POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 12月26日、きょうは「ヒルトン」から「ホテル・ニッコー・クアラ・ルンプール」への移動です。朝起きると、まずは朝食会場での食事です。朝食会場に入るとすぐに大きなサンタクロースの像があります。クリスマスはキリスト教圏のお祝いと考えていましたが、イスラム教圏でもお祝いの行事なのですね。ヨーロッパに起源を持つ「クリスマス」は、もともとは風習だったのですから、これも許されるのかも知れません。



 ここの朝食は、合格です。レベルが高い。美味しいし、品数も多い。コーヒーも美味しい。以前は、日本を出てしまうと美味しいコーヒーに出会いことはとても少なかったのですが、最近では日本で美味しいコーヒーに出会うことが少なくなったのに反比例して、東南アジアで美味しいコーヒーに出会うことが増えました。喜んでいいのでしょうか。悲しむべきなのでしょうか。

 ヌードル・コーナー(THE NOODLE ROOM)にはオープンキッチンがあって、自分の好みの麺(3種類)を選択して「ラクサ」を作ってもらえます。このラクサ、とても満足のいくものでした。今回の旅では、ラクサは、シンガポールの「ビボ・シティ(VIVO CITY)」の「トースト・ボックス(TOAST BOX、土司工坊)」でさっそくいただいていたのですが、ここのはそれと比較してかなり美味しい。トースト・ボックスのものも決して味が劣るということはないのですが、ここのはダシがよく効いていて、入っていた鶏肉の美味しいこと!



 ヌードル・コーナーでは「チキンヌードル」も作ってもらったのですが、これは煮詰まってしまっていたのか味が濃い目でいまひとつでした。「なぜこんなにマレーシアの鶏肉はおいしいのかしら。」 その理由は、後からマレーシアに暮らす日本人から知ることになります。



 この味が保たれるようならば、またクアラルンプールに入る最初の日は「ヒルトン・クアラ・ルンプール」に宿泊して、食べ切れなかった他のメニューにも挑戦してみたいところです。宿泊コストが問題ではありますけれどね。

 「ホテル・ニッコー」への移動は、大きなバッグが2つあるので夫と相談してタクシーにすることにしました。そこで、まずは、ホテルのドアマンにタクシー料金を尋ねてみました。ホテルタクシーなら22RM(リンギット)くらいで、ホテル前で拾えば14RMぐらいなのだそうです。念のために、「ヒルトン」からほんの数分の「KLセントラル駅」にも行って、タクシー・チケット売り場で尋ねてみました。

「ホテル・ニッコーまでいくらですか。」
「お荷物はありますか。(タクシードライバーが車のトランクに積むバッグの数を聞いているようです。)」
「大きなバッグが2つ。」
「12RMです。」
「分かったわ。ありがとう。」

 2リンギット(60円ほど)の違いですが、クアラ・ルンプールではメーターを倒さないタクシー・ドライバーや故意に行き先を間違えるドライバーと揉めたことがあり、リスクを予め避けるには、タクシー料金を前払いしている「タクシー・チケット」という制度はいい方法です。さっそくホテルにとってかえし、バッグを運んできて、タクシー・チケットを購入して、アンパン・パーク周辺に移動です。「KLセントラル」から「ホテル・ニッコー」まではかなり遠い。



 ドライバーは中国系。インド系に反感があるらしく、クアラルンプールはインド系にはそうでないかも知れないが俺らには住みにくい、やはり住むには田舎がいい。インド系の奴らは、ソフト開発で金をたくさん貰っているから、こんな高いビルが立ち並ぶ、緑のない、空気の汚れたクアラルンプールに住んでいられるんだ、、、などという言葉が飛び出してきます。

 人間、虫の居所が悪いときもあるものです。私がクアラルンプールはいい街で、私は大好きなんですよ、と最初に言ったのがお気に召さなかったようです。この反応は、数年前シンガポールでやはり同じ中国系の運転するタクシーに乗ったときと同じものでした。「シンガポールはいい街ですね。」「No money, no good.(金のあるやつにはね。)」 私たちは、淡々と話しに参加し、客観的に相槌を打ち、そのうちにタクシーはホテル・ニッコーに。

 昼食は、ホテル・ニッコーのすぐ近くにある「PNB ダービー・パーク」というホテルが入っているビル(PNB DARBY PARK COMMERCIAL CENTRE)の3階にある韓国料理の店に行く予定でした。しかし、ホテル・ニッコーでもらった部屋が「禁煙ルーム」であるはずなのに、入ったすぐにタバコの臭い。どこからかタバコの臭いが入り込んだのでしょうか。禁煙ルームなのにタバコを吸った宿泊客やその来訪者がいたのでしょうか。ルーム・チェンジを要求したので、時間を使ってしまいました。韓国料理の店に着いたときには、昼の営業時間を過ぎてしまっていました。客はいたのですが、もうオーダーはストップしているということで諦めざるを得ませんでした。

 代案を考えてはいなかったので、2階の中国料理の店に向かいましたが、ここも追い出されました。1階に下りてくると、地階に「フード・コート」があるとの表示。飢えた我が子「健人」の空腹を満足するために、さっそく地階へ。完全にローカルな雰囲気の店が幾つか並んでいます。しかし、並んでいるのは辛そうなものを出す店ばかり。その中に「OODLES(ウードルズ)」というパスタの店があります。これならば、健人にも食べられるだろうと注文したところ、奥から日本語を話す人が出てきました。

 その人はこの店の共同経営者の「伴野正道」さん。いろいろとクアラルンプールで美味しい店を紹介してもらいました。その話の中で出てきた「クアラルンプールのチキンの美味しい理由」。

伴野さん「原則として、客に出されるチキンはその日の朝まで生きていたやつなんですよ。」
私「美味しいのは新鮮だということなんですね。」
「そうです。でも、豚肉は美味しくないんですよ。」
夫「それはなぜなんですか。」
「宗教の問題ですね。ムスリム(イスラム教徒)は豚肉を食べないから、流通する量が絶対的に少ないんです。」
「だから、質を問える状況にはないんですね。」
「あとは契約の問題がありますね。フード・コートは原則として、ハラル(イスラム教の一定の作法に従って、食材の選択が行われ、加工され、調理されたもの)を出さないといけないんですね。」
「なるほど。イスラム教は「豚」はタブーですからね。」
「ええ。契約でそうなっていなかったとしても、例えば、フード・コートで中国系が店を出したとしますね。ムスリムは食器の片付けもしてくれないのです。」
「四面楚歌といった感じになる、、、」
「そういうことです。うちも当然ハラルです。」



 夫にかかれば旅行も学問の場。調べて、観て、尋ねて、情報は複数で確認、と言ってまた尋ねて、、、こうしないと旅行は楽しめないのだそうで、変わり者の夫を持つと疲れます。私としては美味しいものを食べたいだけなのですけどね。

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