1ヶ月の間、最新フランス映画がオンラインで観られる「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2016」
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/
いよいよ最後の週末を迎えました。
コンペティション部門長編「Coup de chaud(熱風)」を鑑賞。
乾いた熱い風が山畑をぐずりとなでていく。日照り続きで、野は荒れ、人も家畜も暑さに悩まされている。
狭い村でつのるイライラは、村の厄介者ジョゼフへと向かう。ジョゼフは少し知恵遅れのところがあり、
人の話を聞かず、人の物をなんでもかんでも持ってきてしまう。家畜の群れに車で突っ込んでも気にもせず
常に大音量の音楽をかけ、目にうつる人々にちょっかいをかけてまわる。
村の人々にいくら厳しく言われても、ジョゼフの父と母は彼をなだめ、甘やかすだけ。
誰も彼も、無知なんだと思う。
知恵遅れの子になんて、声をかけたらいいか、言葉足らずだという場面が何度もある。
誰かの苛立ちは誰かを苛立たせ、彼を彼女をジョゼフをもエスカレートさせていく。
だからといって、彼を殺してなんになろう。
受け皿のない、やるせなさが残った。