Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

フライ、ダディ、フライ

2010年10月28日 | 2000年代 邦
フライ、ダディ、フライ
2005年 日本
監督:成島出
出演;岡田准一/堤真一/須藤元気/星井七瀬

娘に暴力を振るわれた父親は、相手の高校生に復讐するため、包丁をもって高校に殴り込み
更にけんかの強い高校生に弟子入り!
中年オヤジがとことんがんばっちゃう熱血ストーリー!!

なのだけど

高校生役の岡田くんがカッコつけすぎ
サラリーマン堤真一が情けなさ過ぎ

なんなんだ、この映画は~
と、ちょっと背中がむず痒くなります。

でも、その高校生師匠と、サラリーマン弟子の関係が
ふいに逆転するときがあって・・・

強くなくては生きていかれないから、と言わんばかりに
カッコつけすぎてる岡田くんがまわりの高校生以上に
子供っぽくみえて

いろいろわかった上で娘の為にがんばっている堤真一が
普通のオジさん以上に大人っぽく見えたりして

2人の心が近づいていくのが、くすぐったくもあり
ほほえましくもあり、ジーンときます。

ベルヴィル・ランデブー(映画)

2010年10月13日 | 2000年代 欧州
ベルヴィル・ランデブー (原題:LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE)

<アニメーション>      
フランス=カナダ=ベルギー 2002年
監督:シルヴァン・ショメ
声の出演:ジャン=クロード・ドンダ、ミシェル・ロバン。モニカ・ヴィエガ

フランスのある小さな街に、おばあちゃんと孫のシャンピオンがふたりで暮らしていた。
おばあちゃんは内気な孫を気づかい、数々のプレゼントを与えた。
その中のひとつが三輪車だった。

夢中になって三輪車を乗りまわすシャンピオン。そして月日は流れ、成長したシャンピオンとおばあちゃんは毎日自転車の猛特訓を続け、世界最高峰の自転車レース“ツール・ド・フランス”へ出場するまでに至った。

ところがレースの最中、救護車になりすましたマフィアの一味にシャンピオンと他の2選手が誘拐されてしまった。おばあちゃんは愛犬ブルーノの嗅覚をたよりに愛する孫を捜索。シャンピオンを乗せた船を足こぎボートで追いかけ、行き着いた先は“ベルヴィル”という名の大都市だった・・・。

まず鳴り出した音楽で一瞬のうちに、ベルヴィルの世界にひきこまれる! 
レトロでファンタジックな画像に心は鷲づかみ!! 

そして、奇妙にデフォルメされ、それでいて地味で無口な登場人物たち・・それぞれに個性的で、一くせも二くせも持った動きが何ともいとおしい。おばあちゃんの一心に孫を思う気持ちもまた、いとおしい。

大海原のシーンでは、ばあちゃんのあまりの頑張りに、思わず「ばあーちゃーん」と呼びかけてしまった。

ほとんどセリフがないだけに音楽や街のざわめきなどの効果が絶大。
細部にまで気を使った光の表し方や3D映像との融合が見事で、愛情と手間がじっくりかけられたことが見てとれる。
決して派手さはないけれど、あったかくて、ちょっぴりもの悲しい余韻に心が震えた。