私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ジュエルフィッシュ(釣査189種目)しかいない川 : アヂアヂ台湾お魚旅㉖

2018-10-03 18:20:35 | 夏の台湾の魚たち
2018年10月3日(水)

台湾4日目(8月2日) 

2ポイント目は、からきしボウズだった川の中上流域。

橋げたの近くの空き地に車を止め、川へ降りようとすると・・・

丁度、収穫野菜の下処理を終え、しゃがんで休憩してたのかな?
老人たちが・・・何度も何度も手で大きく×をつくりながら声をかけてきた。

「ここでやっちゃいけんのんかの?
 工事中じゃけえ禁止になっとるんかもしれん・・・」 と、ウサギハートの私。
「ええよ。ええよ。行くだけ行ってみよ」 と、ライオンハートの友。

そんな私らを止めようと、とうとう老人の1人が体中を手でこすり回すしぐさを始めたぞ。

それでも、川へ降りて自分たちの目で確かめるのだ。

橋げたのまわりは釣りに適したタマリに、その上流もいい早瀬ではないかっ!


さっそくタマリを覗いてみよ・・・
「あかんっ! ダメじゃダメじゃ! こんな所はやめとこで!」 と、友の声。

な、なんと真っ赤な魚や薄茶色の魚が転石ごとに何匹も定位してるじゃんかっ!


「何でやったらいけんのんなっ!」 釣りたい一心の私。

「アフリカ原産の外来熱帯魚じゃけんな。
 台湾の在来魚じゃないとつまらんわ。
 台湾でわざわざ釣ることはなかろ?」 と、正論の友。

「それはそうかもしれん。
 でもな、早瀬にヨシノボリや何やらおるかもしれんで」 と、懐柔策にでる私。

ワハハハハハ・・・・・・策にはまった友はガサへと向かったぞ。

まずは、真っ赤なんをねらって・・・ホイッ! 釣れました! (アッという間に群がってくる)


続いて、小さめの薄茶色のんを追加して・・・
さっさと土手を上がり、撮影に入る。

婚姻色なのかも品種改良なのかも全くわからないが、とにかく真っ赤だ!


広島カープの真っ赤激には少し劣るかもしれんケド・・・
宝石をちりばめたような光る点々も含め、日本の川魚ではあり得ない派手さだ。

小さい薄茶色も同じ種のようだ。


なかなか泳いでくれなくて、苦心惨憺してると


後ろから先ほどの老人たちがのぞき込んできたぞっ。
珍しそうに魚を見つめ、写真まで撮り始めたぞっ。
地元のお年寄りでも見たことのない魚だったことは間違いないな。

魚を指さしつつ、ニコニコと愛想を振りまいたら、老人たちも笑顔いっぱい。

友がガサから戻ってきた。
「コイツらばっかりやでっ!」

では、コイツらの中で一番大きかったのをご紹介。

頭が張り出てくるんやね。


「やっと老人が言ってたことや仕草が分かったわ」 と、しばらくの後、友が言う。

「ここは魚いないよ。釣りしても無駄だよ。
 上流に温泉(体をこするしぐさ)があるんだよ」って、意味みたいだという。
台湾の人たちって本当に心優しい。

温泉のせいで魚がすめないpHになってるのかもしれない。

よくよく考えれば、何処でも見られたタイワンハナマガリやタイワンアカハラが
あのタマリにはおらんかったもんなあ・・・


さておき、帰国後調べてみた。

この魚の通称名はジュエルフィッシュ(宝石魚)。
アフリカ原産のシクリッドで
ヘミクロミス属のHemichromis bimaculatus (台湾名:雙斑伴麗魚)やHemichromis lifalili(同:玫瑰伴麗魚)なんかを
まぜこぜにした販売名なのである。
おそらくペットとして飼われてた個体の放流から繁殖しはじめたんだろうね。
放流しても金儲けにはつながらないから
日本におけるオオクチバスやブルーギルの大がかりな組織的な放流と比べるわけにはいかない。
(この証言はいくつも紹介されてるから調べてみてね)
ま、大手有名メーカーさんたちの釣り道具は自分では買わない(高くて買えない・貰えるときは貰う)ことにしたもんね。
近くの釣具屋さんでは
「自由(無料)にお持ち帰りください」と、バス釣りのDVDがズラッと並べてあるもんなあ。
あの頃のフィーバーぶりと、その後の荒廃ぶり(生態系も道具も)は何だったんだろうね。

ちなみに、コイツは弱酸性の水質を好むというから、私の住んでる街の川では生きてはいけないケド・・・

いずれにしても、地元の人さえ知らんまま、外来の魚だけが生存してるってのは不気味なもんだ。







  
コメント
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