Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

Molii(プールの一夜)/La Bûche de Noël(ブッシュ・ド・ノエル)

2015年01月31日 | フランス映画祭

第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/

短編「Molii(プールの一夜)」
短編「La Bûche de Noël(ブッシュ・ド・ノエル)」アニメーション を鑑賞。
どちらもフランスの悪ガキって、悪ノリって怖いな!と感じる作品だった。

Molii(プールの一夜)では、夜中のプール監視員をからかって(必要なのか?)、近所の子供たちが
縦横無尽に駆け回る。転ばないで~。
La Bûche de Noël(ブッシュ・ド・ノエル)では、馬に飼われているカウボーイとインディアンが
クリスマスのプレゼント欲しさに四苦八苦。
矛盾してるけど、この雑な造りのシュールさは、秀逸だと思った。

Vandal(ヴァンダル ―青春のグラフィティー)

2015年01月28日 | フランス映画祭


第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/

2015年コンペティション部門長編「Vandal(ヴァンダル ―青春のグラフィティー)」を鑑賞。

車の盗難を繰り返し鬱憤を晴らしていたシェリフは、親元を離れて親戚に預けられ
職業訓練学校に通うことになった。
夜中、従兄弟に誘われ、壁に落書きをするグラフィティーペインターの少年たちの
グループに加わり、シェリフは今まで味わったことのない興奮を覚える。

マンガじゃないけど、感情が迫ってきてるときの波みたいな、ゴゴゴゴゴッ・・・って
音が聞こえてくるみたいだった。

成長期の体と心のバランスが取れないイライラ感。
周りの社会と自分との関係が掴みきれないムズムズ感。
女の子への興味と、性欲と、恋心と、混ざり合ってしまうモヤモヤ感。
苦しい、もどかしい、焦る。
思春期のいろんな感情が入り混じって、シェリフを走らせ、スプレー缶をふらせる。

なぜ世界中至るところで、あらゆる壁がペインティングされていくのか
15歳の少年は皆、Vandalなのかと合点がいく。




Tristesse Club (悲哀クラブ)

2015年01月24日 | フランス映画祭


第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/

2015年コンペティション部門長編「Tristesse Club (悲哀クラブ)」を鑑賞。

 レオンとブリュノの兄弟は、父の訃報を受けて葬儀を執り行うために故郷へと帰る。十数年ぶりに
戻った実家には、今まで会ったことの無かった母親違いの妹だというクロエが待っていた。親父が
借金や面倒を抱え込んでいるだろうことを見越して兄弟は葬儀もせず帰ろうとするが、実は死んだと
いうのはクロエの嘘で、と、ころころ2転3転としていく。
 
 この転がり具合が、ノープラン的というか、ぐずぐずに崩れてあらぬ方向へ転がっていくのが
おもしろい。兄弟妹たちも、その場では驚くものの、意外とすんなり受け入れてく。

 これまでも流されるままに、不本意に人生を歩んできたレオン、ブリュノ。俺はこのままでいいのか、と
ふと思ったりする、彼らの放浪っぷりが表情にも仕草にも滲みでてて、情けなくて、良い。




 

C'est dur d'être aimé par des cons(バカなやつらに好かれるのはつらい…)

2015年01月22日 | フランス映画祭

第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/
JE SUIS CHARLIE;私はシャルリーキャンペーンの一環として緊急無料公開中の映画
「C'est dur d'être aimé par des cons(バカなやつらに好かれるのはつらい…)」を鑑賞。
フランス語音声・英語字幕のみ、こんな時なんだから、もっと多くの言語に翻訳したらいいのに!
といってもフランス映画ファンの少なさを感じる、オヨヨヨヨ。


2007年の「シャルリー・エブド」紙の訴訟を追ったドキュメンタリー。
デンマークの新聞が発表した預言者ムハンマドの風刺画12枚を転載した件で
起訴された当時の様子を伝える。シャルリー・エブド新聞社内の様子が映しだされ、
そこには今回(2015年1月7日)犠牲になった方の姿も。

単なるジョークや嘲笑ではなく、命を賭して掲載しているんだなっていうのは
冒頭で感じたけれど、ただ・・・このドキュメンタリー作品の出来があんまりで
(ニュースを時系列にまとめただけ、インタビュー切り貼りしただけ)
やる気あんのか???って感じ。

なので、見てるうちにちょっとイラっとしてくるのは否めない。
大そうな理想を掲げてる割には、深い洞察や取材力を感じないし
上っ面でぶっちゃての、ごり押し。まあ揉めますね。

禁忌なぞ無くなれ!なんでも言える世の中を!って精神を貫いているのは
すごいと思うし、それが何であれ言論の自由は認められるべきだけど
傷つけあって、何になろう。

Aïssa (アイッサの検査)

2015年01月21日 | フランス映画祭


第5回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルにて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/

短編「Aïssa(アイッサの検査)」を鑑賞。

アフリカ系の少女の身体検査の様子を淡々と記した、8分15秒の短い映像。

不法滞在している少女は、自己申告では未成年。身分証は無い。
18歳以上であれば強制退去の対象となるため、控訴院は医師に検査を依頼する。
事細かに調べるも、年齢の断定はできない。なぜなら欧米の白色人種の発達
チャートはあっても、アフリカ系のそれは存在しないから。
だいたいアフリカ系といっても民族が多様だし、例えばコンゴとセネガルと
ケニアの人だとそれぞれ体格や体質も違うと思うけど。

昨日も今日も明日も、ごく普通に存在する日常のワンシーンなんだろうけど
少女にも医師にも、憤りを感じる。
それでも国は管理しなくてはならないし、裁かなくてはならない。