Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

西遊記~はじまりのはじまり~

2014年12月09日 | 2010年代 中

西遊記~はじまりのはじまり~(原題:西遊 降魔篇)

2013年 中国
監督:チャウ・シンチー、デレク・クォック
製作総指揮:エレン・エリアソフ 、 ドン・ピン 、 ビル・コン
製作:チャウ・シンチー 、 アイヴィー・コン
脚本:デレク・クォック 、 チャウ・シンチー 、 ローラ・フオ 、 ワン・ユン 、 ファン・チーチャン 、
ルー・ゼンユー 、 リー・シェン・チン 、 アイヴィー・コン
出演:ウェン・ジャン、スー・チー、ホァン・ボー、ショウ・ルオ、クリッシー・チョウ、シン・ユー
リー・ションチン、チウ・チーリン


「ドラゴンボールから発想を得た」とチャウ・シンチー監督がインタビューで語れば
「銀河系最強のおもしろさ!!」と鳥山明がコピーを寄せている大公認のオマージュ。
孫悟空が満月を見上げてのドラゴンボールのアレも同構図で観れる、号泣号笑の痛快娯楽劇! 

 西遊記のはじまりの部分、のちの三蔵法師となる玄奘が若き妖怪ハンターとして奮闘し、
水の妖怪(沙悟浄)、豚の妖怪(猪八戒)、妖怪の大王(孫悟空)を従えていくまでを描く。
 女妖怪ハンター「段」役のスー・チーのコメディエンヌっぷりも見事だし、空虚王子や
足じぃ等、続々出てくるオリジナルキャラも凝ってて抜かりない。

 今回、ドラゴンボールを意識したというだけあって、日本の観客にかなり寄せて来てるなあ
という印象。チャウ・シンチーの持ち味であるお下劣ネタは封印気味で、ひたすらに小ネタを
突っ込んでくる。ダイナマイト1発ぶっこんでくるタイプではなく、あらゆる角度を狙う
ミサイルランチャー。鉄板もあり、変わり種もあり☆ 
そこまでする~?と思ったのは、孫悟空と玄奘が剥いたバナナを受け渡ししようとしてるところへ
女が登場したとたんに「あら、お邪魔だったかしら」って台詞言わせるなんて、1ミリも隙間ナシ! 
どん欲に笑いを塗り重ねていく。

 しかもチャウ・シンチーが凄いのは、中国が世界からどんな目で見られているかを全て承知した
うえでひっくるめて、茶化してしまえるところ。タブーなんて無い!と叫びながら、タブーを侵す
確信犯だと思う。