庭の雪が解けた頃、家の形をした鳥の餌台を買って来て、ミズキの枝に下げた。
夫が、餌やビスケットを砕いたものと水をそこに置いたら、早速スズメがやって来た。
餌をついばみ、翼をやすめて、雨の日には雨宿りをしている。
なんとも可愛らしい。
ところが、餌を狙ってカラスもやってくる。
餌台は小さいし、屋根が邪魔して、カラスは止まれない。
止まれないけど、止まりたい。
何とかとまろうと、端っこに足を引っ掛ける。
すると、カラスの重みで餌台が揺れて、餌がこぼれてしまう。
それを見ていた夫が、カラスを追っ払いにわざわざ外へ出て行く。
「いいじゃないの、カラスだって鳥でしょ」
と言うと、
「いや、カラスはダメ!」
と、断固として敵視
同じ鳥なのに、カラスは目の敵にされている。
サッカー日本代表のシンボルはカラス。
八咫烏という3本脚のカラスだ。」
神武天皇の道案内をしたという。
きっと大昔から人間に近しい生き物だったのだろう。
それなのに、どうしてカラスは嫌われるのか?
黒いから?大きいから?
確かに、間近でカラスを見ると、その大きさと黒さで、ちょっと怖い。
一本道で前方にカラスがいたら、思わず立ち止まってしまう。
でも、嫌われる理由の一番は、ごみを漁るからだろう。
では、なぜごみを漁るのか?
利口で、体力があって、その能力があるから。
スズメなら、せいぜいおこぼれを貰う程度で、漁るまではいかない。
というより、あの小さな体ではしたくてもできない。
とんびもよく上空を飛んでいるけれど、ごみを漁りに降りては来ない。
住み分けができている。
人間の領分に堂々と入り込んでくるカラスは、小憎らしい。
それは、カラスに人間の社会に割り込む能力があるから、と言えるのではないかしら。
それゆえに嫌われるのかも。
とはいえ、カラスはそんなこと気にしないわね。
人間は餌を作り出す道具くらいにしか思っていないのだろうな
あ、また庭を横切った。大きな黒いものが、サーっと。
やっぱり、目障りかな~。
。