国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日本がウラン濃縮をロシアに委託:軍事覇権国ロシアを中心とする新たな世界的核管理制度への移行?

2007年02月22日 | ロシア・北方領土
2007年2月21日に読売新聞などが報道した「日本の使用済み核燃料のウラン濃縮をロシアに委託する計画」は、もし事実とすれば従来の国際金融資本の日本支配を決定的に覆す画期的なものである。今後のロシアは世界のウラン資源・プルトニウム資源の管理を一手に引き受け、新たな核管理体制の盟主となるのではないだろうか?そして、日本の持つ核変換技術を組み合わせることで、使用済み核燃料に含まれる危険な放射性同位元素の安価で安全な処理も可能となることだろう。核開発を行っている諸国は、多量の放射性廃棄物や使用済み燃料の処理方法に頭を痛めている。これらの廃棄物が日露の技術で安価に処理し、更に新たな核燃料の抽出まで可能となれば、日露連合以外の原子力ビジネスは事実上商業的には存在し得なくなるのだ。将来的には、全世界の老朽化した核兵器の処理や核爆弾用ウランの供給の引き受け、更には「全ての大国が核武装することで世界平和が可能」という構想を実現するために、核兵器の保有を新たに希望する地域大国(日本を含む)へも日露連合(あるいはロシア単独)が核爆弾用ウランの供給を行うこともあり得るかもしれない。世界の大国全てが核武装するならば、その大国に挟まれた小国は自分も核武装しようとは考えなくなるだろうと想像されるからだ。 現在、イランの核開発問題を巡って米中露+英仏独の六カ国協議が続けられているが、その落としどころは「ロシアがイランに核燃料を供給し、使用済み核燃料の処理も引き受ける」という案になりそうである。イランと米国の軍事対立は実は冷戦と同様の茶番であり、本当に対立が起きているのは国際金融資本・英国・イスラエル連合と独仏露日+米軍の反国際金融資本陣営の間であると思われる。日本・ドイツ・イタリアなどの先進国の大国、イラン・サウジアラビアなどの産油国の大国、ブラジル・インドネシアなどの途上国・中進国の大国を含め、現在核武装していないあらゆる大国を含めた新たな世界的核管理システムへと現在の核拡散防止条約体制が移行し始めている様に思われる。それは、五世紀間継続した国際金融資本の世界覇権がロシアを中心とする反国際金融資本陣営へ移行することを意味するのだろう。そして、巨大な核軍備と陸上兵力を有するロシアが世界覇権の軍事部門の中核になることは間違いないだろう。 . . . 本文を読む
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