Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

ソレダケ that's it

2015年06月15日 | ロック映画、映像

ソレダケ that's it


2015年 日本
監督:石井岳龍
製作:重村博文、久保田康、小松賢志
スーパーバイザー:大里洋吉
プロデューサー:大崎裕伸
エグゼクティブプロデューサー:長谷川英行、川口貴史、近藤順也、渡邊恭子
脚本:いながききよたか
出演:染谷将太、水野絵梨奈、渋川清彦、村上淳、綾野剛


 内容と関係ないけど、劇場でチケット買うときや入るときに
「ソレダケで」「それだけ、ですか?」「それだけです」という遣り取りがおもしろかった。

 「爆音上映」って、どうも売り文句だけだったようで、特別措置はなし。
 ぐわんぐわんのデッカい音で、観たかったなー。

 
 石井岳龍監督が、ロックバンド“ブッチャーズ”のオファーを受け、楽曲の世界観をドラマ化したロック映画。

 ストーリーは、大黒砂真男が戸籍情報のつまったハードディスクを盗み取ったところから始まる。大黒は、
「殺したい男」の居場所と引き換えにディスクを渡すと、恵比寿に持ちかけるが、生半可な手が通用するはず
もなく、大黒は恵比寿に監禁され、そこで風俗嬢の阿弥と出会う。大黒と阿弥は協力して脱出し、くされ縁の
ように行動を共にするようになるが、大黒はそこで新たな殺意を見出し、阿弥は二人で暮らす幸せな未来を
夢見るようになる。

 どちらの考えも破綻しているのだけど、そのまま突き進んでいく愚かさ、無謀さ、若さ。
 これが20年前に制作された映画だったなら、希望に満ちた「その先」を阿弥と一緒になって追いかけれた
のだろうか。今の世の中じゃ底辺の暮らしなんてありふれすぎてて、逆にそこまで思い詰めるってことに
ピンとこない。
 
 まあだからこそ、後半はなしくずし。ラスボスのアジトに踏み込んでからは、どーでもよくなるっていう、
デストロイヤー的展開。綾野剛も染谷将太もぶっ壊れててよかった。

コットンクラブ

2015年06月07日 | 1980年代 米

コットンクラブ(原題:The Cotton Club)

1984年 アメリカ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
製作:ロバート・エヴァンス
製作総指揮:ダイソン・ラヴェル
脚本:ウィリアム・ケネディ、フランシス・フォード・コッポラ
出演:リチャード・ギア、ダイアン・レイン、グレゴリー・ハインズ、ロネット・マッキー、ボブ・ホスキンス、ジェームズ・レマー、ニコラス・ケイジ、アレン・ガーフィールド、フレッド・グウィン、グウェン・ヴァードン
音楽:ジョン・バリー
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:バリー・マルキン、ロバート・Q・ラヴェット


 舞台は、アメリカの禁酒法時代に実在したナイトクラブ「コットン・クラブ」。ギャングの抗争や、華やかなショービジネスの裏表を描く。リチャード・ギア演じるコルネット(吹奏楽器)奏者のディキシー・ドワイヤーが、暗黒街の上役たちに見込まれて這い上がっていく姿と、ボスの愛人との恋、またサイドストーリーとしてコットンクラブに新たに雇われる黒人タップダンサーのサンドマンも追いかける。

 ミュージカルではないけれど、音楽とダンスが実に饒舌。
 1曲流れるたびに誰かが恋に落ち、1曲終わるごとに誰かが殺される。
 
 ボスの愛人として、のちにニューヨークに高級クラブを持つこととなるヴェラは、「大人びた顔をしているが未だ10代」という設定だけかと思ったら、当時のダイアン・レインは正真正銘の20歳前。凄まじい色香と存在感! 初々しさもある弟役のニコラス・ケイジ(こちらも当時20歳)のやんちゃな感じもいい。
  
 それにしてもコッポラとリチャード・ギアが組むと、これほど臭くなるのかっていう・・・。
 キメッキメのセリフ・構図・表情で、ところどころ歯が浮くのは、もういたしかたない。
 これはぜひ劇場で観たかったなあと思う、エンターテイメント要素たっぷりの娯楽大作。