子音は、口の中で空気の流れをコントロールすることで作り出します。具体的には、舌・歯・唇または声門によって気流を妨げて、音を作ります。気流の妨げ方には、いくつかありますが、その中に破裂音(はれつおん)と摩擦音(まさつおん)があります。
破裂音とは、鼻腔を抜ける呼気と口腔を抜ける呼気を、舌・歯・唇または声門で閉鎖して溜め、それを瞬時に開放することで発する音です。
摩擦音とは、舌・歯・唇または声門で狭い隙間をつくって呼気を遮り、その隙間から無理に呼気を通すことで発する音です。
舌・歯・唇または声門のどこで閉鎖したり、狭い隙間を作るかで、歯茎音(しけいおん)、軟口蓋音(なんこうがいおん)などの分類ができます。
歯茎音は、上の歯茎に舌端を接触(破裂音になる)または接近(摩擦音になる)させて調音する子音です。
軟口蓋音は、後舌を軟口蓋に密着(破裂音になる)または接近(摩擦音になる)させて調音する子音です。
英語をご存知の方は、/t/,/d/,/s/,/z/,/k/は簡単に発音できると思います。ただ、対応する子音文字が、ご覧のように異なります。例えば、/z/は、“z”ではなく、“d”であり、/s/は、“s”ではなく、“x”です。
子音文字“g”と“gh”は、どう発音するか、見慣れない発音記号ですね。この音は日本語音にあるようです。最近の若い人は、英語音の影響で、「学校」の「ガ」を“ga”と発音するようになっており、50代以降の人のように“nga”と発音しません。だから、若い人には理解しにくいでしょうが、日本語の「グー」の子音要素です。調音場所は同じですが、“goo”の子音要素は破裂音で、「グー」の子音要素は摩擦音です。その音を無声化(=声帯を振動させない)したものが、“kh”です。
“g”と“gh”、同じ音を表すのに2種類あるのは、ga,ghe,ghi,go,gu(「ガ」「ゲ」「ギ」「ゴ」「グゥ」)と綴り、“gi”は、/z/と発音します。英語で「ギター」を“guitar”、「ゲスト」を“guest”、「ジンフィズ」を“gin fizz”、「ジェム(宝石)」を“gem”と綴るようなものでしょうか。
ベトナム語の子音文字について調べたことを述べてきましたが、発音段階で挫折しそうです。「ベトナム語には語形変化がないから、欧州言語と比べ、比較的習得しやすい言語である。」なんて書いてある本がありますが、うそだろ!
ベトナム語関連記事
「ベトナム語の語順 」(文法)
「ベトナム語の入力はオンラインで」(入力方法2)
「南部ベトナム語」(方言2)
「ベトナム語の入力は難しい」(入力方法1)
「ベトナム語は韓国語の仲間?」(内破音)
「ベトナム語は日本語の仲間?」(方言1)
「ベトナム語は日本語の兄弟?」(漢越語)
「不思議なベトナム語(5)」(摩擦音と破擦音)
「不思議なベトナム語(4)」(子音2)
「不思議なベトナム語(3)」(子音1)
「不思議なベトナム語(2)」(母音)
「不思議なベトナム語(1)」(声調)
(この項 健人のパパ)
| Trackback ( 0 )
|
|
お久しぶりです。
お写真を見る限り、とても元気そうでなによりです。
旅行の写真はとても楽しそうですね。
ヴェトナム、1度は行ってみたいですねぇ。
我が家は、皆元気にしております。(骨折した夫は、痛いと言いつつリハビリ中ですが)
ベトナムに行って、昔の日本もこうだったのでは、と思うことがたくさんありました。
プチパリと言われているようですが、私はイメージ違うような気がしました。
機会があったら訪問されると良い思い出になると思います。
刺繍や絵画などをみるとベトナム人の文化の深さを感じました。