ここ数日、久しぶりに雪かきから開放される日が続いている。
それでも道路の両側にうず高く積み上げられた雪は、除雪が間に合わずそのまま残っているから、視界は極めて悪い。
道を横切るのも命がけだ。
昨日、かろうじて車一台がやっと通れる中道をのろのろ走っていたら、大きな雪山の陰から男が二人現れた。
常にそういう事態に備えて運転しているから慌てずブレーキを踏む。
目の前を横切っていく彼らは、なにやらブルーシートに巻いた物体を運んでいる。
両端を持ってたわんだ中ほどを引きずって、雪の上を無言でもくもくと滑らせていく。
何だ、あれは?
大きさといい、形といい、怪しい
絨毯の中に潜んでシーザーの元に運ばれたクレオパトラを思いだした。
でも、中がクレオパトラなら引きづったりしないだろうな、なんてバカなことを考えているうちに、彼らは雪山の向うに消えていった。
それにしても、あれは何なんだろう?
夜中に見たら、絶対死体だ!と興奮するところだ。
家に帰るとお向かいの奥さんが雪かきをしていたので、少し立ち話をした。
話題は当然この異常なほどのドカ雪。
そこで、奥さんが言う。
「ごみトラックも中通りに入れなくて、ごみステーションから人がいちいちトラックまで運んでいるらしいわよ」
ああ、そうだったのか
たくさんのごみを一度に運べるようにブルーシートに載せて、落とさないようにくるんでいたんだ。
わかってみたら、何てことない。
われながら、サスペンスの見すぎだ
私は初めて見たから驚いたけれど、ごみトラックが中通りに入れないことは今までもあっただろうから、そう珍しいことではないのかも知れない。
収集のかたがたも大変だなーと改めて思う。