Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

裏切りのサーカス

2013年09月26日 | 2010年代 欧州

裏切りのサーカス(原題:Tinker Tailor Soldier Spy)

2011年 イギリス=フランス=ドイツ
監督:トーマス・アルフレッドソン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロビン・スロヴォ
製作総指揮 :ピーター・モーガン、ライザ・チェイシン、ロン・ハルパーン、デブラ・ヘイワード、ジョン・ル・カレ、
ダグラス・アーバンスキー
脚本:ブリジット・オコナー、ピーター・ストローハン
出演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、ジョン・ハート、トビー・ジョーンズ、マーク・ストロング
ベネディクト・カンバーバッチ、キーラン・ハインズ

冷戦時に暗躍した、イギリスの秘密情報収集機関・通称「サーカス」。
「サーカス」のボス、コントロールは内部に二重スパイがいると確信していたが、
探りきれぬまま責任を問われ引退、そして死去。
部下であったスマイリーも、コントロールとともに引退に追い込まれていたが、
再び「サーカス」内に二重スパイの存在が浮上し、スマイリーは調査を依頼される。

亡きコントロールの推測を追っていくと、二重スパイの候補にはそれぞれ
「ティンカー(鋳掛屋)」、「テイラー(仕立屋)」、「ソルジャー(兵隊)」、「プアマン(貧乏人)」
というコードネームが付けられていた。
そしてスマイリーも「ベガマン(乞食)」という名を与えられていた。

自分が右腕となって支えてた上司に「ベガマン」と思われてたなんて、キツいなあ。
しかし裏切り者を追うスマイリーは、何があっても、もとより寂しげな表情を崩さないまま
静かに状況を受け入れていく。

イギリスの名優を揃え、東西冷戦時代の裏切りをテーマに描く本作の雰囲気は、ずっしり重い。
サスペンス映画によくあるスピード感とは無縁。
情感たっぷりに、絡み合いよれていく糸を1本1本ほぐしていく。
なぜ、そこに至ったのか、ひとつずつの事柄に対しても理由をたっぷり考えさせられるので
見終わって、随分後になってからも思い返してしまいそう。


マン・オブ・スティール

2013年09月10日 | 2010年代 米

マン・オブ・スティール(原題:Man of Steel)

監督:ザック・スナイダー
製作:クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン、デボラ・スナイダー
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー
出演:ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ラッセル・クロウ、
ローレンス・フィッシュバーン、アンチュ・トラウェ

崩壊寸前の惑星クリプトンでは、ゾット将軍の反逆が勃発していた。
星の命運を知るジョー・エルは、将軍に敵対しながらも、産まれたばかりの息子にクリプトンの命運を託し
赤ん坊ただ一人を宇宙船に乗せて地球へと送り出した。

地球に辿り着いた赤ん坊は、偶然宇宙船を発見した夫妻に育てられ、自身の強いパワーの抑制に悩みながらも成長していく。
彼を宇宙人と知りながらも、地球で生き抜く術を厳しくも優しく教える養父母たち。
え?この人ダレだっけ・・と思うくらいに老け込んだケヴィン・コスナーが、また、かっこいいんです!!
無骨で頑固なアメリカの農場主といった呈で、拾い子である我が息子を守り抜こうとする、強い心の持ち主です。
養母役のダイアン・レインも、眩しいほどに優しい。

さらに、スーパーマンの実父親役にはラッセル・クロウ。
残像記憶としてコマンドキーに収められ、クリプトン星と地球とを繋ぐ役目をするのですが、
現れては消え、便利すぎな活躍ぶりを魅せてくれます。
いいなあ、うちにも来てくれないかな。一家に一人ラッセル・クロウ。

スーパーマン誕生の背景や、成長期に至っては繊細に人間ドラマの色合い濃く描いているのですが、
ゾット将軍が地球に攻めてきたあたりから、いきなりの大味に!
まあ、それがいいんです。ドシーン、ガシーン!!という、ど突き合いが見られて、超満足。
やっぱりスーパーマンはかっこいいな!って思い出させてくれます。