
ベトナム語は、
(1)表記では、アルファベットであること
(2)語彙では、中国語からの外来語である漢越語が多いこと
(3)文法では、語形変化がなく、基本的な文法事項も簡単なこと
(4)発音では、頭子音の多くが日本語と似ていること
以上の点から日本人にとっては学びやすい言葉です。
と記述してあるベトナム語の入門書があります。これを信じて、今回のベトナム縦断旅行では、ベトナム語を少しでも読めて、話せるようになりたいと考えたのですが、どうもそうではないようです。
図書館からベトナム語の本を借りてきました。「くらしのベトナム語ハンドブック」(国際語学社)という書名で、著者は東京外国語大学を卒業し、外務省に入省して、サイゴンやハノイでの勤務を長年経験した人のようです。
その中の記述です。
日本人にとって、ベトナム語のどこが難しいかというと、これは間違いなく、「発音」である。日本語にない母音や子音が多いのに加え、6種類もの声調があるのはお手上げである。
外国語を学ぶとき、「日本語にない母音や子音」が出てくるのは当然で、日本語とそっくりな音韻体系をとっている言語などはありえません。どの外国語でも、その音韻体系を学んで、発音し、聞き取ることができるようになるには大変な努力が要ります。
しかし、それが「多い」のは確かに辛い!

日本語をはじめ、多くの言語が「声調言語」ではありません。でも、タイ語、中国語(北京語、広東語など)、ベトナム語などは音の高低の変化で、同音異義語を区別する声調言語です。中国語は学習者が多く、声調言語というものがあることはかなり知られていると思います。
しかし、それが「6種類もある」のは私のような音程に対する「耳」を持たない者にとっては、習得の高い壁になります。
著者「皆川一夫」は続けて言います。
中国語やタイ語にも声調があるが、ベトナム語の場合、こうした他の声調言語に較べ、声調全体の上下の幅が小さく、どうもその分、声調が小刻みで判別が一層難しくなっているようだ。
この本にはCDがついています。これから、本物の「音」を聞くことになります。さて、どんな印象を受けることになるのでしょう。
ベトナム語は、小鳥のさえずりや歌のようだと言われる。私は、ベトナム人が小鳥のように早口でしゃべる、その口元を唖然と見つめ、彼らの舌にはもしかすると小さなバネでもついているのではないかしらと、疑ったりするほどで、これではとても真似が出来ないと、諦めにも似た気持ちを抱いて、打ちひしがれた。
言語の専門の勉強をした人をもってしてもこれなのですから、「門外漢」の私にはどんなショックが待ち構えているのでしょう。
別の入門書にはこんな記述がありました。
ベトナム語の入門書は、今日ではかなりの数が出されていますが、ハノイを中心とした北部方言によるものが多いようです。ベトナムは言語、文化の面では各都市の独自性が日本に較べ強く、ハノイのベトナム語は必ずしも共通語として定着しているわけではありません。
えっ、何? 標準語のはずのハノイの言葉は、実は「方言」に過ぎないの?
語学留学や赴任、商用などでベトナム語に出かける人が多くなりました。これらの人々は、ハノイとホーチミン市のベトナム語のかなりの相違(中部のフエはさらに異なります)に多かれ少なかれ戸惑いを覚えるようです。方言の差が大きいのは書き言葉の面よりも話し言葉においてです。
かなりショックです。
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(この項 健人のパパ)
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