怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

実家大好き欧州

2015年05月06日 | ひとびと
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夫と日本で知り合った頃、彼が毎週末実家に電話しているところを見て仰天した覚えがある。私の父親や弟が実家に用もないのに定期的に電話するなどなかったものだ。
こちらでいろいろな人を観察していると、日本の家庭より親との結びつきが強いような印象がある。
フランス在住日本人からもそういう報告があるので、もしかした欧州人はそうなのか、と思案しているところに今ではかなり仲良しベルギー在住のたまさんから写真入の報告をもらったので紹介。

                




添付の写真は、典型的なルーベン市の金曜の午後の風景です。

写真には3人しか写っていませんが、果てしなくぞろぞろゴロゴロと駅に向かいます。
1週間の学業を終え、実家に戻るベルギー人の学生たちです。
スーツケースやキャリーバッグの中身は、シーツなどの洗濯が必要な衣類と、空の容器と、たまに教科書。


逆向きのぞろぞろゴロゴロは、日曜の夜、日が暮れる頃に大量発生します。
駅から、レンタルしているワンルームに向かって。
荷物には、洗濯済みのシーツと服、数日分の食料を母親に詰めてもらって。

ルーベンに住み始めた当時、「わールーベンってたくさんの旅行者が行き来するのねー」と勘違いしておりました。
金曜日、授業が終わると、ゴロゴロと里帰りするので、
木曜の夜が、学生猿の飲んだくれ日で、学生カフェ周辺はカルナバル状態。
これが毎週毎週毎週繰り返されます。

ちょっと感心します。
私だったら、毎週末里帰りなんてしない。めんどくさすぎる。毎週荷造りなんて。
郊外のど田舎村に戻るのに、電車+バスか車の迎え…片道1時間ではすまないし。
洗濯はランドリーでできるし、ルーベンに残ってた方が、自由で楽しいだろうにー、と思うのですが…

そして、ベルギー人って、こども甘やかしすぎ。
6~9月は、新学生の部屋探しシーズンですが、もちろん親が契約し、親が支払い。
引越し時の大掃除も、もちろん親です。

ベルギー人同僚、40才で一人暮らしですが…つい最近一軒家を買うまでのアパート生活では、
毎週末、洗濯(必要)ものと「ごみ」を持って、実家に戻ってました…ありえねー
と思ってたけど、私の以前の階下住民も、やっぱり40になろうかというのに、
同じことしてました…日曜の夜、洗濯アイロンの済んだ服を持って、部屋に戻ってくるのです。
こいつら見てたら、ベルギー男がこざっぱりしているのは、ママのおかげだけど、本人たちの実用能力は!?




                

日本にいたときは「欧米の家庭は子供を早く独立させる」という内容の書籍や報道があった記憶がある。正確な記憶ではないが、何らかの方法で「欧米のように子供は早く独立するほうがえらい、実家を頼るのは悪いこと」というイメージを植えつけられていた印象だ。
ウチのように完全な同居は数少ないが、二世帯住宅や親の住まいのごく近くに住む人々がいるのを普通に観察できる。
平日日中に孫と思われる子供を連れて歩いている高齢者も多いので、そうやって息子娘の生活に協力している人も多いのだろう。

たまさんが書いているとおり、週末ごとの帰省なんて、私もちょっと面倒くさいと思う。
こちらの学生は週末に仲間と過ごしたりアルバイト(なんだかドイツ語からの言葉で使いにくいが、要するに正規雇用でない就業形態の仕事)したり、一人で黙々と勉強したりテレビを観たり、あるいはデートしたりしないのかしら?

ここ周辺では結婚した夫婦(結婚していなくても)が揃って旦那さんの実家に週末ごとに帰っている例も聞いている。これは日本ではかなり珍しいのではなかろうか。

思っていたより親との絆が強い欧州、いいんじゃあないかぁ~、とちょっと威張ってみる。
いや、以前の日本のように「親から早く独立するほうがえらい」という考えの方がえらいのかな、うほほっ。