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米海軍で屈指の潜水艦長による「最強組織」の作り方  デビッド・マルケ  東洋経済

2014年06月23日 09時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

ロスアンゼルス級原潜「サンタフェ」の新任艦長が、この艦に持ち込んだ新しい組織文化の話です。軍隊と言えば、上位下達。上官の命令/権限の大きさは民間会社の比ではないでしょう。この潜水艦、134名が乗り込み、その乗組員の命はもとより、その何百倍もの人の命を奪うことのできる攻撃力を有しているのですから、それを統括している艦長の責任と権限の大きさは容易に想像できます。

新艦長への就任の前に民間で言えば係長クラスに仕事の内容を尋ねると、「言われたことをやるだけです」と皮肉を込めた答えが間髪入れずに返って来る。言われたことをきちんとしなければ軍隊は成り立たないでしょうが、それだけでは仕事の達成感は得られない。「言われたことをする」と言うことは「言われたことしかしない」「余計なことはしない」と言うのは気が利かないのではなく、勝手にしてはいけないのです。

また、軍隊での職務規定は、すべきことはきちんと規定され、艦長と言えども、自分の艦であるからといって勝手にルールを変更して良いものでもありません。全ては、艦長の命令で動くように規定されたルールの下で、この艦長、各担当部門が自発的に動きながら、最後は艦長への承認を求め、それが艦長命令として実行される仕組みを作り上げました。リーダシップが必ずしもトップダウンである必要は無く「委ねるリーダシップ」を目指したのでした。

艦長の所には、乗員が1日中入れ代わり立ち代わり「これから~をします」と伝えに来る。艦長は時折一つ二つ何かを尋ね「よろしい」という。彼が把握するのは乗員が出した結論のみ。艦長が命令を下している場面はほとんどないとのことです。概して、米国人は、組織/リーダシップについては、色々な試みする方が多いようです。普通の会社であれば、上司、先輩、同僚にイヤな奴がいても、会社の勤務時間だけの事ですが、船舶の乗組員は航海中逃げ場が無く気の毒です。特に潜水艦は航行中、外には一歩も出られない閉空間ですから大変です。その様な職場の管理は、仕事だけでなく、生活面まで仕切る艦長の仕事は簡単ではありません。

この潜水艦がパールハーバを出港してから航海日誌のよう毎日の生活や艦としてのミッションがらみで綴られ、潜水艦の内部での業務をそこまで書いてしまって良いのかと余計な心配をするくらいの面白さです。1行1行が大変参考になり、かつ、面白く280ページを一気読み読みした後も、2回目、3回目と、久々に良書に巡り合えました。

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