Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

My French Film Festival その3

2011年01月26日 | フランス映画祭
29日までweb上で開催されている「My French Film Festival」。
さあ、作品を観るのも追い込みです。
 

短編部門「倒錯した若い女性の追憶」 Mémoires d’une jeune fille dérangée

これも、映画の題名があんまりですにゃ。
内容的には、性をテーマにした軽いラブコメ。
似たようなエピソードを長々と長編でやる作品はいくらもありますが
18分にまとめたところに価値があるのかなあ、と。


長編部門「もう一人の私」 L'Autre


一般的に、恋愛において女性の方がひきずらない、といいますが、
別れの理由にもよると、思います。
嫉妬の渦から抜け出せなくなるのは、女性の方が多いんじゃないかなあ。

この作品の主人公であるアンヌ=マリーもかなりの嫉妬深さを持つ女性。
しかも、焼きもちをやく状況を自らつくりだしている感があります。
たぶん、それは彼女の持っている傾向のようなもの。
相手が誰であれ、そうせずにはいられないのでは。

冒頭で長く、街と行き交う車や生活をする人々の光景が映し出されるのですが
それが後々になって心に染みてきます。



My French Film Festivalのサイト
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/


My French Film Festival その2

2011年01月24日 | フランス映画祭
Webにて開催されているフランス映画祭「My French Film Festival」。
感想2回目です。

短編部門「青いゴルディーニの男」 L'Homme à la Gordini

10分間という短いアニメーションですが、思想的かつコミカルそして痛快!
フランスアニメーションの真骨頂ですね~。
オレンジモノクロームの全体主義に挑む男たちと婦人・・
個人的にはオレンジ色も好きだけど
かっこいいですブルー


短編部門「娼婦とニワトリ」 Une pute et un poussin

ニワトリ・・・とゆーか出てくるのは、ひよこちゃんデス

タイトルからして、日本語訳だめじゃん!?って感じですが
内容も突っ込みどころ満載。

にしても、ひよこの着ぐるみは着てみたいです!!


長編部門「ヴォルベルグ一家」 La Famille Wolberg


シモン・ヴォルベルグは、エネルギーあふれる男であり、市民から愛される市長であり、
家族を愛し愛されていると自負しています。
しかし妻・娘・息子はそれぞれ別の方向に目を向けていて・・・
夫はそれに気づこうとしません。

それは彼の理想像とは、かけ離れているから。

どこの家庭だって、こんなだと思います。
もちろん、行動やカタチとして示すかという違いはあるだろうけど。
どこにでも転がってる小さな、けれど人生を変えるほどには大きい、
わたしたちの問題。

場面場面で、父・母・娘・息子がみせる気持ちに共感スイッチを切り替え切り替えては
一家がどうなっていくのかハラハラして見守りました。

何が正解かなんて、ないんだろうな・・・
「幸せ」は自分が決めるものだなあ、とつくづく思いました。


My French Film Festivalのサイト
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/


My French Film Festival その1

2011年01月23日 | フランス映画祭
1月14日から29日までWeb上にて開催されているフランス映画祭
「My French Film Festival」。
毎日、PCをたちあげては夢中で観ています

画像も日本語訳も少し荒めで・・・
ネット上のあらすじもあんまり訳はあってないかも・・・
でも気軽に楽しめるのはとても嬉しいし、誤訳もいろいろ想像できて味わい深いです。


長編部門「女優たちの宴」 Le Bal des actrices

女監督は「女優」そのもののドキュメンタリー映画を創るため、
数々の女優達に密着取材をオファー。
監督自らカメラを手に、彼女達が望む姿そして望まない姿もすべてを撮ろうと、
意欲を燃やすのですが。

それは女優さん相手ですから、そうそう一筋縄ではいきません。

わたしは、女優さんを、フランス女優さんは特に、
ある意味幻想的な存在として捉えているから
あまり裏側をみせないで欲しいなあと思っていました。

でも、素顔の彼女達もユニークで強くて脆くて、浮世離れしてて(笑)
充分に幻想的でした。
まあ、どこまでが演技で、どこまでが素顔かという問題もありますが。


短編部門「キム・ベイシンガーはいずこ」 ¿ Dónde está Kim Basinger ?

こちらは、まんまですね。
「キム・ベイシンガーはどこだ?」って言いたいだけでしょ、って!!
できれば、日本語吹き替えにして、タイトル通り「キム・ベイシンガーはいずこ」って
大声で叫んでもらいたいです。


さて、明日は何を観ようかな~。

My French Film Festival
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/


ノルウェイの森(映画)

2011年01月17日 | 2010年代 邦
大雪の中、観てきました。
映画は混沌としていて、途中何度も、こころまで凍えそうになりました。

ノルウェイの森
2010年 日本
監督: トラン・アン・ユン
出演:松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、高良健吾、霧島れいか、玉山鉄二


まさか村上春樹の小説が映画になるなんて思いもしなかったけれど
いろいろと考えさせられる作品に仕上がっていました。

物語は、主人公ワタナベが親友のキズキを自殺で失い、
キズキの恋人だった直子に再会するところから始まります。
2人は週末ごとに会うようになりますが、直子は心を病んで
病院に入院してしまいます・・。

淡々とした台詞と映像でぐいぐいと物語がすすんでいき
キャストは浮いているかのよう。
この世界のルールについては自明のことのように語られない。

そうして、見終わった後、深い喪失感に襲われました。
わたしたちは誰も、多かれ少なかれ、いろんなものや人を失いながら
生きてきたんだということを、思い出したのです。

「直子」が原作では不透明で曖昧な印象があったのですが、
映画では彼女の輪郭がはっきりと浮き出ていてきました。

直子がまとう「死」の匂いにも、ワタナベ君が選んで来た「生」の道に
対しても強く惹かれ、共感しました。
愛する人を喪ったら、わたしも生きてはいられないだろうと思います。
きっと、もう同じようには。