お友達が、お母さんからいただいた指輪をリフォームしようとしていた。
相談された私は、以前利用したことがあるお店を紹介、一緒に行って相談した。
ほぼ彼女の気持ちも決まったけれど、もう一軒行ってみるつもりだった。
2件目のお店は、私がいつも修理をお願いするところ。
私がチェーン交換をお願いしていたネックレスが出来上がるのを待って、そちらに行ってみた。
そこでわかった衝撃の事実。
お店の方が、彼女の指輪をスコープで覗き込んだあとで、何やら太めの電子体温計のような道具を出してきて、先をダイヤに当てた。
そして、いいにくそうに言った。
「あの~、どうもダイヤじゃないみたいなんですよ」
「えええ~~!ダイヤじゃないんですか?!」
思わず口が揃ってしまった
「本物だと、ピーっと鳴るんですけど、鳴らないんですよ、ほら。きっとガラスですね~」
と、そのダイヤモンドテスターをダイヤに当てながら言った。
そして、次にそれを、彼女が指にしていた指輪のダイヤに当ててみる。
ピーっと鳴った。こちらは本物だ。
何とも驚きだった。
確かに、あまり質の良いダイヤじゃないということは、彼女も、私もわかっていたけれど、まさか偽者とは。
珍しいくらい輝きのないダイヤだと思ったのは確かだけれど、プラチナ850の台に偽者が乗っているなんて、普通ないでしょ。
でも、ダイヤが偽者だったという事実を知って、更に驚いたことがある。
先に行った店でわからなかったのだろうか?いや、わからないはずがない。
ガラスだと知りながら、リフォームの話を進めたのだ。
もちろん、本物ですか?と訪ねたわけではないから、彼は嘘を言ったわけではない。
リフォームを依頼されたから引き受けただけだ、ということになるのだろう。
でも、それって、あまりに不誠実。倫理的には許されないんじゃないだろうか
ガラス玉をプラチナ台に乗せて高い工賃を受け取ることに良心が痛まないのだろうか。
もし、本物だと信じていたというなら、プロの資格はない。
自分が以前利用した店で、こんなことがあるなんて、かなりショックだ。
もう二度と利用しないだろうな。
ガラス玉をプラチナ台に乗せて、といえば、もともとそうなっていたわけだけれど、彼女のお母さんが一度、すでにリフォームをしたことがあるのだそうだ。
そのもともとの台も、見てもらうと、PM650と刻まれているのだそうだ。
プラチナは普通PTだけれど、外国ではPMと刻むこともあるそうで、PT650ということだそうだ。
日本ではPT850以上をプラチナと呼ぶから、
「プラチナとは呼べないんですが、今なら高騰してますから、少しでも入っていれば買い取るところもあるかもしれませんね~」
とのことだった。
ということは、前にリフォームした店も、ガラスだと承知でプラチナ850の台に乗せたわけだ。
どういうことなんだろう???
宝石職人の倫理観ってどうなってるの?
元はと言えば、お母さんがだまされたということになるのだろうか?
入手した事情をさりげなくきいてみようかなと、彼女は言っていたけれど、ガラスだったことは言わないそうだ。
そうだろうな、とっても言えないよね
宝石とは縁が無い私、
そういうテスターがあるのにも
ビックリしました~。
便利なものがあるものですね。
私の周りには、宝石好きの人が多いです。
宝石といっても、お高いものではなくて、ほんのささやかな物を自分へのご褒美、という感じです
アグアマリン、ピンクトパーズ、アレクサンドライト、エメラルド、ルビー、サファイヤ、オパール、ネコ目などです。
当時、トルマリンは、宝石のカテゴリーには含まれなかった時代です。
ダイヤモンドだけは、手が出ませんでした。
ネパールに出張する機会があったとき、胡散臭い宝石商のところに行って、ロシア製の偽ダイヤを、一個5ドル程度だったか、で5個買いました。偽といってもかなり出来がよくて、わざわざ偽と判別できるように放射線でカラーがつけてありました。という説明で、事実かどうかもわかりません。
その偽物でも、細君は本物の他の宝石と同じように大事にしてくれています。
この胡散臭い宝石商は偽物専門販売で、最初からそう言って商売をしていますので、案外正直だったかもしれません。
若いサラリーマンが、愛妻のために宝石を選んでいる姿、微笑ましいです。
それにしても、よく宝石の名前をご存知ですね。
男性は、自分で買っても、それが何か知らないというより忘れてしまう人が多いです。
ほら、あの赤いやつ、見たいな感じで。
通りすがりさんが、奥様のために心をこめて選ばれたから、憶えてらっしゃるのでしょうね。
ネパールの偽ダイヤモンド、なんだかロマンチックです。
本物といっしょに大事になさっている奥様、素敵です。
実は、夫が大昔に買ってくれた金の指輪を売り払おうと思っていたのですが、考え直しました。
大事にとっておくことにします