Kimama Cinema

観た映画の気ままな覚え書き

デッド・ドント・ダイ

2021年01月14日 | 2010年代 米
デッド・ドント・ダイ(原題:The Dead Don't Die)

2019年 アメリカ
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
製作総指揮:ノリオ・ハタノ、フレデリック・W・グリーン
撮影:フレデリック・エルムス
美術:アレックス・ディジェルランド
衣装:キャサリン・ジョージ
編集:アフォンソ・ゴンサウベス
音楽:スクワール
出演:ビル・マーレイ、アダム・ドライバー、 ティルダ・スウィントン、クロエ・ セヴィニー、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・グローバー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ロージー・ペレス、トム・ウェイツ、セレーナ・ゴメス、イギー・ポップ

ゾンビとコメディが共存する好例、と言ってしまっていいものか。
ウギャー! ズッガーン!って感じじゃなくて、あれれなんじゃこりゃと思ってるうちに
墓場ならぬジム・ジャームッシュの世界に引きづりこまれていく。

ゾンビを追う警察官ビル・マーレイとアダム・ドライバーの淡々としたやり取りが絶妙だ。
ラストは、往年の西部劇ばりの活躍に震える・・・。まあ、パロディ多し。
そして、登場する街の人々・ゾンビが無駄に豪華で笑える。

更に柔道着で日本刀を振り回すティルダ・スウィントンが最凶に謎。
ゾンビ映画って、ゾクゾクするものだと思うけど、ずっとゾワゾワしていた。

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

2017年11月27日 | 2010年代 米

ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(原題:Miss Peregrine's Home for Peculiar Children)

2016年 アメリカ
監督:ティム・バートン
製作:ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング
出演:エイサ・バターフィールド、エヴァ・グリーン、サミュエル・L・ジャクソン、
エラ・パーネル、テレンス・スタンプ、クリス・オダウド、アリソン・ジャニー、
ルパート・エヴェレット、ジュディ・デンチ
撮影:ブリュノ・デルボネル
編集:クリス・レベンゾン
音楽:マイク・ハイアム

奇妙なこどもたちに、奇妙に魅了される。

ちびっこで甘えっ子なのに怪力のブロンウィン、すぐに裸になっちゃう透明人間のミラード、
モノに命を吹き込むイーノックに植物を操るフィオナ、自分の夢を上映できるホレース、
仮面を被った双子(たまたまだろーけど荒川アンダーザブリッジだー♪)、指先から火を放ち、
お茶も素手で沸かしてくれるオリーブ、蜂を身体中にまとわせるヒュー、後頭部に2つ目の
口を持つクレア。

そして、空気より軽くて宙に浮いてしまうエマ。
もう彼女ときたら・・・
飛んで行ってしまわないよう鉛の靴を履いていて、その靴のままスルリと海の底へと沈んでいく
甘美的なことといったらない。
もちろん水中で呼吸することができ、さらに風を操るチカラも持ってる。

この奇妙なこどもたちの事を、ずっと祖父から聞いて憧れていた少年ジェイク役に
あの「ヒューゴの不思議な発明」のヒューゴくん! 
大きくはなったけど、やはり不思議の国の住人であることに変わりなく、感無量。

さらにミス・ペレグリン役にエヴァ・グリーン、敵のバロン役にサミュエル・L・ジャクソンと、
そもそもの存在自体がCGのような人たちがキャスティングされ、御伽話感がとまらない。

ティム・バートン色の世界にどっぷり浸かれる127分。
おじいちゃんと孫の恋心が重なるのが、ただただ切なかった。

靴職人と魔法のミシン

2016年06月07日 | 2010年代 米
靴職人と魔法のミシン(原題:The Cobbler)

2014年 アメリカ
監督:トーマス・マッカーシー
製作:メアリー・ジェーン・スカルスキー、トーマス・マッカーシー
製作総指揮:ニコラス・シャルティエ、ゼブ・フォアマン、マイケル・ベダーマン
脚本:トーマス・マッカーシー、ポール・サド
撮影:モット・ハップフェル
編集:トム・マカードル
音楽:ジョン・デブニーニック・ウラタ
衣装:メリッサ・トス
美術:スティーブン・H・カーター


マンハッタンで代々続く小さな靴屋を営む、さえない中年男マックス。ある日、いつも使っている電動ミシンが壊れたため、先祖から伝わる古い足踏みミシンで靴を修理したところ、その靴を両足に履くと本来の靴の持ち主に姿が変身する!ことを発見する。片方脱ぐと戻るのね・・・便利。

ドタバタコメディーもしくは心あたたまるファンタジーと思いきや、けっこう犯罪映画だった。修理預かり品の靴を勝手に借用するのは言うまでもなく、変身した仮の姿で好き放題。あっという間に怪しい組織に巻き込まれていく。

そんなマックスを知ってか知らずか、心配をしてくれる隣の理髪店のおやじさんが、スティーブ・ブシェーミだって地点で、怪しさは満点。これって、もっと分かりやすくブラックに振り切っても良かったんじゃないかなあ。突然失踪したお父さんの行方が物語の謎としてでてくるのだけど、マックスの百倍怖いことやってたんかなあと、モヤモヤがおさまりません。

ヘイトフル・エイト

2016年03月12日 | 2010年代 米

ヘイトフル・エイト(原題:The Hateful Eight)

2015年 アメリカ
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
製作:リチャード・N・グラッドスタイン、ステイシー・シェア、シャノン・マッキントッシュ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、ジョージア・カカンデス
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:フレッド・ラスキン
音楽:エンニオ・モリコーネ
衣装:コートニー・ホフマン
美術:種田陽平


 賞金稼ぎのジョン・ルースは捕えた女悪党のデイジー・ドメルグを手錠でしばりつけ、
激しい雪の中、馬車をレッドロックへと向かわせていた。途中で、同じく賞金稼ぎの黒人
マーキス・ウォーレンと、レッドロックの新しい保安官だと言いはるクリス・マニックスが
大雪で困っていたのをやむなく馬車に同乗させた。

 ここでまず何度も舌戦が繰り返される。
 一度把握したはずの登場人物の立場はくるくると変わり、南北戦争や人種問題、リンカーンの
名前まで飛び出して、波乱含みの幕開け。

 そうこうするうちに雪はさらに激しくなってゆき、ひとまず中継地点にある店で休むことに。
猛吹雪でとても抑えきれないからと釘で打ち付けてあるドアを蹴り破って無理やり入り、また
釘を打ち付けるといった凝った作りで、はい、密室の出来上がり。

 店を陣取っていたのは、なじみの店主ではなく、留守番をしていると言うボブと先客の3人の男。
賞金稼ぎのジョン・ルースがひとまず場を支配し、先客の身上を聞き出していく。自分からペラペラ
と話すのはデイジーの絞首刑のためにレッドロックへ向かうと言う死刑執行人オズワルド・モブレー、
チェスを睨みつつ椅子から動こうとしない南北戦争時の将軍だったサンフォード、部屋の片隅には
故郷に戻る途中のカウボーイのジョー・ゲージという顔ぶれ。

 御者のO.Gがヘイトフルじゃないだけにぞんざいな扱いなのが可哀想だけど、時代は使用人と富を
つかう人の区別がはっきりとしていた頃。黒人も奴隷のように扱われるのが当然だったりするので
賞金稼ぎで身をたてているマーキスは虚勢はりまくってたり南北戦争の遺恨も深く残っていたりで
場は荒れる荒れる。誰が殺しても殺させれてもおかしくない。もうタランティーノの独壇場! となれば
わかりきってるけど、そうきますよね!!

 これまでのラストは、なし崩しになる印象が強かったけど、今回はしっかり伏線を回収してきれいに
終わったなあという印象。うん、悪党だらけの映画だし、これでいいのだ。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

2016年01月01日 | 2010年代 米
スター・ウォーズ/フォースの覚醒(原題:STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)

2015年 アメリカ
監督:J・J・エイブラムス
製作:キャスリーン・ケネディ、J・J・エイブラムス、ブライアン・バーク
製作総指揮:トミー・ハーパー、ジェイソン・マクガトリン
脚本:ローレンス・カスダン、J・J・エイブラムス、マイケル・アーント
出演:デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、ハリソン・フォード、ピーター・メイヒュー、
アダム・ドライバー、オスカー・アイザック、キャリー・フィッシャー
撮影:ダン・ミンデル
編集:メリアン・ブランドン、メアリー・ジョー・マーキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
美術:リック・カーター、ダーレン・ギルフォード
衣装:マイケル・カプラン
視覚効果監修:ジョン・ノール

 あけましておめでたく、元旦からスター・ウォーズを観に行った。シリーズ7作目! 
 10年ぶりの新作公開とあって期待は高まる。が、こんなご都合主義の映画だったっけ?
というのが見始めた段階での感想。
 昨今は複雑怪奇なストーリーや設定が多いから、そっちに慣らされていたのかも。

 舞台は「ジェダイの帰還」から約30年後。銀河帝国の残党から結成された組織
「ファースト・オーダー」が宇宙に新たな脅威をもたらそうとしていた。最後のジェダイで
あったルーク・スカイウォーカーが放浪の旅に出て姿を消した今、軍事組織レジスタンスを
将軍として統括するレイア姫は暗黒面に立ち向かうために兄ルークの居場所を探していた。

 そのルークの所在を示す地図(なんで失踪した人の居場所がわかる地図があるん? 謎??)
を探し当てたポーはファースト・オーダーの襲来を受け、ドロイドのBB-8にデータを託して
砂漠に放つ。偶然BB-8を見つけた廃品回収のレイと、元々ファースト・オーダーの兵士だった
フィンは都合良く近くにあったミレニアム・ファルコンに乗り込み、敵を撃退。宇宙へ逃げ出すが、
ハン・ソロとチューバッカに捕獲される。

 ここでやっとホッとする。新顔たちのアクションは、ダイナミックに過ぎてハラハラし通しだった。
チューバッカが変わらないのはもちろん、ハン・ソロもやんちゃな感じが残っていて、2人の掛け
合いに頼もしさもある。レイア姫の貫禄にはかなわないけど。

 ハン・ソロに連れられて一行は惑星タコダナのマズ・カナタを訪ね、BB-8をレジスタンスへと
届ける助けを求めた。そこでレイは何かに呼ばれるようにして地下室に導かれ、かつてルーク・
スカイウォーカーが使用していたライトセーバーを手にする。その瞬間、自身の幼少期の記憶と
ともに様々なイメージが彼女の頭の中を駆け巡る。

 戸惑ったレイは森の中へと逃げ込み、そこへ追ってきた「新・ダースベイダー」であるカイロ・
レンによって連れ去られる。フィンは彼女を取りもどすため、レジスタンスの攻撃に加わる。
元敵方だったフィンの情報によると、ファースト・オーダーは銀河系を一挙に爆破できる宇宙兵器
を開発し、今にも砲撃段階に入ると言う。えー早く言おうよ、それ。

 次々に話が展開されるものの裏読みがすべてできるのが、いっそすがすがしい。なんといっても
最新クオリティのCGで、スターウォーズを観られるのは至福。そりゃあフォースだって修練積まず
ともサクサクでますよ、今や21世紀ですから。特殊効果も設定さえしとけばワンクリックの世の中
ですから! 
 大味感はあるものの娯楽大作として楽しめた。そして、そこで終わるんだろうなあ、と誰もが
思っていたところでエピソード7終了。

 勝手気ままな邪推だけど、ルークはジェダイ育成からは身をひいても連絡だけはとれるように
「地図」をR2-D2に伝えていたが、R2-D2がうっかりミスでデータの1部分を不明アドレスに転送
してしまい、「やばいっっ」と考えスリープ状態に入ったんじゃ・・・? R2-D2怪しいよなー。

 さておき、新ヒロインのレイには、次のエピソードまでにバッキバキに強くなっていて欲しい。