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エア・レスキュー・ウィング〜平成27年度入間航空祭

2015-11-07 | 自衛隊

いきなり私事になりますが、観艦式の前、わたしはPEMという検査を受けました。
左胸の奥に恒常的な鈍痛があったため、念のために調べてみたのです。
結果はなんら異常なし、ということで、乳癌などの疑いもなくなったのですが、
問題はこの痛みです。

入間航空祭が終わった次の日、その痛みが明らかに強くなっていたので、
主治医(というか夫の友人)に間接的に電話で相談してもらったところ、

「それはもしかしたら筋肉痛かもしれない」

と言われました。
いや、筋肉痛といっても、2年前から時々感じる痛みなんです。

「奥様は近年チェロを始められたということですが、 こういう人たちは
小さい頃からやっている人と違い、筋肉の使い方に無理をしているので、
胸郭出口症候群のようになってしまう人が多いんです」

そういえば、かすかな異変はチェロを始めてから感じるようになったなあ。
でも、最近は特に、観艦式とそのご報告のためのエントリ作成、それに加えて
息子の矯正医を変えたために検査と初診でバタバタ、自分の歯科治療でウロウロ、
歯医者関係だけで山形と神田と代官山と荻窪を駆け回る毎日で、
チェロを触るどころではなかったはずですが・・・。

だいたい今回痛みが強くなった前日は航空祭だったし、航空祭では
朝早くに起きて往復4時間運転する以外は1日写真を撮っていただけ・・・

・・・ん?

もしかしたら、痛みの原因って、カメラ?

チェロと同じく、わたしがカメラらしいカメラを持ち始めたのは近年のこと。
重さを嫌ってあくまでもニコン1にこだわってはいますが、それでも
写真を撮っているときはカメラの重量を受け、かつレンズを操作するため、
かなり不自然なねじりの姿勢を強いられるのが左手です。

しかも、その間アドレナリン噴出の状態なので、平常ならば「あーしんど」となって
休憩するところ、夢中で撮り続け、そのままの姿勢を続けていれば
筋肉に不具合が来てもおかしくありません。

胸郭出口症候群とは、頚肋、鎖骨、第一肋膜などや前斜角筋、中斜角筋、小胸筋などに
圧迫・牽引されることで起きる症状の総称だそうです。


これもチェロと一緒で、アマチュアの悲しさ、体の使い方というか、
基礎ができとらんため、日頃使っていない筋肉に無理がかかったということなんでしょう。


主治医からは当分チェロとコンデジ以外のカメラは使用を控え、
患部にバンテリン(なぜバンテリンでないとダメなのかはわからないけど)貼って
様子を見るように、と言われてしまいました。\(^o^)/

折しも骨膜に働きかけるタイプのマッサージ兼整体をしてもらっている
カリスマ美容家の施術を昨日受けてその旨相談したところ、左手を触った途端、

「肘から先がすごいことになってます!」

というわけで、彼女に患部を緩めてもらい、バンテリン貼ってストレッチを行い、
まだまだ終わらない自衛隊関係行事参戦に向け、主治医に内緒で備えるわたしでした。

カリスマによると、カメラマンという仕事は筋肉を酷使するので、
本職には「もう全身ボロボロ」状態の人も多いということです。
わたしと違ってあんなゴツイ機材を操作するので、さもありなん。



さて、そんなわたしが体を張って写真を撮ったった入間航空祭、続きです。
ロートル部隊の意地をかけた(たぶん)華麗なT-4のフライトに続き、
主に救難を目的とした輸送隊の飛行展示が行われました。



CH-47J、空自迷彩のチヌークが滑走路をタキシングして離陸準備を行います。



UH-60Jも、CH-47Jと共に何か展示を行うようです。

ところでヘリの写真を撮る時には、何かパフォーマンスをしていない限り
ローターの動きを止めないように、シャッタースピードを250/1以下にして撮るのですが、
ほとんどが
画質が粗くなってしまうのが困りものです。

まあ、わたしの場合、写真の出来そのものを評価してもらおうとも別に思っていないので、
ヘリが何か始めたら、潔くシャッタースピードを上げてしまいます。

 

この時もワイヤーが下されたので、ローターの動きの方はきっぱり諦めました。
おおっと思っていると、二人の隊員が同時にリペリング降下を行いました。



見ているだけなら簡単そうですが、このリペリング降下を行う隊員はもちろん、
ヘリを一定の位置にホバリングさせ、降下員が地上に達するまで空中に微動だにせず、
どんな強風の時でも安定させているのは簡単に見えて決してそうではないということです。

「ライジング・サン」で新海3曹がそう言ってました。




つづいてストレッチャーの降下を行います。
地上で何が行われたのかはわかりませんでしたが、この状況から
おそらく二人の隊員によって救難活動が行われたという設定でしょう。



あのー、ヘリから体を乗り出している人は安全ベルトつけてるんでしょうね?

 

おおっ!いつの間に!
ストレッチャーには、じゃんけんで負けたに違いない怪我人役の隊員が乗せられ、
ヘリに引き上げられようとしております。




というわけで救難訓練展示終了。
終わった後は必ずお辞儀をして去る、いつもながら礼儀正しい奴です。



続いてCH-47Jが張り切って登場。

人を輸送している時には決して行わないような飛行を行って、
見かけの割に駆動性が機敏であることを強調しています。



一旦地面近くの低空にホバリングして、その間地上員が荷物を牽引させ、

その後空中に持ち上げて見せてくれます。
本日は当たり障りのない木のコンテナですが、武器はもちろん榴弾砲、
車両くらいなら楽々牽引できてしまうのです。

陸自の降下始めではFHなどふっつーうに降下させていますよね。
たしか前回(2013年)と前々回(2012年)、荷物には「がんばろう」「日本」
と書かれていて、震災後のメッセージとなっていたのですが、今年はそれはありませんでした。



これはわたしのカメラを構える姿勢がゆがんでいたのではありません。

CHのパイロットが張り切って飛んで機体が大きく傾き、荷物を振り回すことになったのです。
冒頭写真もこのときのものです。



床の部分のハッチが大きく開けられていますが、これは

牽引している荷物がなんかの弾みで落ちたりしないか見ているんですね。

たしかに、目的地に着いたら荷物がねえええ!
ということなど、我らが自衛隊において、あっていいはずはありません。



というわけで、牽引パフォーマンスを行った機体番号496が展示を終えて帰って来ました。


ところでチヌークのノーズに二本触覚のように出たものは何?
こんなところにあるからにはやっぱりピトー管でしょうかね。



一緒に訓練展示を行った500番機も帰って来ました。



こちらに正面顏を向けてくれたCH。
ちょうど正面から見ると、機体の下部に黒い器具が二つあるのがわかりますが、
これが先ほどまで荷物を牽引していた貨物フックです。



なぜかみんなで右側を見ているの図。
コクピットではどんな会話が行われているのか気になりますね。

右と左は正副操縦士であるのは間違いないとして、真ん中の隊員の役目は?


これはフライトエンジニアで、飛行中ずっとコクピットにいて機体に変化や異常がないか、
振動や音、臭いにいたるまで、神経を尖らせてチェックしているのが仕事です。

いわばパイロットが操縦という任務に集中できるように、総合的なこと、
たとえば天候や搭載する荷物のことや、高度、目的地の状況を把握し、
それに対応してパイロットの補佐をする、いわば女房役のようなものなのだとか。

このときも、フライトエンジニアが何かを指摘したため、操縦士たちが

そちらに注目した、という状況だったのかもしれないですね。


ところで、チヌークは機体の、船でいうと左舷側の窓の上あたりにも、
5本の角のようなものがあるのですが、これもピトー管みたいなもの?
先を一本のラインが結んでいることを考えても、アンテナだろうと思うのですが。

で、こんな大写しの写真が撮れてしまったので、ついでに調べたのですが、
後ろに向かって付いている拡声器みたいなものは、エンジン・スクリーンで、
後ろについているエンジン・ナセル(飛行機でいうカウリング。エンジンの覆い)と共に
エンジンに異物が入り込まないようにネットのような仕様になっています。



富士総火演が「火力の総合展示」であるのに対し、航空祭は
「航空機の展示」であるため、総火演では決して見られない、
駐機中の整備の様子を目の当たりにできるのが大きな特徴と言えましょう。

CH-47Jの展示が終わり、駐機するなり機上に一人整備員が上がって行きました。
どうもローター付近の点検を行うようです。
これは前後にあるローターの前部分で、画面右側がノーズです。



「ローターヘッドの詰まり、なし!」



こちらは後方のカウル?なのですが、こんな風に開けられるのか・・。
いや、望遠レンズで狙っていてこんないいもの見せていただけました。

その気になれば人一人くらい入りそうなスペース?



んなこたーない(笑)
整備のために中が見られるようになっているだけでした。

彼の下側では先ほどのナセル部分を開けて中を点検中。
シルバーのドラム缶状のものはエンジンの排気ダクトです。



ローターの根元にはローターヘッド・フェアリングというものがあります。
これもカウルやナセルのように空気抵抗を減らすために被せるカバーです。
そこに見えている「NO STEP」の文字。
常識的に考えてこんなところに立つ人もいないでしょうが、一応注意書きしてあります。



機体に記されていた航空救難団のスコードロンマーク。
航空救難団は航空総隊隷下の捜索救難のための組織で、
ここ入間に司令部を配置しています。

これらのCH-47Jはヘリコプター空輸隊 (Helicopter Airlift Squadron)の所属機で、
災害派遣時には要救助者の救助、急患空輸、被災者の空輸および物資の空輸を行います。

あの東日本大震災のときに、消火活動のために200回以上の空中散布を行ったのも、
ヘリコプター空輸隊のCH-47Jだったということです。


入間航空祭の飛行展示、まだまだ続きます。