ザック・スナイダーの帰還。やったぜ。
本作のために約2か月ぶりにネトフリに再加入。待ちに待った本作はその期待に応えるエンタメ作だった。
まずはオープニングだろう。傑作「ウォッチメン」を彷彿とさせる仕上がり。本編の導入部にあたる、過去の経緯をコンパクトかつドラマチックに、そして鮮烈に描き出す。ある意味、本編を通して、出だしのボルテージが絶頂といっても良いかもしれない。ネトフリという新たな舞台を得て、スナイダーが嬉々として本作のメガホンをとっているのは明白。
一攫千金の強奪劇×ゾンビ。ワクワク感とスリルを楽しむ。キャスティングされた俳優陣は見たことがない人ばかり。演じる役柄はいずれも個性的だが、主演のデイヴ・バウティスタ含め、華がなく、物足りなさはあるものの、「ゾンビ」が主人公と考えれば違和感はないし、誰が生き残るか、予想する上でも忖度みたいなものがない。実際に予想外の人があっさり消されたりする。
ニュータイプのゾンビが登場するのがミソ。なんと知性がありコミュニケーションがとれ、「愛情」という感覚を持ち合わせる。これまでのゾンビルールを逸脱することで得られる自由度を採用したか。ゾンビが神々しく描かれる場面もあり、両者の背景が描かれることで、人間対ゾンビの戦いが一層、盛り上がる。スナイダーならではのカットの美しさ(あるときはグロさ)も健在だ。
あと、グッときたのは、デイヴ・バウティスタ演じる父親と娘のドラマだ。スナイダーがしばらく映画製作から離れた理由でもある、娘さんの悲劇が思い浮かび、劇中の流れとは関係ないところでウルウル来てしまった。既に視聴済みである「ジャスティスリーグ」を見ても、完全復活を遂げたといって良さそうだ。大きな悲しみを乗り越え、また映画ファンを楽しませる映画を撮り続けてほしい。
【70点】