そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

「春、バーニーズで」 吉田修一

2008-01-17 22:34:53 | Books
春、バーニーズで (文春文庫 よ 19-4)
吉田 修一
文藝春秋

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吉田修一の小説を読むのは4冊目くらいですが、かつて読んだ「最後の息子」の主人公の10年後という設定で書かれたのがこの連作短編小説です。
「最後の息子」は、新宿二丁目で働くオカマのヒモをしている若い男の話。
その男が30代になり、子持ちの女性と結婚して4歳になる血のつながらない息子の父親になっている、という設定。
男が家族3人で新宿のバーニーズ・ニューヨークで買い物をしているとき、偶然にかつて一緒に暮らしていたオカマと会ってしまう…というのが表題作にもなっている「春、バーニーズで」。
設定だけ聞くと突拍子もないコメディを連想してしまいますが、いたって静かで細やかな小説です。

吉田修一は、平和で平穏で平凡な日常が、ふとしたタイミングで綻びをみせ突如として非日常が人生に入り込む、その瞬間を描くのがとても巧い。
「夫婦の悪戯」における「狼少年ごっこ」で夫婦が狼狽する場面なんてまさにそう(ただ、その狼狽ぶりを「う、嘘でしょ」「そ、そうだよ」みたいなドモリ科白で表現するのはイマイチのように思えたけど)。
「パーキングエリア」なんて、小説丸ごとが「突発的な日常の崩壊」を表現している。

あと、女性の描写がところどころ佳いですね。
「夫婦の悪戯」で、先に一人で部屋に帰ったはずの妻が実はドレスのまま一人でバーに行ったことを話す場面が妙に気に入った。

現実世界にある固有名詞がためらいなく登場するのも特徴的。
「バーニーズ」がまさにそうだし、「聖蹟桜ヶ丘」「日光金谷ホテル」なんかも。
そういうリアルな固有名詞が出てくるだけで小説全体が親しみやすいものになるような気がする。
もちろん固有名詞のセレクションにセンスが必要だとは思うけど。

ちなみに200頁近くある文庫ですが、文字がゆったりと配置され、しかもモノクロのイメージ写真が多数挟まれているので、思ったよりも分量はありません。
紙も上質なものが使われていて、自分は本屋で実物を手にすることなくネットで注文して買ったので、最初に本を開いたときはちょっとびっくりしました。
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プチ・スタグフレーション

2008-01-16 22:46:07 | Economics

「ゆとりない」が5割超=物価高が直撃-日銀生活調査 (時事通信) - goo ニュース

1年前に比べ、暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」との回答が53.4%(前回49.2%)と5割を超えた。
生活にゆとりがなくなった理由は、「物価が上がったから」が58.7%と前回の35.5%から急増。ガソリンや灯油、食料品など生活関連商品の値上げの直撃を受け、家計の負担感が増していることが浮き彫りとなった。

確かに物価は上がっています。
が、今日日銀が発表した国内企業物価指数によれば前年比の上昇幅はたかだか1.8%。
70年代の”狂乱物価”の時代、年率の物価上昇が10%を超えていたことを思えば、これくらいでひいひい言ってられないなという気もします。
ただ当時は物価上昇にリンクして賃金水準も上がっていった時代(それによってインフレがますます進んだわけですが)。
今年の春闘では久々に賃上げの声もあるようですが、給与収入が上がっていくという明確なビジョンを持てないままに物価だけがじりじりと上がっていき、しかも長年のデフレで物価は安くなるのが当たり前という時代に慣れ切ってしまっている状況では、この程度の物価高でもゆとりがないと感じてしまうのも仕方がないような気もします。
景「気」というくらいで、塞いだ気分が支配的になってしまうと経済全体が覇気を失ってしまう。
すでにプチ・スタグフレーションが始まってしまっているのかもしれません。

ところで景気といえば、サブプライム・ショック以降の混迷状況を見るにつけ、「好景気」と「バブル」は紙一重、というか「同じもの」を別の呼び方をしているだけなのだな、ということを改めて感じさせられます。
「好景気」と呼ばれていた時代が終焉を迎える。
人は、振り返ってそれを「バブル」と呼ぶのだなと。

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4月パニック

2008-01-15 22:59:29 | Politcs

現実味帯びる4月パニック 「日切れ」失効なら株価暴落、輸入品高騰(産経新聞) - goo ニュース

18日召集の通常国会を前に政府・与党の足並みが早くも乱れ始めた。3月末で期限切れとなる歳入関連法案(日切れ法案)をめぐり、1月中の衆院通過を主張する参院自民党と、国会冒頭からの混乱を恐れて慎重姿勢の衆院自民党の軋轢(あつれき)が広がっている。民主党は揮発油税の暫定税率廃止を掲げ、早期解散に追い込む構えを見せており、衆参の足並みがそろわぬまま国会に突入すれば、ガソリン買い付け騒ぎや株価暴落、輸入品高騰など、消費者を直撃する「4月パニック」が現実味を帯びてくる。

「○月危機」という言い方はよく耳にしますが「4月パニック」というのもその一種か。
こういうあらかじめ想定されている「危機」が実際に起こることはまずない。
「パニック」だの「危機」だのってのは、まったく予想もしてなかったときに起こる。
人間、想定されるものには対処をするものなんでしょう。
今や懐かしき「Y2K」なんてその最たるもの。
あれだけ大騒ぎしたのに、そして大騒ぎしたからこそ、何も起こらなかった。

それにしてもこの記事の書きぶりも酷い。
「揮発油税などの暫定税率が消えればガソリン代が1リットル当たり約25円下がるため、ガソリンスタンド前に車の長蛇の列ができるだろう。」っていったいどういうこと?
日本人、そこまでアホちゃうでしょう。
いや大新聞がこんな記事掲載しちゃうくらいだから、あながちそんなものなんだろうか。

もちろん道路特定財源なんて既得権益の権化みたいなもの、さっさと廃止してもらいたいと思っているけど、国も地方もそれをあるものだと当て込んで次年度の計画を立てている以上、現実的にはこの期に及んで揮発油税の歳入が減ってしまったらそれこそ大混乱になることだろう。
民主党がギリギリのところまで突っ張って、次年度以降の暫定税率廃止と引き換えに今回は暫定延長に同意する、ってあたりが落とし所になるんでしょうかね。

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「誰か」 宮部みゆき

2008-01-13 22:09:50 | Books
誰か (文春文庫 み 17-6)
宮部 みゆき
文藝春秋

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久々の宮部みゆき。
やはりこの人のストーリテラーとしての力は凄い。
一旦読み始めると先の展開が読みたくなって仕方がなくなる。
だいぶ前に「理由」を読んだときには本を離せなくなって、一日で読み切ってしまったこともありました。

が、本作に関しては、そのように先へ先へと読み進め最後まで行ってもイマイチ満足感を得ることができなかったような。

まず、宮部みゆきってこんなに説明描写がクドかったっけ?というのが読み始めの頃の印象。
とにかく冗長に感じられました。
行間を読ませるところがまったくないというか。
ま、読んでるうちに慣れてきて気にならなくなってはくるんだけど。
もう少しハードボイルドなタッチの方が好み。

それと、登場人物のキャラクタに魅力が感じられない。
いやある意味魅力的ではあるんだけど、どれもこれも「造られたキャラクタ」としての魅力というか。
血が通っていない気がするんですよね。
それは何も現実離れした人物設定だから、というばかりではないと思う。
文体同様、ちょっとクドいんです。
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寒風

2008-01-13 21:56:36 | Diary
今日は祖父の一周忌法要で所沢の霊園へ。
強烈な木枯らしが吹きつける、この冬一番の寒さ。
そういえば去年2月の納骨のときも風が冷たかった。
強烈な寒風とともに祖父を想い出す、というのもまたよいのかも。
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一太郎二姫?

2008-01-12 23:44:06 | Diary
月曜から仕事始めで一週間働いたものの、今週はやはり全体的に正月気分が抜けきれないというか、本格的な仕事の立ち上がりもないままに比較的緩めに過ごした感があり。
けれども正月の休み疲れもあってのことか、一昨日くらいから腰に若干痛みを感じるようになり、今日は近所のカイロプラクティックに治療をしてもらいに。
結局原因はよくわからなかりませんでしたが、腰椎の関節をほぐしてもらっただけで痛みはほとんど治まりました。

それと前後してヨメは産婦人科へ妊婦検診に。
全くの順調。
そして性別は♀ではないか、とかなり明確に言われたとのこと。
これまでも♀らしいとは言われていたけど、そうはっきりと言われるとなると、不思議なもので急に実感が湧くものです。
自分自身男兄弟で育ったし、一人めも男の子なので、実は生まれて此の方「女の子のいる家庭」というものを経験したことが皆無なのです。
何となくうろたえてしまうような…
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オバマ優勢と日本悲観論

2008-01-08 23:32:45 | Politcs

優勢のオバマ氏、ニューハンプシャーで早くも“勝利宣言”(読売新聞) - goo ニュース

長い長い大統領選が始まったばかりなのでめったなことは言えないけれど、どうやらオバマ大統領誕生の強い流れが急速に出来上がりつつある感じです。
ヒラリー・クリントンが世論調査で圧倒的支持を得ていると言われていた数か月前から何となくこうなるような予感はしていたけど。

黒人初の大統領。
アメリカっていろいろと問題のある国ではあるけど、こういうダイナミックなことが平気で起こってしまうところは素直に凄いと思う(まだわかんないけど)。

内田樹氏がブログで、オバマとアメリカについてとても面白いことを書いていた(内田樹の研究室「”ダイナマイト”なイノベーター」)。
氏は、ネット上の文章について著作権は主張しないと公言されていることもあり、以下長々と引用してみる。

さて、アメリカ大統領選挙はどうなるんだろう。
という話を温泉に浸かりながら兄と話した。
兄も私も、現段階ではオバマさんが選ばれるだろうと予測している。
こういうところではアメリカの「底力」は侮れないよ、というのが私たちの共通見解である。
町山さんと前にお会いしたときに、アメリカで文化的なイノベーションを担っているのはつねにマイノリティであるという話を伺った。
音楽もファッションはほとんどが黒人かヒスパニック起源のものだし、現在のコンピュータ業界は中国系とインド系で持っている。
WASPは何もクリエイトしていない。
でも、この人たちは全員が「アメリカ人」なのである。
あの国は「後から来た人」がイノベーションを担うように構造化されているのである。
既存の業界は既得権益を死守する人々でがっちりブロックされているから、「新参もの」はニッチ・ビジネスで勝負するしかない。
最初に来たイギリス系に東海岸を押さえられて、その後から来たアイルランド系は荒野の開拓者になるしかなかった。イタリア系が来た頃にはもう開拓の余地はなく、あとは商売をするしかなかった。ユダヤ系が来たときにはもうあらかたの商圏は押さえられており、あとは金融とジャーナリズムとショー・ビジネスしか残っていなかった・・・そういうふうに「ところてん」式にそのつど後からやってきた「食い詰め組」が生き延びるために開発したビジネスモデルでアメリカは繁栄してきたのである。
アメリカという国には国民のエートスを斉一化しようというモメントは存在しない。
大枠としての「星条旗に対する忠誠」と「ドルへの信仰」があれば、誰でもアメリカ国民として受容される。
「楽な道」は全部既得権の受益者によってふさがれているが、「つらい道」は全員に開放されている。
生き延びようと思ったら、自力で自前の「生きるモデル」を作り出さなければならない。
きびしい淘汰圧をかけて「サバイバー」だけを選別して、それに牽引されるようにして社会編制を変えてゆく。
手荒なやり方だけれど、アメリカはそれでこれまで成功してきた。

アメリカという国の成り立ち、ダイナミズムをとてもわかりやすく理解させてくれます。
そして話は彼の国と我が日本の差異について…

日本のいわゆる「構造改革」なるものはこのアメリカ・モデルを無批判に導入しようとしたものだが、国情の違いを勘定に入れ忘れたので大失敗した。
日本には「外から来たもの」が文化的イノベーションを連続的に担うことを想定した社会プログラムなんか存在しないからである。
日本は、アメリカとは逆に、「均質性が異常に高い」という事実を国力の培養基にしてきた。
阿吽の呼吸、腹芸、寝技、瀬踏み、根回し、ツーと言えばカー、肝胆相照らす、魚心あれば水心、越後屋おぬしも悪よのう、といった一連のコミュニケーション技法はどれも「英訳不能」であるが、この技法を習得していることが本邦では一人前のビジネスマンの条件である。
このところ論件によく上がっているKYにしても、アメリカなら「契約書、読めよ」であろう。
「空気を読む」リテラシーなんか、アメリカのビジネスマンには要求されない。
アメリカはゲームのルールを誰にでもわかるように単純にすることで「新参もの」への参入障壁を下げ、プレイヤーの数を増やすことでビジネスチャンスを拡大してきたからである。

年末から年始にかけて目にしたジャーナリズムの論調では「日本悲観論」がおそろしく目立ちます(特に日経系のメディア)。
年始からの株価続落がさらにその悲観ムードを拡大させている感も。
内田氏の書いている通り、米英流の新自由主義的構造改革をそのまま日本社会に当てはめようとしても巧くいかないというのはよく分かります。
ところが一方で、安倍政権から福田政権へと移り変わる中で、小泉構造改革路線が目に見えて後退するやマネーは一気に海外へ流れ、日本取り残されムードが本格化しているのもまた事実なわけです。

先日読んだ佐藤優の「国家の罠」では、鈴木宗男が国策捜査のターゲットとなった背景として、日本社会がケインズ型分配経済からハイエク型自由主義経済へと方向を変えたことを挙げていました。
確かに小泉政権の登場は時代の要請だったと自分も感じています。
が、その改革路線を受容するだけの基盤が日本には十分存在していなかった。
それは、小泉改革路線を受け継いで完成させる強力なリーダーシップを持った後継者の不在という形で明らかになっています。

日本が何をやっていようと、世界全体でのグローバリゼーションの流れが止まることはないでしょう。
今のまま内向き議論に終始してれば、国際社会における日本の相対的な地位が下がっていくことは避けられないと思う。
地位が下がるとどんなことが起きるのか?
実はその点についてのイメージが共有されていない、というのが現状のような気がする。
とんでもないことになる!という人もいれば、別に下がるなら下がってもいいんじゃない?という人もいる。
この点についての具体的イメージが明確に見えてくるまで、分配か競争かという逡巡は終わらないんじゃないんだろうか。
そんな気がします。

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イカ天の想い出

2008-01-05 21:08:28 | Entertainment
年末年始のテレビってどうしてこんなにつまらないんだろ…とついつい嘆いてしまう自分ですが、唯一見入ってしまったのが年末にやってたイカ天の復活祭特番。
自分、モロにイカ天世代なんです。
イカ天が放送開始して大ブームになった1989年は高校2年。
毎週毎週、土曜は3時まで視てましたわ。
あれから20年近く経ってるのか…
相原勇も40歳だっていうし。

流されたアマチュアバンドたちのVTR。
忘れてるバンドももちろんたくさんいたけど、たまやBEGINなど超メジャーになったバンドだけでなく、宮尾すすむと日本の社長、ノーマ・ジーン、マルコシアスバンプ…その他バンド名は覚えてないけど何故か印象に残ってるバンドだとか、ホント懐かしかった。
ヨメも1歳下の同世代なので途中からは二人してテレビの前から離れられず。
ヨメがたまのファンだったという話は聞いてたけど、アルバムを全部揃えてたほどだったとは今回初めて知りました。

この番組、1989年2月に始まって翌90年12月で終了。
わずか2年足らずだったんだね。
90年正月の武道館イベントをピークにブームも下降していったんだろう。
”復活祭”でも2年目のことは詳しく紹介されてなかったし、自分もほとんど記憶がありません(受験生だった、というのも理由なんだろうけど)。
実質的にはわずか1年程度の期間で、社会現象にまでなり自分たちの世代に深い記憶を刻み込んでいる。
こんな番組、これからもなかなか出ないでしょうね。
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「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」 佐藤 優

2008-01-05 15:38:31 | Books
国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
佐藤 優
新潮社

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年末から正月休みにかけて読みました。
前々から読みたいと思ってたんだけど今頃になってしまった。
内容についてはよく知られていると思うので説明は省略します。

「国策捜査」という言葉については大まかなイメージはあったけど、この本を読むことでそれが明確になった気がします。
取り調べ中に著者が検察官と論じ合う国策捜査論が展開される部分は非常に刺激的です。
国策捜査とは「国家の意思」に基づき検察が「作り上げる」犯罪捜査。
では「国家の意思」とは何か?
実体のない擬制的な存在であるはずの国家が意思を持つとは如何なることか?
結局それはポピュリズムに重なっていくのではないか…

最近の例を挙げれば、防衛省の守屋前事務次官の事件。
この本を読むと守屋事件も国策捜査だったんだろうなと思わざるを得なくなります。
タイミングだって小池百合子との一悶着があって有名になった直後だったしね。
マスコミから流れる容疑事実や捜査状況に関する情報だって、検察側からのリークだと考えなきゃ説明がつかない。
ワイドショーで語られる人物像を鵜呑みにしてるだけじゃ真実は見えてこないということ。
あ、だからといって守屋に非がないと言ってるわけじゃないですよ。
国策捜査のターゲットになることは、その人が法律的に無罪であることに必ずしも直リンクしないのです。
冤罪と国策捜査の違いについてはこの本でも詳しく説明されています。
スピード違反の例で説明されると非常にわかりやすい。

著者のようなパーソナリティを有した人物がターゲットにならなければ、国策捜査がこのような形で広く公になることはなかっただろう。
そう考えると何か皮肉めいたものを感じてしまいます。
そしてもう一つ。
この本が多くの人に読まれたことが、鈴木宗男という一人の政治家の名誉回復に一定の寄与をもたらしたことは間違いないように思います。
今でも政権中枢からはかけ離れたところにいる彼ではありますすが。

それとこの本は”獄中記”としてもなかなか興味深い。
獄中の生活を記述したものでは、この本でも一部登場する山本譲司元衆議院議員の「獄窓記」を読んだことがあります。
我々は簡単に「刑務所にぶちこんでしまえ」などと言ってしまいがちですが、”塀の中”がどんな様子なのかはドラマなどで創られたイメージしか持っていない。
著者の場合実刑判決は受けていないので、記述されているのは刑務所ではなく拘置所での様子のみですが、こういった生の体験を読む機会はなかなかないので貴重だと思います。
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正月太り

2008-01-04 21:50:03 | Diary
年末年始はヨメの実家(新潟)で過ごし、昨日帰京しました。
会社は今日から営業開始だけど休みを取った(たぶん今日出てる人は半分以下)ので、本当は今日帰ってくる予定だったんだけど、天気予報が芳しくなく吹雪くかもということだったので予定を早めることに。
おかげでUターンラッシュとスキー場帰りの車で渋滞に巻き込まれてしまいましたが。
年末年始は寒波に襲われたもののヨメの実家があるのはさほど雪が降らない地方なので積るというほどでもなく。
寒かったけど。

毎回ヨメの実家に行くと体重が増えちゃいます。
魚も野菜も果物も米も酒も何もかも美味いし、歓迎してもらえるのでつい食べ過ぎてしまう。
おまけに地方は車依存社会なので外出する場合も歩くことがないのでカロリーがため込まれる一方。
特にこの時期はあまりに寒いので外出すらする気にならず、ほとんど家にいるしかないのです。
外出するといっても、屋外での娯楽はありえないのでショッピングセンターに行くくらいで、それにしても結局車で移動することになる。
今回も歩数計をつけて行ったのだけれど、1日3000~5000歩くらい。
東京では6000歩を下回る日なんてほとんどないのに。
地方に住んでる人はよっぽど意識して運動しないとメタボってしまいますな。
ちなみに太ったのは自分だけではなく、ちやほやされてお菓子やフルーツをもらいまくったコドモも、気がつけば首の周りに肉が…

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2008年初エントリになります。
気がつけばこのブログも足かけ4年目に突入ですが、ぼちぼち書いていこうと思います。
本年もよろしくお願いします。
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