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住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち  川口マーン恵美  講談社新書

2014年10月22日 10時00分00秒 | 雷日記
こんにちは、落雷抑制システムズの松本です。

前作の「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」に続いて、ドイツ以外の国を加えたヨーロッパが対象ですが、中味の観察眼の鋭さに比べ、8勝2敗と言う大雑把な数字がそぐわない気がしていましたが、これは著者の付けたタイトルではなく、編集者が付けたとの事で、ナルホドです。編集者がいい加減と言うのではなく、ここに数字の持つ恐さがあります。根拠のない数字であっても数字で示されれば感覚的な大きさは理解します。これが数字を使用せずにただの「住んでみたドイツ」「住んでみたヨーロッパ」だけであれば、類似の本はいくらでもあり、全く売れなかった事でしょう。 編集者のネーミングにアッパレです。

「住んでみたドイツ」に比べて加わった国のうち、ノルウェーとスペインですが、生活文化と言う点では御指摘御尤もですが、産業技術と言う観点からはこの2国には日本が追いつけないものがあります。例えば、ノルウェーですが、専門性の高い海洋技術。北海油田で培われたエネルギー技術は抜きんでていて、自分でものを造るよりも、世界中でこれらを指導し、認証する立場になっています。一人当たりの国民総所得も日本の2倍。これを500万人程度の人口で成し遂げているのです。日本が少子化と心配しても未だ桁違いで日本の人口は多いのです。それより心配すべきは、500万人の国に12,700万が束になってもかなわない日本の生産性の低さです。

スペインもサッカーばかりが上手で闘牛をしている国と思ったら大間違い。エアバスの生産にも、戦闘機「ユーロファイター」にも関わっていますし、何より新幹線が世界一の鉄道と思っている日本でも実現していない標準軌(1435mm)と広軌(1668mm)の間を走れる車両を実用化しているのです。日本の鉄道は狭軌(1067mm)で新幹線を広軌と呼んでいましたが、実は新幹線の1435mmは世界では「標準軌」で広軌と言うのは更に大きな1668mmもあるのですが、このようにレールの幅が異なる線路をまたいで高速鉄道を走らせているスゴイ国なんです。

生活の便利さなど比べれば、世界で日本が一番というのはそのとおりでしょうが、それだけでは底が浅すぎます。少子化についての対策よりも日本の生産性をどう改善し、少ない人口でも世界と互してやっていけるかを考えねばなりません。ヨーロッパの大国は、フランス、英国、イタリア、ドイツ。 これらは5千万を超える人口がありますが、その他の国は500万人程度です。 その500万人の国に比べれば、日本の少子化など問題になりません。日本の大都市、北海道や九州は日本の一部であると思わずに、一国と考えればその程度の小さな国が世界中には独立国としていくらでもあります。一人一人が世界レベルで競合出来る水準を満たすべく努力しなければ、1億人の人口の日本が500万の国に負けてしまいます。それでは情けないではありませんか。日本は1億が束になってこの程度。世界には500万の国が活躍している事を忘れてはなりません。

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