学校の9月入学論が盛り上がっているようです。若者たち自身の意見はどうなのか、検索してみました。
Yahooニュース 2020年4/30(木) 12:36 掲載の、『10代の学生から集まる「9月入学」反対の声』 室橋祐貴 (日本若者協議会代表理事) 氏の記事に、参考になるものがありました。
「日刊スポーツ新聞社が29日、ネットで『9月入学制についてどう思いますか』という緊急アンケートを実施したところ、反対が約55%で、賛成の約41%を上回り、特に10代以下では反対が約77%に上った結果を見ても、反対意見の方が主流を占めてそうである。」
日本若者協議会に寄せられた、ある高校生の意見。
「私は断固として反対派です。 (中略) 今9月から新学期にしてしまうと、先生達の (現状回復) の努力が無駄になってしまうし、私は今年受験生なので、このような改革を急にされたら動揺します。もっと若者の意見を尊重し、メリットだけではなくデメリットも考え、今は先の問題を解決しようとするのではなく、今目の前にある問題を解決させてからでないと、先の問題も中途半端になってしまうのではないでしょうか。
しかも、9月にコロナウイルスが完全に収まっているとも思えません。9月に完全に収まり、児童が安全に新学期を迎えられるという徹底的根拠はあるのでしょうか。 私は不安でしかありません。 」
ある大学生の意見。
「(前略) コロナが9月に収まる確信もないのにタイミングがいいからこの際、と非常に恣意的な考えが多いと感じられます。 私立に通う方々の半年分の学費の補償はするのでしょうか。(中略) また学力格差についてですが、この半年間オンライン授業を行った学校とそうでない学校の間が空いたままで、むしろそちらのほうが格差が生じると思います。 そして9月にコロナが収束しなかった場合、来年の4月にするべきだとまた改変の考えが生じかねません。(中略)
色々な意見がありますが、1番危惧しているのは政治家など上の方々が賛成の意見しかないことです。 教育現場にいる反対派の意見もテレビ等のメディアに大きく報道されません。 どうか私 (たち) の声を聞いてほしいです。 9月入学にはせずオンライン授業の拡充を実施して子供達の学び場を充実させ、勉学の家庭、学校間の平等を目指していただきたい。
もし9月入学になった場合 、他国に合わせて9月に変えるのなら他国で行われている飛び級制度を作ってほしい 。それなら生涯年収の減少も自分の力で変えられる機会がある 」
ある高校生の意見も、ある大学生の意見も、問題点を的確に指摘しています。いまマスコミで9月入学を肯定的に論じている人たちは、現実の若者たちの抱える問題をまったく顧慮していません。小中学生が学校に行けないという憲法違反の状態と、心身の成長に対する悪影響に関心がないというのには驚きます。それでいて、制度改革をすればすべての問題が解決するかのような夢物語を語るのです。教育を語る立場の人がこれでいいのでしょうか。
そんなのは噓っぱちです。日本の科学分野のノーベル賞受賞者は、例外なく厳しい学究生活を送ってきたようです。それがいいとは言わないが、9月入学で問題が解決する、グローバルスタンダードに合わせればよい、というだけでは納得できません。ではなぜ日本のコロナ対策はグローバルスタンダードであるロックダウンではないのですか? 足元がすでに違っているのではないですか? なぜ日本語は世界で稀な漢字カナ交じりなどという複雑な言語になっているのですか? 英語にしてしまったらいいのではないですか?
泥縄で制度をいじるのはダメです。9月入学に大きなメリットがあるなら、きちんと検討して変更すればよいのです。