Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

アンコール!!

2013年07月11日 | 2010年代 欧州

アンコール!! (原題:SONG FOR MARION)

2012年 イギリス
監督・脚本:ポール・アンドリュー・ウィリアムス
製作:ケン・マーシャル、フィリップ・モロス
出演:テレンス・スタンプ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジェマ・アータートン、クリストファー・エクルストン

気難し屋のアーサーは、最愛の妻マリオンの体調を常に気遣っている。
マリオンは、シニア合唱団“年金ズ”で歌うことが何よりの楽しみで、いつも明るく振る舞っている。
ガンを再発し、余命数ヶ月の告知を受けながらも、合唱の練習へ通い続けるマリオン。

そんな彼女が夫に向けて唄う「True Colours」(シンディ・ルーパー)、
そしてアーサーが妻を想って唄う「Lullabye」(ビリー・ジョエル)が心に沁みた。
単純に上手いとか下手っていう話じゃなくて、重要なのは歌詞でも表情でもなくって
とてもとても大切な人のために、とてもとても心を込めて唄って
それが聴いている人の心には確実に届くっていう情景をしっかり描いている。

合唱団“年金ズ”は、老人クラブながらロックンロールを唄うことを特色として
国際コンクールに出場することになるのだけど、その選曲が素晴らしい。
ストレートなロックンロールには走らず、ヒップホップにハードコア・パンク!
ソルト・ン・ペパの「Let's Talk About Sex」は、映画的に意表をつくためと推測されるとしても
モーターヘッドって!!
おばあちゃん、おじいちゃんたちが、Ace of Spades! Ace of Spades!! と弾けまくるっ。
にやけちゃいます♪♪♪
わたしは大好きだけど、合唱団をひっぱる明るく若い音楽の先生・エリザベスが同世代の間では
浮いてしまうことには納得。

チャーリー・リッチの「The Most Beautiful Girl」も劇中のアーサーの心情にぴったり。
勝手な想像だけど、堅物のアーサーが唄を口ずさむのは、若い頃から歌好きのマリオンに聴かせるため
だったのかな、なんて。

アーサーのする事は、すべてマリオンに捧げられている。
良い息子を持ちながらも、つい強く当たってしまうアーサーの親子間の確執にも触れられているけれど
たぶん奥さんのことが好きすぎて、自分の子どもも(子どもの世話をする奥さんに焼きもちをやいて)
受け入れにくかったのでは。
ともすれば教訓的な内容になってしまいがちだけど、強い絆で結ばれたアーサー&マリオンの夫婦が実に魅力的。
年老いた夫が妻を思う気持ちに、強烈に心を揺さぶられた。

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