Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2022 その2

2022年02月12日 | フランス映画祭
オンライン開催中のフランス映画祭https://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/にて
長編「ナディア,バタフライ」を視聴。

選手人生を終えるアスリートの葛藤を描くストーリーだが、その舞台に胸が詰まって詰まって、話が全然入ってこなかった。
2020年開催大観客ノーマスク大歓声の東京オリンピック!!!!!(ビフォーコロナの映像)。
自国選手の活躍に力の限り声援を送る姿に涙が浮かぶ。
各国の選手にナディアのように、日本でのオリンピア生活を満喫して欲しかった。
これが日本での劇場公開なしは残念すぎ。
わたしたちが欲しかったのは、これだよ。このオリンピックが良い。
何物ねだりだけど、この映画を見ている間中、夢をみてるみたいだったから。

続いて短編「各駅停車」を鑑賞。
30年前の名作ショートというだけ、ある! 
完璧な8分45秒。
これぞ短編! これぞコメディ!!

はー、大満足。だからフランス映画祭はやめられない。

マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2022

2022年02月06日 | フランス映画祭
オンライン開催中のマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2022(MyFFF)
https://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/
での感想を少し。

【長編映画】
★テディ
冒頭、戦没者の石碑のスペルに文句をつけるテディくん。でもそれは、ただのカン違い。
この子がもう、真面目なんだか、不真面目なんだか。中途半端さにヤキモキさせられる。
そして、オオカミ男になっちゃうのかー。
思春期まっただなかの青年が、望まざる変容を遂げなければならない葛藤が滲み出ていた。

★パリ、夜の医者
夜間の訪問診療は忙しい。
ひっきりなしにコールが入り、患者の家から患者の家へと駆けずり回る。
そんな中で、医師のミカエルは、助けを求めてくる麻薬中毒者に沈痛薬の処方箋も渡している。
いくら患者に対する態度が温和であっても、弱者に寄り添っていても、
医療に対して真摯であってとしても。女から見て、ぜぇえええっっったい信用できない男だなぁ。

【短編映画】
★勇気を出せ!
なんでもかんでもSNSにupしたい欲望で満載の中学生たちを乗せた通学バス。
そこでそのかかされて、告白って・・・青春デストピア? 
すべてWEB上に公開されてるって知っての上での
踏ん切りだったり、あしらいだったりするんだろうな・・・。

★愛の痛み
無痛症で、殴られたり刺されたりしても何も感じないトロイと出会った多感な少女は、
まんまと影響されてしまう、しまうよね。
この時期の出会いって、どんな人と出会うかって、重要すぎ。

Rock'n Roll(ロックンロール)

2018年02月18日 | フランス映画祭

明日までwebにて開催中のマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2018(MyFFF)
https://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/
毎年とっても楽しみにしていて、1ヶ月たっぷりとフレンチフィルムに浸かるのに
今年は期限ギリギリでやっと1本鑑賞できました。
(夜泣育児に会社決算、骨折&手術・・・彼是)

これだけは、とチョイスしたのは長編「Rock'n Roll(ロックンロール)」。
ギヨーム・カネとマリオン・コティヤ ール夫妻がそれぞれ本人の役を演じ、
中年の危機を脱しようと奮闘するだなんて何事!? と思ったけど
見事なまでに「ギヨーム・カネ」を監督兼主演兼本人がいじり倒してる!!

自分のこと、ここまで酷く描ける、なんて・・・。
ほんとにギヨーム・カネのイメージが変わった。
最後のオチがサイコーだった。ムセるほどに笑いこけた。

そして、自然体(っぽくみえる)マリオンがすごく綺麗だった。
もー変なこと考えてないで、この人をちゃんと幸せにしてあげてよーって、思った。
余計なお世話だよね。
なんだかんだいって、信頼関係がなければ、できない映画。
サイコーだった。サイコーだった!


MyFFF2017閉幕

2017年02月13日 | フランス映画祭

9の長編、16の短編が出品された2017年の「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」は
今日がラストデイ。今年も面白かった〜! 

ただ・・・いわゆる大人向けというか、露骨な表現の多い作品が多くて、ちょっとコメントしづらいなあ
ってものも。年々、規制が甘くなってきているよーな気がしないでもない。社会的な倫理は当然、変化して
いくものだろうけれど「慣らされていく」感覚もある。

反対に、子供たちが主役となった作品群は、今のフランス社会に蔓延する閉塞感もなんのその、敏感に
空気を感じつつも、それを打ち破る奔放さがあって頼もしかった。あと、兎にも角にもラブリーだった。
「僕のまわりの悪魔(Les Démons)」のフェリックスが聞きかじりの知識から、エイズになったかも、と
勘違いしてクローゼットの中で泣いちゃうとことか、「転校生(Le Nouveau)」のブノアがジョアンナに
夢中になって上の空で聞く授業が「2ジョアンナを同じ数のジョアンナでジョアンナします。答えはジョアンナ
ですね」なんて聞こえちゃったりするところなんて、たまらなくかわいい。

片割れを探し続ける3人3様の思いが乱れる「奥深い水の中で(Dans les eaux profondes)」、洞窟の中で
管理された生活をおくる鳥たちを描く「影と翼(D'ombres et d'ailes)」からは、ふわりと流れてくる秋風の
ような悲しみを感じたし、ギャングの手下たちのすれ違い会話がコントみたいな「ダーン・ディール(Une
formalité)」や「パニック・イン・ザ・ヴィレッジ」の最新作は文句無しに爆笑だった。

多様な作品に心震えた約1ヶ月間。これからは、MyFFFの無い11ヶ月。。。早く来年にならないかしら。

アイム・オール・ユアーズI(Je suis à vous tout de suite)

2017年02月07日 | フランス映画祭

今月13日までwebにて開催中!!
フランス映画にたっぷり浸れるマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2017(MyFFF)にて
http://www.myfrenchfilmfestival.com/ja/
長編「アイム・オール・ユアーズI(Je suis à vous tout de suite)」を鑑賞。

コメディ、だよね?
明るくてテンポよくてエロいけど、それだけじゃなくって、かなり複雑。

主人公は、いつも背中がぱっくり開いたドレスやミニスカートを好んで身につけるアナ。
父はアルジェリア人でイスラム教徒なのだが、フランス生まれの彼女はいわゆる禁欲的ではない。
困っている人を放っておけず、慰めるために自らの体を差し出すことも厭わない。
というか、他の方法を知らない。嫌と言えず、すべてが相手の言いなりの彼女。

そもそも両親ともに、お人好しの家庭で育った。食材店を営む父は客の要望にすべて応えようと奮闘し、
母は近所の人たちの心理カウンセラーを無料で引き受ける。
「ノン」を習わず育ったアナは、体を求められても断れなかった。
むしろ、それが誰かの慰めになることを知り、そこに自らの価値を見出そうとする。
アナの弟はそんな姉に反発し、よりイスラム教徒らしく、アルジェリア人らしくあろうと傾倒していき
姉弟は確執を深めていく。生死を左右する腎臓の提供を拒むほどに。

ちょ、盛り込みすぎ! 何が正解なのか、わからなくなるよ。
アナが他人にすべてを差し出しながらも、自らの人生に納得しているようにみえるところが余計に
混乱させられる。

自分の生き方を納得させるものが、その人のアイデンティティーになるのかな。
多くの人は「その人がそれでいいなら」と思うだろう。
自分に真剣に向き合ってくれる人を大切にしなければね。