ダイヤルMを廻せ!(原題:Dial M for Murder)
1954年 アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:レイ・ミランド/グレース・ケリー/ロバート・カミングス/ジョン・ウィリアムズ/アンソニー・ドーソン
フレデリック・ノットのテレビ劇を作者自身が脚色し直したヒッチコック監督のミステリー。
資産家である妻の浮気を知った夫は、犯罪歴のある知人を脅して、妻の殺害を計画しますが
いざ襲いかかった際に、知人は妻に刺殺されてしまいます。
それならば、と夫は妻を殺人犯に仕立て上げようと・・・展開が流れるように続き
ストーリー構成の見事さに加え、無駄のない構図に魅せられます。
今のセットのように物が多過ぎないのも良いところ。
ちゃんと一目で設定がつかめるし、登場人物たちがひとつの部屋の中で右往左往し
動きまわる様子は、如実にそれぞれの感情を表しています。
あまりに入り込んで、妻を殺害しようとする「夫」に共感しているのか、
浮気した「妻」に共感しているのか、観ていてわからなくなる・・のが技なんでしょうね。