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悪の法則 【感想】

2013-11-24 10:51:27 | 映画


リドリー・スコットの新作「悪の法則」を観る。

イマイチのれない。
キャストはマイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、
ハビエル・バルデム、ブラッド・ピットと涎モノなのだが。

とある弁護士が麻薬密輸の手伝いをしたことで、災難に見舞われていく話。。。たぶん。

話の流れや登場人物たちの会話から、麻薬密輸の手伝いしたようだがあまり確信がもてない。
主人公の弁護士が具体的に何を悪いことしたのか細かく描いていないからだ。

これは制作側の意図であると思うが、少々の眠気も手伝い、
災難のきっかけを捉えきれないまま終わってしまったので、どうにもスッキリしない。

本作のテーマは、人間の本質的な欲望とその因果である。欲望は性欲と金欲だ。
顛末のきっかけは後者の金欲によるものだが、印象に残ったのは前者の性欲のほう。
性欲というより肉欲という言葉がしっくりくる。弁護士とその恋人が
しきりに互いの体を欲したり、キャメロン・ディアス演じる悪女が魅せるプレイだったり。。。
肉欲を欲望の象徴として描いているようだが、包含しても顛末のきっかけにはなっていない。

欲望は大いなる悲劇を招く。
弁護士が欲望のために具体的に何を悪いことしたのか不明確だし、
主人公自身も「身に覚えがない」と言っている。だけど悲惨な事態に陥る。
そこにあるのは不条理さだ。

悲劇をもたらす麻薬カルテルは事の結果から、
可能性として考えうる原因は全て抹殺するのだ。その中に主人公が巻き込まれる。
「小さなことでも悪いことをしちゃダメ」という単純な話ではない。

不条理という、この不確かな要素がどうにも苦手だ。
咀嚼できないまま丸呑みして「美味しかった?」と聞かれる感じ。

本作ではこの不条理を原因の説明よりも、多くの時間を割いて登場人物に説明させる。
「不条理も仕方のないことだ」と捏ねくり回すように何度も話をする。
何か頭デッカチな印象だ。苦手な映画のタイプ。。。。

主役級を揃えたキャスト陣のパフォーマンスはどれも一流品。
余裕と厚みを感じて掴まされる。衣装もカッコよいのでなお楽しい。
豪華キャスト陣の中でも光るのがキャメロン・ディアス。凄い迫力。
これまでのファニーフェイスを封印。ナイスバディと妖艶さの相性が良い。
目の周りのアクセントと、肩から背中にかけてのヒョウ柄のタトゥーが堪らない。
本作における悪の象徴として、その役割を見事に果たしている。非常に良い。
彼女が劇中披露する「なまず」プレイは名(迷)シーンとして語り継がれるだろう。

期待通りキャスティングは大いに楽しめたが、
映画自体にはあまり夢中になれなかった。

アメリカでの評価、興行も散々だった模様。
監督はリドリー・スコットじゃないほうが良かったのかも。

【60点】














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