ネイビーブルーに恋をして

バーキン片手に靖國神社

外来機帰投と「やわらかC-1」〜平成27年度入間航空祭

2015-11-14 | 自衛隊

戦い済んで日が暮れて。
20万人の観客(プラス近隣住民と外で見ている人)の視線を
その飛翔と駆動に釘付けにしたブルーインパルスの演技も終わりました。

入間航空祭のイベントはこれを以って全て終了となります。

あとからプログラムを見ると音楽隊の演奏会や那覇基地からの「エイサー」、
入間修武太皷やわざわざ佐渡分屯基地からの「鬼太鼓」演技など、
例年どこでやっているかもわからないまま終わってしまう催し物に混じって、

「警察犬訓練展示」

というのが行われていることを知りました。
うわー、これ見たかったなあ。
入間基地には実は

中部航空警戒管制団 基地業務群管理隊 警備小隊歩哨犬管理班

という部隊があるらしいんですが、これ自衛官が犬の訓練をするわけ。
空自は知りませんが、海自の警備犬はなんと軍階級を持っているそうです。
しかもそれが「2曹ないしは3曹」

するってーと何かい?
海自には犬より階級が下の人間様じゃなくて自衛官が普通にいるってことかい?
そしてやはりポチ3曹に海士は敬礼するのか?!

ちなみに警備犬・歩哨犬のシステムを持つのは海自と空自で、
なぜか陸自には犬はいないそうです。理由はわかりません。



さて、プログラムには一応ブルーインパルスの演技の後に

「F-15&F-2帰投」

と書いてあります。



わたしが招待者席を出てエプロンを歩いていると、
いつの間にかF-15が帰って行ってしまいました。



Fー15はこの後会場をパスしてから帰って行きましたが、
ちょうどそのとき取り込んでいて写真は撮れませんでした。



続いてF-2がタキシング。



ところで、わたしの近くに二人連れの装備がっつりカメラのおじさんズがいたのですが、
そのうち一人はなんと航空無線を傍受することのできる受信機を持っており、
管制塔とパイロットの会話を聞いたりしていました!

おじさんたちが手に持っている時には聞こえなかったので、
バッグの上に無造作に置かれている時に、わたしはじりじりとにじり寄って、
写真を撮るふりをしながら(笑)聞き耳を立ててみたのですが、
ちょうどそのとき、帰投するF-2と管制塔の交信が入っていました。

専門用語を記憶するほど聞き取れなかったのは残念ですが、最後に
管制官(女性)がお別れの挨拶をすると、きりっとした声のパイロット(若かった)が

「どうもありがとうございました。さようなら」

と飛びながら(この写真の直後)告げたのが印象的でした。
飛行機と管制塔の間でも専門用語だけでなく、こんな挨拶を交わすんですね。



さて、この後の帰投は、プログラムにないため、順不同です。
チヌークさんとチェッカーズはここの所属機だからもうおやすみモード。



F-5ドルフィンズも整備終了〜。



コクピットに梯子がかかっているのは明日の飛行作業のためかな?



大型機を牽引する車両だと思います。
さりげなく3人乗りなのがすごい。



海自のSH-60は帰投準備中です。

後ろに見えているマンションですが、去年の航空祭の時には工事中でカバーがかかっていました。



P-3Cオライオンが移動中。これから下総基地に帰ります。
多分飛行所要時間は20分以内だと思う。



ヒューイくんも帰投準備。



OH-1ニンジャももうすぐ飛び立ちます。
ヘリの帰投は手軽というか、話が早い。

これら外来機は航空展示を行うためだけにやってきます。



カイユースの周りに空自の整備員がたくさんいますが、
全員が頭につけているヘッドフォンが赤黒、黄、青と色とりどり。
ミッキーマウスみたいで後ろから見るとかわいいです。



前列のカメラ隊は一向に動きません。
このころから場内は繰り返し

「今日はブルーインパルスの帰投は行われません」

というアナウンスが流れました。
この日、どこかの飲食店でブルーの隊員の打ち上げに遭遇した、という
なんとも羨ましいご報告をコメント欄でいただきましたが、
彼らはこの日帰投せず、次の日陽が高くなってから帰ったようですね。
 

ちなみに演技が終わってから、隊員にはミス航空祭からの花束贈呈が行われたようですが、
案の定わたしの席からは機体すらみえていませんでした。



防衛大学校の学生さんが(制服なのでおそらく1年生?)いたので、
飛行点検隊のハンガーを撮るふりをして一枚。

ちなみにこの日、親に連れてこられた子供達はいっぱいいたわけですが、
「早く帰ろうよおおお!」とぐずる男の子がいるかと思ったら、

「ヘリコプター見たい!ヘリコプター見たいよおおお!」

と叫んでいる女の子がいたりして、同じ子供といっても、
趣味や指向傾向に基本男女差はないのだなあと思わされました。



さて、ヘリコプター帰投1機目は海自のSH-60Kでした。
帰投先は横須賀かな?



人垣の中から浮かび上がるOH-1。



ニンジャくんはいつもお辞儀をしてくれるんだけど、今回はどうかな。



あれ?案外そっけないのね。
テールの先のランプがキュート。



ヒューイ、UH-1が浮き上がりました。
後ろの隊員は窓から身を乗り出して後方を確認しています。



なんかいままでになく観衆が熱心に手を振ったりしているのはなぜ。
と思ったら、後方を確認していた隊員が窓を閉める前に
みんなに向かって手を振ったためでした。



OH-6、フライングエッグことカイユースも浮上。
テールについている紅白のペラがまるでリボンみたいでかわいい(笑)



カイユースなら・・・カイユースならやってくれる!



正面向いて・・・。



深々とお辞儀。
おい、みんなもう少し見てやれよ(T_T)



丁寧にお辞儀をした後はプルプルと可愛らしく行ってしまいました。



ところで、招待者は専用のバスで入り口まで帰ることができ、わたしなど
帰りは楽でいいわと思っていたのですが、写真を撮っているうちに招待者席は誰もいなくなり、
それどころか、その方向からはロープを持った隊員たちが、まるで追い込み漁で
でクジラやイルカを追い込むように、人をエプロンから出口に追いやっているのでした。

こうでもしないと、いつまでも誰も帰らないからですか。



P-3Cの帰投を見てから帰ろうと思っていたのですが、わたしも
追い込み漁で追いやられたため、帰ることにしました。

ところで、入間航空祭シリーズの初日に予告編としてアップした
あの衝撃的な画像について、もしかしたらブルーインパルスの演技より
楽しみにしていたという人も中にはいるかもしれません。



どおおお〜っ!(効果音)

この画像を上げたところ、さっそく打てば響くように

航空自衛隊の最新鋭ちょー最高機密兵器「やわらか戦車」の空自版「やわらかC1」

であるという解説を匿名の軍機でいただきました。さらしてるけど。

その機体の柔らかさは敵のミサイル・弾丸に当たっても、柔らかいので
衝撃を吸収してしまいへっちゃらだとか。
最高機密は空中で飛行機のくせして「後ずさり」ができるとか。
勿論、胴体の膨らみ部分にはキャタピラを収納してます。


♪ や〜わらかシーチのね〜がいはひとつ、
   生きのびた〜い 生きのびた〜い ♪

というテーマソングが聞こえてくるようではありませんか。



行きはバスだったので気づかなかったのですが、航空自衛隊、
こういう渾身のジオラマを入間基地総力を挙げて作っておったのです。

まず、芝生で描かれた「ENGINE」という大直球のロゴ。
なにがエンジン?

やわらかC-1の前には「イルマベース」の表示があります。
どうやらこれはバトルフィールドを再現しているのか?



夕刻の激しい風に煽られまくっていた航空機はU4と向こう側のF-2。

いましも空挺降下せんとするバルタン星人!



迎え撃つ地上軍はウルトラマン(セブンかな)が指揮隊長です。
空挺によって我が陣地を攻略しようとするバルタン星人部隊を歩兵で撃退しようというのです。



さらに詳細を見てみましょう。

あっ!パンダです!パンダが2頭います!

これは、1年間に数億のレンタル料を払ってまで中国に押し付けられたパンダを
人質じゃなくてパンダ質に、有利な交渉をしようというのでしょうか。
それとも盾に猫をくくりつけてエジプト軍と戦ったペルシャ軍みたいなものか?

パンダがかわいそうで攻撃できないあるヨー!
・・・って、バルタン星人はそもそも中国人民軍なのか?


更によく見るとTーレックスと普通のワニ、
戦場になった牧草地で
草を食んでいる牛さんもいます。
自分たちの安住の場が戦場になってしまった牛さんの心痛やいかに。



ダイヤモンド隊形で匍匐前進を行う小隊あれば、
突撃の果て
草生す屍となって大地に斃れる兵あり。

嗚呼・・・・・って、よく見たらなんで白くまとかキリンとかサイがいるんだよ!
ここは動物園か?群馬サファリパークか?



・・・とこのように、制作した隊員の遊び心溢れる、カオスなジオラマでした。
日本はとにかく平和であると実感できた気がします。


ここから出口にたどり着くまでの間、何人かの自衛官は来場者の求めに応じて

一緒に写真に収まるというサービスを行っていました。



片付け中、年頃の女性たちに声をかけられた空士くんたち。
こんなことがあると基地祭は隊員にとっても励みになりますね。

さて、このあと、池袋行きの西武線に乗るのに、だいたい1時間くらいかかったでしょうか。
去年より9万人、「空飛ぶ広報室」の年の32万人より12万人も少なかったとはいえ、
20万人の人々がほぼ同じところから帰っていくのですから当然です。

このあとわたしは最寄駅前に駐めた車に乗って、眠気と戦いながら帰宅しました。



そうそう、大事なご報告があります。
招待者にはもれなく(かどうか知りませんが)こんな袋をいただきました。
中にはパンフレットと、



のし紙のついたこんな箱が入っていました。
C-1饅頭かF-15撃!煎餅かしら、と思って開けてみると、



どおおお〜ん(効果音)

雷神風神と「入間基地」という文字をあしらったった豪華写真立てが!
これ、プラスチックなんかじゃないの。ちゃんと塗りなんですよー。

うう、とにかくありがとう航空自衛隊。
やわらかC-1の写真でもプリントアウトして入れて記念にしますー。


というわけで、入間航空祭シリーズ終わりです。
ご愛読ありがとうございました。