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中学校の頃、「バンのみやげ話」という本が大好きだった。
図書室で借りて読んだ。
著者は「コタンの口笛」の石森延雄さん、挿絵はやなせたかしさん。
今はもう絶版になっているらしい。
少し前に「旅の短篇集」を「春夏編」、「秋冬編」と続けて読んでいて、
どことなく似ているような気がして、思い出したのだ。
旅人バンの、中東やヨーロッパの国々を旅して人々との出会いや垣間見た風景などを
描いているのだけれど、1ドル360円の時代だ。
一般庶民が海外旅行にでかけるなんて夢だった![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/airplane2.gif)
だからなおさらのこと、外国を旅することへのあこがれは大きくて、
バンの旅の話を、わくわくしながら読んだ。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ship.gif)
ぺージをめくるたび、異国の風が吹いてくるようで、なんとも魅力的だった![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hamster_2.gif)
娘が小学校の高学年になったころ、自分が好きだったその本を読ませたくて買って与えた。
私が読んだのとまったく同じ表紙、手に持った感じも同じ本だった。
彼女の部屋の本棚に、まだ並べてある。
それを手にとって、懐かしさにぱらぱらめくってみた。
そして奥付きを何気なく見て、しばし呆然としてしまった。
昭和50年11月24日第1刷発行
昭和55年8月27日第2刷発行
となっている。
それがどうしたのかというと、
娘のために買ったこの本が昭和55年発行の第2刷なのは当然だ。
なら、私が読んだのは昭和50年発行の第一刷ということだろうか。
でも、その頃、私はもう結婚していて、娘も生まれていた。
どういうことかしら?
その前に違う出版社からでていたなら、装丁が違うはず。
中学生の時読んだというのは、私の記憶違いなのかしら?
だとしても、大人になって結婚までして、児童書を図書館で借りて読むだろうか?
しかもその記憶がないなんて・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_6.gif)
すっかり混乱してしまった。
おかしい、絶対おかしい!
そこで、Wikipediaネット検索してみると、わかった。
「バンのみやげ話、東都書房、1961 のち角川文庫」
となっている。
そうか、中学生の頃私が読んだのは1961年に東都書房から出版されたものだったのか。
でも、我が家にあるのは、講談社出版で、まったく同じ装丁の本なのだ。
そこで、東都書房を調べてみると、講談社の、かつて存在した子会社だそうだ。
ということは、東都書房はすでにないということだ。
そうか、それで、まったく同じ装丁のまま講談社から再出版されたわけなのね。
東都書房から講談社へ、さらに角川文庫へと引き継がれたのだろう。
Wikipediaの情報は講談社を飛ばしているのだと思う。
気分はすっきり、一件落着![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_2.gif)
さて、ついでにもうひとつ驚いたことが![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
著者と画家紹介の欄に、石森延雄さんとやなせたかしさんの現住所が
今でいう枝番までしっかり記載されているのだ。
昔は現住所を記載しても何の不都合もなかったのね。
個人情報保護法なんて、影も形もなかった時代だったものね~。
今じゃ考えられない。
やっぱり昭和って良い時代だったのね~![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/panda_1.gif)