私は東京五輪に興味が無くなったので、閉会式も見ませんでした。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長が6日の広島原爆の日での黙とうを呼び掛けた広島市に対し、閉会式に追悼の時間があるので6日にはしない、ということだったので、どういう追悼プログラムだったのか各社の記事で見てみました。
共同通信 2021年8月8日 配信 「全ての人追悼の時間に和太鼓 東京大会閉会式で」 によると、「東京大会では前回リオデジャネイロ大会閉会式に続き、さまざまな理由で亡くなった全ての人を追悼する時間が設けられた。佐藤健作さんが和太鼓を響かせると、それまでの明るい雰囲気が一転。ダンサーのアオイヤマダさんが樹木をイメージした衣装で鎮魂の舞を披露した。」
とのことです。
TOKYO HEADLINE 配信「【東京五輪】閉会式に「マツケンサンバ」は流れず」によると、「和太鼓奏者の佐藤健作が和太鼓を、ダンサーのアオイヤマダが、この世を去った人々に思いをはせる追悼のダンスを披露した。この追悼の時間はリオ大会から設けられている。」
とのことです。
東京オリンピック閉会式 17日間の大会に幕和太鼓の演奏が始まりました。演奏しているのは1998年にフランスで行われたサッカーワールドカップの閉会式でも演奏した佐藤健作さんです。」
午後9時22分、「長野県出身のダンサー、アオイヤマダさんが踊りを披露しました。この世を去った人に思いをはせる追悼の時間です。」
とのことです。各社の報道では、追悼の時間の意味がよく分かりません。共同通信の 「さまざまな理由で亡くなった全ての人を追悼する」というのでは、戦災や原爆といった意味合いは全く感じられません。NHKやTOKYO HEADLINEでは 「この世を去った人に思いをはせる」 とのことで、普通に亡くなった家族や友人・知人さえも含まれるような表現です。
NHKでは追悼の時間を読み落としかねないほどささやかな表現で、意義づけもまったく不明瞭です。これがヒロシマへの追悼の代わりになるというバッハの考え方は、私には到底理解できません。
コメント欄の井出留美さんによると、『筆者の取材ではJOC関係者は「発注数は(ボランティア激減したのに)変更しなかった」「一定数廃棄する前提だった」「弁護士が契約数を作るよう指示した」と答えており組織委員会の回答と齟齬があります。食品ロスの計量を五輪のレガシーにするとの議論だったのにデータも公開されていません。』
とのことです。まったく組織委員会は何をやっていたのでしょうか。完全無観客が決定したのは開会の2週間前ですが、それ以前から問題になっていたのですから、ボランティアの人数や弁当の数量などを想定し調整する時間は十分あったはず。なのに毎日数千食を廃棄とは、オドロキです。
食品ロスの計量を五輪のレガシーにするというなら、発注数量、廃棄数量をきちんと発表させる必要があります。ボランティアやアルバイトのスタッフの人数も明確にするべきです。まさか、必要のないアルバイトを雇ったり、費用を支払ったりしていないでしょうね?
それさえ疑りたくなる、組織委員会のデタラメさ。多くの人は真面目にやっている、と擁護する声が聞こうそうですが、組織委員会に入ると多くの人の感覚がマヒし、人としての倫理感がなくなるのではないですか? 既定路線や発注数量を調整しようとすると、お偉方への反抗とみなされ、異端児になるのではないですか?
ディープスロートによる告発がなければ弁当の大量廃棄がどこまでも続く、などというのを見ると、そう思わずにいられません。そういう組織風土を作ったのは、武藤事務局長、そして橋本会長の責任です。責任を感じるだけではなく、どのように責任をとるのか? 口先だけで言い逃れようとするのか? 国民が見ていますよ。