Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

夢のチョコレート工場

2019年03月23日 | 1970年代 米
夢のチョコレート工場(原題:Willy Wonka & the Chocolate Factory)

1971年 アメリカ

監督:メル・スチュアート
製作:デビッド・L・ウォルパー、スタン・マーガリーズ
脚本:ロアルド・ダール(原作)、デビッド・セルツァー
出演:ジーン・ワイルダー、ジャック・アルバートソン、ピーター・オストラム
撮影:アーサー・イベットソン
音楽:ウォルター・シャーフ、アンソニー・ニューリー、レスリー・ブリッカス
美術:ハーパー・ゴフ

「チョコレート工場の秘密」は、こどもの頃から大好きなお話。何度でも読み返した大事な本。
ティム・バートン監督による映画化作品が有名だけど、たしか以前にも映画化されてるよね〜と
思って調べたら、約40年前の作品で、ありました。しかも原作者ロアルド・ダールの脚本で!

かなり製作側に書き換えられたとのことだけど、それは、摩訶不思議なチョコレート工場内に
入ってからの話で、工場への招待チケット5枚を巡って世界中が大混乱に陥る模様をほぼ映画の
半分を使って丁寧に丁寧に描いてくれているのはロアルド・ダールの意図によるんじゃないかなあ。

だってだって、チャーリーがチケットを握る、あの特別な感じは、チョコート工場のお話の肝!
食べるものにも困る極貧の勤労少年が、憧れてやまないチョコレート工場のゴールデン
チケットを奇跡的に手に入れた時の感激は、世界が光に包まれる瞬間で、胸がつまります。

そうして、いざチョコレート工場に潜入の日。
現れたウィリー・ワンカは名優ジーン・ワイルダーの怪演による、何とも怪しげなおじさん。
入場前には、何が起こっても訴えないという誓約書にサインされ、我がままな子供達は皆ひどい目に・・・。
なんだか悪意がある、な、、、

そこへ割り込んでくる小人族のウンパルンパたちによる、歌とダンスが超シュールで耳にこびりつく。
あああああ、やっぱり怖い世界だった。
踏み入れちゃいけないところだった。

チョコレート工場の夢と狂気を同時に堪能できる作品。

ビリー・ザ・キッド/21才の生涯

2014年03月30日 | 1970年代 米

ビリー・ザ・キッド/21才の生涯(原題:Pat Garrett and Billy the Kid)

1973年 アメリカ
監督:サム・ペキンパー
製作:ゴードン・キャロル
脚本:ルディ・ワーリッツァー
音楽:ボブ・ディラン
編集:ロジャー・スポティスウッド、ガース・クレーヴン、ロバート・L・ウォルフ、リチャード・ハルシー、
デイヴィッド・バーラトスキー、トニー・デ・ザラガ
出演:クリス・クリストファーソン、ジェームズ・コバーン、ジェイソン・ロバーズ、ジャック・イーラム、
リチャード・ジャッケル、ケティ・フラド、ボブ・ディラン

1880年代のニューメキシコを舞台に、今も数多くの伝説が残る無法者ビリー・ザ・キッドと、
昔なじみの友人だが保安官となったパット・ギャレットの攻防劇を描く。

公開当時はさほど評判が良くなく、後に映画配給会社のカット版、研究家たちによる編集版が製作される。
最後の編集版をDVDにて観賞。
そのDVDの特典映像で編集者たちがこの映画への愛情たっぷりに話しまくっている通り、個々のシーンの
格好良さときたら天下一品!
それが組み合わされると、どうして、こう、切り貼りされた印象になってしまうのか?
ボブ・ディランの歌声も良いのだけども雄弁(説明的)すぎて、演技に関してはボーッとしすぎで
西部劇お得意のピリピリとした緊張感が薄れていく~。
当時37歳のクリス・クリストファーソンが、ふてぶてしい笑顔を振りまきながら21歳の切れ者を演じるのも
違和感が残るし、邦題は無頓着だわ、つっこみどころ満載で物議が醸し出されるのも頷けるのだけど、
全てをひっくるめても、好きな作品かなあ。極悪非道にはみえないビリーをつい応援しちゃう。

今は保安官となったパット・ギャレットの言動の端々にみえる悪人っぷり。
対するビリーの、頼れる男っぷり。愛のない/ある、それぞれのベッドシーンの対比もあって
心の中ではビリーが捕まらないよう願ってしまい、否応無く感傷的にさせられます。