飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

詩の書かせ方

2024年09月05日 05時44分11秒 | 国語科
詩を子どもたちに書かせる時にはどうしたいいのか。
「思ったことを自由に書けばいいだよ。」
こんなことを教室で言っている教師はいないだろうか。

それは鉄棒でさかあがりができない子に、「思いっきり地面を蹴ればいいんだよ。」と言っているに過ぎない。
泳げない子に、「手と足を上手に使えばいいんだよ。」と言っているようなものだ。
指導にはなっていないのである。

強いて言えば、この手の指導は、授業の入り口ではなく、出口では言ってもいいだろう。
子どもたちが系統的な指導を受け、ある程度力がついた時点で「自由に書けばいいんだよ。」はあるかもしれない。

では、方法論としてどんな授業の仕方があるだろうか。

1 着想をあたえる・創作のヒントとなるポイントを提示する。
①物語や短歌をもとに詩を書く(翻作する・真似る)
②写真、絵、色、音などをもとに詩を書く(限られたものから読み取れる情報を整理する)
③特定の事物(木とか生き物とか文房具とか)をもとに詩を書く(なりきりの詩・視点の転換)

2 翻作表現法におけるモデルとなる詩
ここで重要なのは、モデルとなる詩で何も選ぶかということ。
真似しやすく、ある程度の規則性や公式的なものが分かる作品。
例えば次のような詩はどうだろう。

「ひも」

うまれてからこのかた
ひもにはあたまもしっぽもなく
ふたつのはじっこがあるだけだった

いろあせたこいぶみのたばを
くくっているあいだはよかったが
わけあってこいぶみがもやされ
もうむすぶものもしばるものもなくなると
ひもはすっかりじしんをうしなった

ひきだしのおくでひもは
へびになるのをゆめみはじめる
ちゃんとあたまとしっぽがあるへびに

へびになれたら
ぼくはにょろにょろとおかにのぼろう
そしてとおくのうみをながめよう
しっぽがもうかえろうといいだすまで

saitani

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