐殺は起きていない。ギャアギャア騒ぎ立てても無意味です。

 

 

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「真面目で礼儀正しい」 タリバンと交渉する以外にない!

2021-09-10 19:02:54 | アフガン

配信 『タリバン政権発足のアフガン「多くの人が目を向けて」 40回渡航し支援続ける女性』 によると、宝塚市の非政府組織(NGO)「宝塚・アフガニスタン友好協会」代表の西垣敬子さん(86)は1994年から2017年まで40回以上渡航し、女性の支援に力を入れてきた。苦境に立つ同国に対し「多くの人が目を向けることが大切」と訴える。

「まさか人生で2回もタリバン時代を経験するとは思わなかった」。96年のタリバン旧政権の発足時に同国を訪れていた西垣さんは、元は「真面目で礼儀正しい若者」の兵士たちとの印象で、西垣さんにも丁寧に接していたという。 しかし、バーミヤンの重要な仏教美術を破壊したり、女性を迫害したりと、徐々に過激化。西垣さんはその間、女性が通うためひそかに開かれた「隠れ学校」や難民キャンプを、支援した。タリバン政権が崩壊した後は、寄付金で大学に女子トイレや女子寮も建設した。  

今回、映像で伝えられるタリバン兵を見て西垣さんは「本当にタリバン?」と目を疑った。大統領府に現れた兵士らは、壁にかかる宗教的な絵画をスマートフォンで撮影していた。「昔だったら銃で破壊していた」。西垣さんは、幹部が記者会見で述べた「20年前とは違う」との言葉を「国際社会を意識している。信じたい」と受け止める。

とのことです。このような人が日本にいたのは、素晴らしいことですね。

タリバンは今回20年ぶりに全土を制圧し新政権樹立を宣言しました。どうせタリバンだから反対勢力の虐殺や厳しい女性抑圧をするに違いない、というのが日本や西側マスコミのものの見方で、それに沿った報道がなされています。しかし8月15日の首都カブール制圧以来4週間ほどたちましたが、これまでのところ組織的な虐殺などは起きていません。混乱して不思議ではなく、単発的な事件は起こっていますが、首都制圧当時から統制が取れているのは評価できると思います。今日ではスマホ・SNSがあり、そうした情報を隠すことは不可能ですから。

西垣さんの、「真面目で礼儀正しい若者」であるタリバン以外にアフガンの分裂を収拾することができるとは思われません。他にいったいどのような勢力が、混乱を極めるアフガンを統一し安定を確保することが可能でしょうか? まったく戦わないで消滅してしまったガニ政権・政府軍を見れば、どちらが国民の支持を得ていたか明白ではありませんか。

アフガンなどどうなっても知ったことではない、という人は別として、アフガン国民と世界の平安を確保するためには、タリバンを支援してアフガンの平和を創り出す以外にどういう方法があるでしょうか。タリバンは悪、という先入観を乗り越えて、彼らと話し合う以外にどのような方法があるでしょうか。

冷静に物ごとを評価するべきです。タリバンが真面目で礼儀正しい若者であることを信じ、支援することを私は支持します。

 

 

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イギリス参謀長の見解は適切、タリバンが変わる可能性。

2021-09-07 18:20:39 | アフガン

BBC News 2021年9月6日 掲載 「アフガニスタンについてみんな間違えた」によると、

イギリス陸軍大将のカーター参謀長は、「軍情報が間違っていたのかとの質問には、「(アフガン政府は)来年までもたないというのが、大方の評価だったし、それは結果的に正しかった」。』

タリバンの『電光石火の進撃について国際社会はなぜ間違えたのかと番組で質問されると、参謀長は「率直に答えるなら、みんな間違えたのだと思う」と答えた。「タリバン自身でさえ、事態があれほど素早く変わると予測していなかった」。』

『タリバンがどのような形でアフガニスタンを統治するのかまだ分からないものの、かつて1996年から2001年にかけてアフガニスタンを支配していた当時のような抑圧的な政府にはならない可能性もあると述べた。「アフガンの人たちが変わったこと、前とは少し違う統治を国民が求めていることを知らないほど、(タリバンが)ばかだとは思わない」と述べた。』

『カーター参謀長は、タリバンに以前とは違う統治をするよう国際社会が働きかけて促す必要があると強調した。「現代国家を効果的に運営するには、(タリバンは)助けを必要とするはずだ。行儀よくすれば、助けを得られるかもしれない」。』

とのことです。大変率直で、信頼できる。米軍が撤退を早まった、という批判が多いが、それは結果論。手塩にかけたアフガン国軍が溶解状態となり、たった6日ほどで首都まで制圧されるなど、誰にとっても理解不能でしょう。撤退を援護するはずの政府軍が消滅した状態ですから、米軍が空港占拠を続ければタリバンに完全包囲され攻撃目標になり、離脱どころではない悲惨な状態になったことでしょう。バイデン氏の支持率は下がったが、結果として正しかったことは今後の歴史が証明するでしょう。

そしてタリバンが前回統治の経験に学んで、少し抑圧的でなくなっている様子が見受けられます。男女共学は不可、と言いましたが、前回政権時は女性の教育を全面禁止していました。反対勢力を含め全国民に恩赦を与える、というのも、少しは本気なのかもしれない。少なくとも、ガニ政権協力者を片っ端から粛清したり、デモ隊を皆殺しにしたりしていません。それは一時的ポーズだという意見が多いが、そうでない方に期待し働きかける以外にどういう選択がありますか? もう一度軍隊を送ってタリバンをやっつけるというのは、まったくあり得ない選択です。

カーター参謀長のいうように、タリバンに国際社会が働きかけて以前とは違う統治をするよう促すことが、悲劇を避ける現実的で可能な方法でしょう。タリバンは危険なヤツラ、という先入観を捨てるべきです。

 

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テロでタリバン兵士28人も死亡、交渉が可能では?

2021-08-28 06:22:18 | アフガン

アフガニスタンの首都カブール空港周辺でのテロ攻撃で、米兵やアフガン国民だけでなくタリバン兵士多数も死傷していたらしいことが分ってきました。まったく憎むべきテロですが、憎むべき相手はタリバンではなく、バイデンでもなく、テロの実行者イスラム国 (IS) だということになります。

配信 「アフガン自爆テロ、70人超死亡 米兵13人犠牲」によると、カブールの空港付近で起きた爆発で、米軍幹部は26日、米兵13人が死亡したと明らかにした。米メディアによると、アフガン人の死者は少なくとも60人に上り、犠牲者は計70人を超えた。ISは26日、系列ニュースサイトで関与を主張する声明を発表。

カブール空港周辺で爆発、米兵12人死亡 ISが犯行声明」によると、過激派組織「イスラム国(IS)」は系列のニュースチャンネルを通じ犯行声明を発表し、ISグループの自爆攻撃によって約60人が死亡、タリバン兵士を含む100人以上が負傷したと主張した。タリバン幹部はカブール空港への攻撃は全世界から非難されるべきテロ行為であり、アフガニスタンに駐留する外国軍が原因と述べた。トルコのテレビ局が伝えた。タリバン関係者によると、爆発で子どもを含む少なくとも13人が死亡し、52人が負傷。タリバン兵の多くも負傷したという。

配信 「IS、系列ニュースサイトで犯行声明」  によると、ロイター通信によると、過激派組織「イスラム国」(IS)は26日、アフガニスタンの首都カブールの空港付近で起きた爆破テロについて系列のニュースサイト「アーマク通信」で犯行声明を出した。 テロを実行したとみられる「イスラム国ホラサン州」(IS―K)は、アフガン東部を拠点とするISの支部組織だ。IS-Kはアフガンで実権を握ったイスラム主義組織タリバンと敵対してきた。国連の報告書によると、構成員は1000~2200人程度。

共同通信 2021年8月27日 12:11 (JST) 配信「「アフガン死者、28人がタリバンメンバー」によると、ロイター通信は27日、アフガニスタン首都カブールの爆発によるアフガン人死者60人のうち、28人がイスラム主義組織タリバンのメンバーだったと、タリバン側の話として報じた。

とのことです。タリバンが出国を望む外国人や関係者を無事に出国させるという声明を守るなら、また前政権協力者を含む自国民すべてに恩赦を与えるという声明を守るなら、タリバンは悪でも敵でもありません。女性差別は多少復活するかもしれないが、それはイスラム社会、イスラム諸国全般の問題で、タリバンだけのことではありません。すぐに女性差別を全廃しろ、といっても日本自身ですら困難なのですから、イスラム社会に即時実行を要求するのは無理です。

タリバンがほぼ全土を制圧したのですから、タリバンが外国人に危害を加えないなら、冷静に付き合うのが良い。武力をもって日本人を救出するのだ、とかいう勇ましい人たちがいますが、それで自衛隊と現地軍の戦争になったらどうするのですか? 米軍が撤退した後、日本が代わってタリバンや部族勢力を制圧しようというのですか? やりたければ1人でやれば、といっても、危険な状態になったら救出する? 必要が生じますよ。

そういう、威勢ばかりよくて見境いのない人たちが出てくるから、戦争は恐ろしいのです。下手をしたら意見の異なる自国民を 「非国民」 として迫害しかねないでしょう。

冷静に判断し、タリバンと交渉する。日本の従来の活動は非軍事で、故中村氏の例に見るように信頼を得ており、タリバンも日本に対して悪感情を持っていないようです。交渉がベストです

 

 
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